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最終章:無双代行の結末
軍蟻種(ハーレンメイル)奇襲①
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ッッッ!!!
なんだこの感じ!?
めちゃくちゃ数の多い何かが近づいているような・・・!!
「お前も気付いたか?ミラ。」
「イスラルフさん!!」
「食事は仕舞いだ。すぐに戦いの準備をしろ。」
「わっ、分かりましたッッッ!!!」
お椀を投げ捨てると、あたしは急いでみんなのところに向かった。
「ミラお姉様!!敵ですッッッ!!!」
「やっぱり!!で!?何が向かって来てるの!?」
「さっき遠見の魔能で確認しました!敵は・・・軍蟻種ですッッッ!!!」
❝軍蟻種❞。
アクメルの命令でキイルを文字通りバラした、人くらいのサイズのあるアリ型の魔物。
空中城塞でいずれかち合う予定だったけど、まさかこんなに早く戦うことになるなんて・・・。
こっちの動きがバレて先手を打ってきたのか?
いや。
目的の場所までまだ結構距離がある。
ってことは本隊じゃなくって斥候?
だとしたら、少人数で対処できるか・・・。
「リリー。ここはあたしとアンタで相手しよっ!」
「でっ、でも・・・。」
「何?もしかして不安?大丈夫だって!向こうは魔能が使えない低級の魔物だからすぐに片付けられるって!!」
「いやそうじゃなくって・・・。数が・・・。」
「え、ちょっと待って。何匹来てんの?」
「まだ概算の段階なんですけど・・・1,1000匹、です・・・。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
目玉飛び出るかと思った。
え!?待ってウソでしょ!?!?
つまりアレか!?
人くらいのサイズがあるドデカ蟻がこっちに1,1000も向かってんの!?!?
こっちは吸血鬼が1万、森護種が5千・・・。
こっちの戦力と全く同じじゃんッッッ!!!
間違いない!!
向こうは完全にあたしらのこと潰しに来てるッッッ!!!
「どっ・・・!どどっ・・・!どないしよ!?!?」
「狼狽えるなミラ。」
あたふたしてると、ご飯を食べ終わったイスラルフさんがスタスタと歩いてきた。
「だって軍蟻種が1万匹以上向かってるんですよ!?どうしたら・・・!!」
汗ダラダラなあたしとは真逆に、イスラルフさんは「はぁ・・・。」とやや呆れ顔でため息を吐いた。
「我らの切り札がそのような体たらくでは、この先背中を預けるのが不安になるというもの・・・。」
「はいい!?!?」
「敵がこのような場所で勝負を着ける気がなかろうが。現にアクメルや黎明の開手の者達は来ておらぬのだろう?リリーナ。」
「はっ、はい!そうです!!」
「ということは・・・これは飽くまでも前哨戦。本番はしっかりと控えておる。しっかりせぬか!ミラ!」
イスラルフさんに一喝されて、あたしは落ち着きを取り戻すことができた。
「そっ、そうでしたね!みっともないトコ見せてすみません!!」
「落ち着いたか?なら良かった。」
イスラルフさんにスマイルを向けられ、ついドキっとしてしまった。
青髪のイケメンにそんな顔されたら、さすがに、照れる・・・。
「しかしイスラルフ殿!魔物の軍勢が向かっているのは変わりない。何か手を考えなくては・・・!!」
「案ずるなローランド。地の利はこちらに分がある。そうであろう?ウリヤド。」
「ここは森の中・・・。然らば森護種の庭も同然・・・。本気を出すまでもない・・・。」
「だそうだ。そこでだヒューゴ。お前の知恵がどれほどか見極めたい。お前の言葉で我らは動こう。」
「え・・・!?」
オイオイかなり重要な役を任されたな・・・。
でもこの先ヒューゴ君の指示で動くことが多いからそれは仕方なし・・・か。
「分かりました!任せて下さい。」
やっぱりヒューゴ君はそうこなくっちゃ!!
「既に手は考えてあります。」
「ほう、早いな。どれ。聞かせてみよ。」
こうしてあたし達は、いきなしやってきた最終決戦への練習に向けて動き出した。
なんだこの感じ!?
