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最終章:無双代行の結末
空中城塞攻略⑦・虫根
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全身フルアーマーを装着して、ドデカイ鎌を手に持ったキネウラが身構える。
え、っていうかなんか背中からハチの翅のようなモンが生え・・・
「ご覚悟。」
「いっ・・・!?!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「さすがミラ・・・。防ぎましたか。」
ちょっと待って・・・。
さっき、動き見えなかったんだけど・・・。
そもそもコイツ・・・ヒューゴ君狙ってきやがった・・・!!!
とっさに剣でガードしなかったら、本気でやられてた・・・。
「しかしどこまで守りきれますかな?」
「ちょっ・・・!!!」
まるでパワードスーツでも着てんのかってくらい、キネウラは尋常じゃないスピードと正確さでヒューゴ君をしつこく狙ってきた。
天級第二位の魔能である脈動の叡智者を使わないと対応できないって、どんな身体の動かし方してんだよ!?
骨がないのかコイツには!?!?
おまけに翅が生えてるせいで、空からもアタックしてくるし!!
動き回るだけで精一杯だよッッッ!!!
狭い地下空間で、あたしとキネウラは縦横上下に鍔迫り合って火花を散らした。
「やりますね。おかげでヒューゴに近づけません。」
ちきしょぉ~!!
澄ました顔で言いやがってッッッ!!!
そもそもコイツ・・・なんでヒューゴ君だけ殺そうとしてんだ?
攻略の肝だってバレたんか!?
でもなんかおかしい・・・。
もしそうなら、最初からあたしをアウト・オブ・眼中にして、真っ先に殺そうとしてたはず・・・。
キネウラには、雑談をする余裕があった。
そうだとしたら・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「んっ!?」
剣を下ろしてキネウラの攻撃をまともに食らったが、あたしの身体には傷一つ付いておらず、逆にキネウラの鎌が『ボキッ!!』と折れてしまった。
あたしとキネウラは地上に降りて、お互いを見合った。
「アンタがどうしてヒューゴ君狙いなんか分かったわ。知ってんでしょ?あたしの特性。」
「ええ。あなたには一切の物理攻撃が通用しない。でもそこの者は違う・・・。だから比較的倒しやすい方から片付けようと思いまして。」
やっぱそういう魂胆か。
「あと、どうしてあなたが他の永友の者を残して彼だけここに連れて来たのか・・・。彼の精神支配魔能の腕はこの世界でも指折りの実力者。彼を使ってわたくしごと外の働きアリを封じようとしているのでは?」
「うっ・・・!?」
「その反応を見る限り正解のようですね。正直後者はあくまで推測の域だったのですが。」
あたしのバカ!!
ここぞって時に顔に出すなんて・・・。
もう3年近く異世界で戦ってんのによぉ!!
「だとしたら、ますます彼を放ってはおけませんね。」
「あっ、アンタにヒューゴ君が殺せんの!?あたしが必死でガードしてんのに!?」
「ふむ・・・。そうですね。では、あなたの相手は、彼らにやってもらいましょう。」
「は?」
キネウラが指をパチンと鳴らすと、穴から働きアリが何かを運んできた。
それは・・・手足をもがれた10人の人間の男女だった。
「いっ、痛ぇよ・・・。」
「お願い・・・助けて・・・。」
怯えた目で、歯をガチガチさせて、股の部分にシミを作って震えている。
「彼らはアドニサカ魔政国の名家の人間達です。皆、天級の魔能が使えます。」
働きアリ達がせっせと並べた人達の前に、キネウラが近づいた。
「なっ、何する気だよ!?」
「はい?もうご存じのはずでは?」
え・・・?
「従蟻主・異種転眷。」
「なっ、何・・・ぎっ・・・!?んぴwfbpioqbwふぉ@bqwpfhqpeiv「ぴべqvbくぇ@おfb@くぉいべv@くぃべふぃbくぇvpbくぇfbくぇbb!!!!」
「いっ、イヤ・・・あがっ・・・!qbんjfdんbせjんべのんぼえおbpのえんぼえんbほbのえrhぼえおえおんぺうhごねびおえhぼねお@いhrb@おhけhんびおへおh@おえthびお!!!!」
みんな声にならない叫びを上げながら・・・二本足で立つアリになっていった。
「ギッ、ギチチ・・・。」
「チッ、ガチガチ・・・。」
「これで彼らも、立派なわたくしの働きアリ達です。アド様に人間に変えて頂き、軍蟻種の女王種としての特性が、まさか自分のオリジナルの魔能に昇華するとは思いもよりませんでした。どうですか?ご感想の程は?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「おや?どうかしましたか?お静かになられて。」
「おい。お前・・・今どんな気持ちだよ?」
「はい?」
「いいから答えろ。今どう思ってんのか。」
「別に。何とも思ってないですが。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「そう。じゃあいいや・・・。」
殺すことができない剣の形状が変わって刃が付く。
森でコイツの仲間に襲われた時のことを忘れてたわ。
コイツは人間を・・・アリに無理やり変えるんだった。
この目で見るまであんまイメージできなかったけど、今はハッキリ言える。
コイツの性根は魔物・・・いや、虫のまんまだって。
「今からあたしもお前狙いでいくわ。ぜってぇ殺してやるから覚悟しろよ?」
「人は殺さないと誓ったはずでは?」
「何言ってんの?お前は人じゃねぇよ。ただの虫・・・それも性質の悪い害虫。あたしがやんのは、その首飛ばして、二度とチョロチョロ動けないようにするだけ。」
え、っていうかなんか背中からハチの翅のようなモンが生え・・・
「ご覚悟。」
「いっ・・・!?!?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「さすがミラ・・・。防ぎましたか。」
ちょっと待って・・・。
さっき、動き見えなかったんだけど・・・。
そもそもコイツ・・・ヒューゴ君狙ってきやがった・・・!!!
