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第三章 : 耳飾りの旅
懐かしい高揚感
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「乙女の、永友・・・。ミラの、腹心・・・!!」
防壁魔能の中で、ノイエフは憎悪に満ちた顔で歯を「ギリリ・・・!!」と噛み締めた。
自分の仲間を屠った怨敵直属の精鋭部隊の一角を担う者が、今目の前にいる。
ノイエフの心からは、日頃から溜めている復讐の炎が、沸々とマグマのように湧き出ていた。
「落ち着けノイエフ!私も正直なところ、アサヒ殿に加勢したい。だが彼女が我らの身を心から案じ、この防壁魔能をかけてくれたのだ。ここは彼女の意を汲み、アサヒ殿がローランドを撃退、もしくは討伐してくれることを祈るしかあるまい・・・!!」
兄であるファイセアに諭され、ノイエフは「ふぅ~!!」と大きく息を吐き、心の中の憎悪を鎮めた。
「ファイセア。俺は森に籠りきりだったから人間と吸血鬼のいざこざについては正直なところ疎い。あのローランドってヤツ、そんなに強いのか?」
「少なく見積もっても、さっきの図体の大きい痩鬼種3人分にはなるでしょうね。」
ファイセアの代わりに説明してくれたヒバナの方を、全員が驚きながらバッと見た。
「そっ、そんなに強いの・・・ですか・・・!?」
その中でも一際驚愕し、それとともに絶望した顔を、ソレットはした。
「ええ。乙女の永友の中でも、ローランドの強さは折り紙付きだから。」
「はっ、早く加勢して下さい!!このままじゃ・・・アサヒ様が・・・!!!」
ソレットが涙目になり、リリーナにすがってきた。
リリーナはしゃがみ込み、安心したような、どこかウンザリした表情でソレットの肩をポンと置いた。
「大丈夫よ。ローランドがアサヒ様を殺すことなんて、絶対に在り得ないのだから。」
「ふぇ・・・?」
「まぁ見てなさい。アンタにもそれが追々分かるわ。」
リリーナは再び立って、向かい合うアサヒ・・・否、ミラとローランドの方をジッと見据えた。
「ったく。面倒なことしてくれたわね。あの脳筋・・・。」
リリーナが舌打ちして、何か呟いたような気がしたが、誰もそれをよく聞き取ることができなかった。
◇◇◇
「ってことなんで、とりまよろしく・・・!!」
伝えることは伝えたし、あたしはローランドさんから間合いを取った。
さぁ~てローランドさん!
ちゃんと演技してチョーダイよ!!
「キッ、キサマガ、ドコノダレカゾンゼヌガ、ワッ、ワガハイニタテツイタコトヲ・・・コウカイサセテ、クレヨウゾ・・・!!」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
あ~・・・ダメだ・・・。
全然演技できないよこの人・・・。
目上の人であるあたしと戦うから萎縮してるってのもあると思うんだけど、流石にコレはヒドイなぁ~。
やっぱここは、あたし一人が頑張るしかないか・・・。
前に吸血鬼の難民を助けた時に、敵をかく乱させるのに人間の盗賊のフリをした時も思ったけど、前の世界で演劇部に入っててホント良かったと思うよ?ガチで。
アドリブ経験も何回かあるし、ここはあたしが真に迫るしか・・・!!
「あたしはアサヒ!!ヴェル・ハルド王国の王宮付き最高位魔能よ!!ローランド!アンタはあたしが倒してみせるッッッ!!!」
「ダッ、ダレダロウト、ワガハイガマケルコトナド、ケッシテナ・・・」
「敵相手にいつまでペチャクチャ喋ってるつもりぃ~!?」
ローランドさんにこれ以上大根で大根な役者っぷりをさせないために、あたしは剣で斬りかかった。
ローランドさんはその一撃を、さっきみたいにハンマーで受け止めたが、さっきより力を込めたため、剣とハンマーがぶつかった瞬間、衝撃波が走った。
「ぐっ・・・!!」
「本気でかかってきてもいいんだけど?あたしは一向に構わないからさ。」
「ミラ、様・・・。」
「手合わせしよっか?ローランドさん。」
「・・・・・・・。ええ!喜んでお相手いたすッッッ!!!」
ローランドさんはあたしの剣を跳ねのけると、高速でハンマーを振り回し、結果あたしと激しい剣戟になった。
よし!
乗っかってきた!!
やっぱりローランドさん・・・強い!!
なら、あたしも遠慮する必要・・・ないよね!!