めちゃくちゃ数の多い何かが近づいているような・・・!!
「お前も気付いたか?ミラ。」
「イスラルフさん!!」
「食事は仕舞いだ。すぐに戦いの準備をしろ。」
「わっ、分かりましたッッッ!!!」
お椀を投げ捨てると、あたしは急いでみんなのところに向かった。
「ミラお姉様!!敵ですッッッ!!!」
「やっぱり!!で!?何が向かって来てるの!?」
「さっき遠見の魔能で確認しました!敵は・・・軍蟻種ですッッッ!!!」
❝軍蟻種❞。
アクメルの命令でキイルを文字通りバラした、人くらいのサイズのあるアリ型の魔物。
空中城塞でいずれかち合う予定だったけど、まさかこんなに早く戦うことになるなんて・・・。
こっちの動きがバレて先手を打ってきたのか?
いや。
目的の場所までまだ結構距離がある。
ってことは本隊じゃなくって斥候?
だとしたら、少人数で対処できるか・・・。
「リリー。ここはあたしとアンタで相手しよっ!」
「でっ、でも・・・。」
「何?もしかして不安?大丈夫だって!向こうは魔能が使えない低級の魔物だからすぐに片付けられるって!!」
「いやそうじゃなくって・・・。数が・・・。」
「え、ちょっと待って。何匹来てんの?」
「まだ概算の段階なんですけど・・・1,1000匹、です・・・。」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
「はぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!?!?!?」
目玉飛び出るかと思った。
え!?待ってウソでしょ!?!?
つまりアレか!?
人くらいのサイズがあるドデカ蟻がこっちに1,1000も向かってんの!?!?
こっちは吸血鬼が1万、森護種が5千・・・。
こっちの戦力と全く同じじゃんッッッ!!!
間違いない!!
向こうは完全にあたしらのこと潰しに来てるッッッ!!!
「どっ・・・!どどっ・・・!どないしよ!?!?」
「狼狽えるなミラ。」
あたふたしてると、ご飯を食べ終わったイスラルフさんがスタスタと歩いてきた。
「だって軍蟻種が1万匹以上向かってるんですよ!?どうしたら・・・!!」
汗ダラダラなあたしとは真逆に、イスラルフさんは「はぁ・・・。」とやや呆れ顔でため息を吐いた。
「我らの切り札がそのような体たらくでは、この先背中を預けるのが不安になるというもの・・・。」
「はいい!?!?」
「敵がこのような場所で勝負を着ける気がなかろうが。現にアクメルや黎明の開手の者達は来ておらぬのだろう?リリーナ。」
「はっ、はい!そうです!!」
「ということは・・・これは飽くまでも前哨戦。本番はしっかりと控えておる。しっかりせぬか!ミラ!」
イスラルフさんに一喝されて、あたしは落ち着きを取り戻すことができた。
「そっ、そうでしたね!みっともないトコ見せてすみません!!」
「落ち着いたか?なら良かった。」
イスラルフさんにスマイルを向けられ、ついドキっとしてしまった。
青髪のイケメンにそんな顔されたら、さすがに、照れる・・・。
「しかしイスラルフ殿!魔物の軍勢が向かっているのは変わりない。何か手を考えなくては・・・!!」
「案ずるなローランド。地の利はこちらに分がある。そうであろう?ウリヤド。」
「ここは森の中・・・。然らば森護種の庭も同然・・・。本気を出すまでもない・・・。」
「だそうだ。そこでだヒューゴ。お前の知恵がどれほどか見極めたい。お前の言葉で我らは動こう。」
「え・・・!?」
オイオイかなり重要な役を任されたな・・・。
でもこの先ヒューゴ君の指示で動くことが多いからそれは仕方なし・・・か。
「分かりました!任せて下さい。」
やっぱりヒューゴ君はそうこなくっちゃ!!
「既に手は考えてあります。」
「ほう、早いな。どれ。聞かせてみよ。」
こうしてあたし達は、いきなしやってきた最終決戦への練習に向けて動き出した。
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