とっさに剣でガードしなかったら、本気でやられてた・・・。
「しかしどこまで守りきれますかな?」
「ちょっ・・・!!!」
まるでパワードスーツでも着てんのかってくらい、キネウラは尋常じゃないスピードと正確さでヒューゴ君をしつこく狙ってきた。
天級第二位の魔能である脈動の叡智者を使わないと対応できないって、どんな身体の動かし方してんだよ!?
骨がないのかコイツには!?!?
おまけに翅が生えてるせいで、空からもアタックしてくるし!!
動き回るだけで精一杯だよッッッ!!!
狭い地下空間で、あたしとキネウラは縦横上下に鍔迫り合って火花を散らした。
「やりますね。おかげでヒューゴに近づけません。」
ちきしょぉ~!!
澄ました顔で言いやがってッッッ!!!
そもそもコイツ・・・なんでヒューゴ君だけ殺そうとしてんだ?
攻略の肝だってバレたんか!?
でもなんかおかしい・・・。
もしそうなら、最初からあたしをアウト・オブ・眼中にして、真っ先に殺そうとしてたはず・・・。
キネウラには、雑談をする余裕があった。
そうだとしたら・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「んっ!?」
剣を下ろしてキネウラの攻撃をまともに食らったが、あたしの身体には傷一つ付いておらず、逆にキネウラの鎌が『ボキッ!!』と折れてしまった。
あたしとキネウラは地上に降りて、お互いを見合った。
「アンタがどうしてヒューゴ君狙いなんか分かったわ。知ってんでしょ?あたしの特性。」
「ええ。あなたには一切の物理攻撃が通用しない。でもそこの者は違う・・・。だから比較的倒しやすい方から片付けようと思いまして。」
やっぱそういう魂胆か。
「あと、どうしてあなたが他の永友の者を残して彼だけここに連れて来たのか・・・。彼の精神支配魔能の腕はこの世界でも指折りの実力者。彼を使ってわたくしごと外の働きアリを封じようとしているのでは?」
「うっ・・・!?」
「その反応を見る限り正解のようですね。正直後者はあくまで推測の域だったのですが。」
あたしのバカ!!
ここぞって時に顔に出すなんて・・・。
もう3年近く異世界で戦ってんのによぉ!!
「だとしたら、ますます彼を放ってはおけませんね。」
「あっ、アンタにヒューゴ君が殺せんの!?あたしが必死でガードしてんのに!?」
「ふむ・・・。そうですね。では、あなたの相手は、彼らにやってもらいましょう。」
「は?」
キネウラが指をパチンと鳴らすと、穴から働きアリが何かを運んできた。
それは・・・手足をもがれた10人の人間の男女だった。
「いっ、痛ぇよ・・・。」
「お願い・・・助けて・・・。」
怯えた目で、歯をガチガチさせて、股の部分にシミを作って震えている。
「彼らはアドニサカ魔政国の名家の人間達です。皆、天級の魔能が使えます。」
働きアリ達がせっせと並べた人達の前に、キネウラが近づいた。
「なっ、何する気だよ!?」
「はい?もうご存じのはずでは?」
え・・・?
「従蟻主・異種転眷。」
「なっ、何・・・ぎっ・・・!?んぴwfbpioqbwふぉ@bqwpfhqpeiv「ぴべqvbくぇ@おfb@くぉいべv@くぃべふぃbくぇvpbくぇfbくぇbb!!!!」
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みんな声にならない叫びを上げながら・・・二本足で立つアリになっていった。
「ギッ、ギチチ・・・。」
「チッ、ガチガチ・・・。」
「これで彼らも、立派なわたくしの働きアリ達です。アド様に人間に変えて頂き、軍蟻種の女王種としての特性が、まさか自分のオリジナルの魔能に昇華するとは思いもよりませんでした。どうですか?ご感想の程は?」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「おや?どうかしましたか?お静かになられて。」
「おい。お前・・・今どんな気持ちだよ?」
「はい?」
「いいから答えろ。今どう思ってんのか。」
「別に。何とも思ってないですが。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「そう。じゃあいいや・・・。」
殺すことができない剣の形状が変わって刃が付く。
森でコイツの仲間に襲われた時のことを忘れてたわ。
コイツは人間を・・・アリに無理やり変えるんだった。
この目で見るまであんまイメージできなかったけど、今はハッキリ言える。
コイツの性根は魔物・・・いや、虫のまんまだって。
「今からあたしもお前狙いでいくわ。ぜってぇ殺してやるから覚悟しろよ?」
「人は殺さないと誓ったはずでは?」
「何言ってんの?お前は人じゃねぇよ。ただの虫・・・それも性質の悪い害虫。あたしがやんのは、その首飛ばして、二度とチョロチョロ動けないようにするだけ。」
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