「紅蓮の剣筋!!」
ローランドさんから距離を取ったあたしは、剣を振りどでかい炎の刃をローランドさんに飛ばした。
「地級第二位・大地の大盾!!」
ローランドさんがハンマーで思いっきり地面を殴ると、巨大な岩の盾が出現し、あたしの攻撃を防いだ。
「なっ、あの攻撃を防ぐとは・・・!?」
特別訓練であたしのこの魔能を見たファイセアさんが防壁の中で心底驚いていた。
あたしもビックリだよ。
まさかアレを防いでみせるなんて・・・。
「ローランド!!アンタすごいねッッッ!!!」
「ッッッ!!!ミラ様が・・・我輩をお褒めに・・・!」
あっ、ヤベッ!
ついほとんど素で褒めちゃった・・・!!
いかんいかん!!
あたしがこんなんでどうするよ!?
「だがこれはどうかな!?」
気を取り直したあたしは瞬時にローランドさんの横に回り、杖の先を向けた。
「地級第二位・爆裂の風撃!!」
杖の先から発生した空気の玉が爆発した瞬間、ローランドさんは樹々をバキバキ倒しながら、森の方に吹っ飛ばされた。
「だいじょ・・・ああいや!やったか!?」
手応えを感じたフリをして、ローランドさんのことを心配したあたしも森の中に入っていった。
「くくっ・・・!今の一撃は、中々に良かったですぞ!」
あたしの心配を余所にローランドさんは折れた木の根元で口から出た血を袖で拭った。
「ははっ・・・!ローランドさん!めっちゃ頑丈じゃん!!」
周りにみんながいなくて良かった。
こうして、ローランドさんと演技なしで話すことができる。
「なら今度は、もちっと力、入れちゃおっかな♪」
「ええ!!受けて立ちましょうぞッッッ!!!」
あたしとローランドさんは、森の中で剣とハンマーの鍔迫り合いを開始した。
あたしと戦うローランドさんは、本当にイキイキした目をしていた。
◇◇◇
ああ・・・ミラ様!!
こうしてあなた様とお手合わせをする機会が巡ってこようとは・・・。
我輩は今・・・最高に満ち溢れた気分でございますッッッ!!
しかし何故か?
この高揚感、どこか懐かしい・・・。
どこで味わった感覚かな?
・・・・・・・。
・・・・・・・。
おおそうだ!!
あれは・・・あなた様と初めてお会いした時。
あなた様に、無謀にも戦いを挑んだ、あの日と同じ高揚感に違いないッッッ!!!
防壁魔能の中で、ノイエフは憎悪に満ちた顔で歯を「ギリリ・・・!!」と噛み締めた。
自分の仲間を屠った怨敵直属の精鋭部隊の一角を担う者が、今目の前にいる。
ノイエフの心からは、日頃から溜めている復讐の炎が、沸々とマグマのように湧き出ていた。
「落ち着けノイエフ!私も正直なところ、アサヒ殿に加勢したい。だが彼女が我らの身を心から案じ、この防壁魔能をかけてくれたのだ。ここは彼女の意を汲み、アサヒ殿がローランドを撃退、もしくは討伐してくれることを祈るしかあるまい・・・!!」
兄であるファイセアに諭され、ノイエフは「ふぅ~!!」と大きく息を吐き、心の中の憎悪を鎮めた。
「ファイセア。俺は森に籠りきりだったから人間と吸血鬼のいざこざについては正直なところ疎い。あのローランドってヤツ、そんなに強いのか?」
「少なく見積もっても、さっきの図体の大きい痩鬼種3人分にはなるでしょうね。」
ファイセアの代わりに説明してくれたヒバナの方を、全員が驚きながらバッと見た。
「そっ、そんなに強いの・・・ですか・・・!?」
その中でも一際驚愕し、それとともに絶望した顔を、ソレットはした。
「ええ。乙女の永友の中でも、ローランドの強さは折り紙付きだから。」
「はっ、早く加勢して下さい!!このままじゃ・・・アサヒ様が・・・!!!」
ソレットが涙目になり、リリーナにすがってきた。
リリーナはしゃがみ込み、安心したような、どこかウンザリした表情でソレットの肩をポンと置いた。
「大丈夫よ。ローランドがアサヒ様を殺すことなんて、絶対に在り得ないのだから。」
「ふぇ・・・?」
「まぁ見てなさい。アンタにもそれが追々分かるわ。」
リリーナは再び立って、向かい合うアサヒ・・・否、ミラとローランドの方をジッと見据えた。
「ったく。面倒なことしてくれたわね。あの脳筋・・・。」
リリーナが舌打ちして、何か呟いたような気がしたが、誰もそれをよく聞き取ることができなかった。
◇◇◇
「ってことなんで、とりまよろしく・・・!!」
伝えることは伝えたし、あたしはローランドさんから間合いを取った。
さぁ~てローランドさん!
ちゃんと演技してチョーダイよ!!
「キッ、キサマガ、ドコノダレカゾンゼヌガ、ワッ、ワガハイニタテツイタコトヲ・・・コウカイサセテ、クレヨウゾ・・・!!」
・・・・・・・。
・・・・・・・。
あ~・・・ダメだ・・・。
全然演技できないよこの人・・・。
目上の人であるあたしと戦うから萎縮してるってのもあると思うんだけど、流石にコレはヒドイなぁ~。
やっぱここは、あたし一人が頑張るしかないか・・・。
前に吸血鬼の難民を助けた時に、敵をかく乱させるのに人間の盗賊のフリをした時も思ったけど、前の世界で演劇部に入っててホント良かったと思うよ?ガチで。
アドリブ経験も何回かあるし、ここはあたしが真に迫るしか・・・!!
「あたしはアサヒ!!ヴェル・ハルド王国の王宮付き最高位魔能よ!!ローランド!アンタはあたしが倒してみせるッッッ!!!」
「ダッ、ダレダロウト、ワガハイガマケルコトナド、ケッシテナ・・・」
「敵相手にいつまでペチャクチャ喋ってるつもりぃ~!?」
ローランドさんにこれ以上大根で大根な役者っぷりをさせないために、あたしは剣で斬りかかった。
ローランドさんはその一撃を、さっきみたいにハンマーで受け止めたが、さっきより力を込めたため、剣とハンマーがぶつかった瞬間、衝撃波が走った。
「ぐっ・・・!!」
「本気でかかってきてもいいんだけど?あたしは一向に構わないからさ。」
「ミラ、様・・・。」
「手合わせしよっか?ローランドさん。」
「・・・・・・・。ええ!喜んでお相手いたすッッッ!!!」
ローランドさんはあたしの剣を跳ねのけると、高速でハンマーを振り回し、結果あたしと激しい剣戟になった。
よし!
乗っかってきた!!
やっぱりローランドさん・・・強い!!
なら、あたしも遠慮する必要・・・ないよね!!
「紅蓮の剣筋!!」
ローランドさんから距離を取ったあたしは、剣を振りどでかい炎の刃をローランドさんに飛ばした。
「地級第二位・大地の大盾!!」
ローランドさんがハンマーで思いっきり地面を殴ると、巨大な岩の盾が出現し、あたしの攻撃を防いだ。
「なっ、あの攻撃を防ぐとは・・・!?」
特別訓練であたしのこの魔能を見たファイセアさんが防壁の中で心底驚いていた。
あたしもビックリだよ。
まさかアレを防いでみせるなんて・・・。
「ローランド!!アンタすごいねッッッ!!!」
「ッッッ!!!ミラ様が・・・我輩をお褒めに・・・!」
あっ、ヤベッ!
ついほとんど素で褒めちゃった・・・!!
いかんいかん!!
あたしがこんなんでどうするよ!?
「だがこれはどうかな!?」
気を取り直したあたしは瞬時にローランドさんの横に回り、杖の先を向けた。
「地級第二位・爆裂の風撃!!」
杖の先から発生した空気の玉が爆発した瞬間、ローランドさんは樹々をバキバキ倒しながら、森の方に吹っ飛ばされた。
「だいじょ・・・ああいや!やったか!?」
手応えを感じたフリをして、ローランドさんのことを心配したあたしも森の中に入っていった。
「くくっ・・・!今の一撃は、中々に良かったですぞ!」
あたしの心配を余所にローランドさんは折れた木の根元で口から出た血を袖で拭った。
「ははっ・・・!ローランドさん!めっちゃ頑丈じゃん!!」
周りにみんながいなくて良かった。
こうして、ローランドさんと演技なしで話すことができる。
「なら今度は、もちっと力、入れちゃおっかな♪」
「ええ!!受けて立ちましょうぞッッッ!!!」
あたしとローランドさんは、森の中で剣とハンマーの鍔迫り合いを開始した。
あたしと戦うローランドさんは、本当にイキイキした目をしていた。
◇◇◇
ああ・・・ミラ様!!
こうしてあなた様とお手合わせをする機会が巡ってこようとは・・・。
我輩は今・・・最高に満ち溢れた気分でございますッッッ!!
しかし何故か?
この高揚感、どこか懐かしい・・・。
どこで味わった感覚かな?
・・・・・・・。
・・・・・・・。
おおそうだ!!
あれは・・・あなた様と初めてお会いした時。
あなた様に、無謀にも戦いを挑んだ、あの日と同じ高揚感に違いないッッッ!!!
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