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第二章 : 動乱の王国
共感とトキメキ
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応接室のソファに腰かけてからおよそ一時間くらい経っただろうか。
窓に差し込んでいた明かりは一層眩しくなっており、外からはお昼時の街の喧騒が賑やかに聞こえていた。
それとは対照的に、あたしのいる部屋では「カチッ、カチッ・・・。」という置かれている時計の音しかせず、そのせいで少し寂しげな気分になっていた。
「代表さんまだかなぁ・・・。」
20分くらいになったら戻ってくるって話だったけど、えらく過ぎてるような気がする。
まぁでも、こっちから押しかけてきたワケだし、それで色々不満になったりするのは失礼だよね。
「はぁ・・・。緊張するなぁ・・・。」
なんか、イザ会うってなったらすごくドキドキしてきた・・・。
一体どんな人なんだろう?吸血鬼救済会の代表さんって。
来るまでに手紙で色々な段取りとかはやってきたけど、こうやって会って話すのは初めてだからなぁ。
吸血鬼の保護を推し進めてる団体だから、今まで会ってきた人間よりもあたしに好意的なのは分かるけど・・・。
まさか、危険な保護団体にありがちな危険な思想を持った人なんかじゃないよね!?
「吸血鬼を家畜扱いする人間は一人残らず〇してやるッッッ!!!」的な!
ええ~!!イヤだなぁ~!
そんな危なっかしい考え持った人だったら。
だってあたしがここに来たのは、あくまで吸血鬼と人間がお互い分かり合って平和的にやっていく方法を見つける参考のために来たんだから、そんな如何にも「既存の人間ゼッタイ排除!!」な人と繋がり持ったら元も子もないったらありゃしないっ!
ううっ。なんか色々考えたらますますドキドキしてきた・・・。
代表さぁん、お願いだから早く来てくれぇ~!!
「ミラ様。」
「ぅはい!?」
考え中にいきなり部屋のドアをノックされて、あたしはビクッと跳ねながら思いきり変な声を出してしまった。
「大変お待たせして申し訳ございませんでした。ただ今代表の方が戻られました。」
「ああ、はい!!どうぞどうぞ入ってきてください!!」
「では、失礼いたしますね。」
いよいよご対面だ!
もうどんな人であっても、まっさら気持ちでお迎いできるように身構えておこうっ!
さぁ!どっからでも来なさい!!
「あっ、どうもどうも初めまして!!あたし、吸血鬼のミラっていいま・・・。」
自己紹介をしようとソファから立ち上がったあたしは、その姿勢のまま目をパチクリさせた。
目の前に立っていたのは、先ほど会った年配の女性を後ろにつけた、茶髪のシニヨンヘアで青い瞳をした、見た目15、6歳程度の女の子だった。
「初めまして。私がこの吸血鬼救済会の代表を務めております、フィアナ・トルガレドと申します。この度は、お会いできて大変光栄でございます。救血の乙女、ミラ様。」
スカートの裾をくいっと持ち上げ、優しげな声色で挨拶をするフィアナに、あたしはつい返す言葉が見つからず呆然としてしまった。
「ミラ様?」
「あっ、いやいや!これはこれはご親切にどうも!初めまして。ミラです!」
「遅くなって大変申し訳ございません。セミナーの方が少々長引いてしまって。」
「あっ、あたしこそ、ロクな手土産もお持ちしませんで・・・!」
「とんでもございません。それでは、文で既にご確認したと思いますが、改めてご来訪の目的を。」
「はっ、はい!今回あたしがこちらに来たのはですね・・・。」
◇◇◇
「ということでして・・・。」
あたしが王都にやって来た目的を、フィアナは言葉を挟むでもなく、不満そうな顔をするわけでもなくただ微笑みながら落ち着いて聞き入っていた。
「なるほど。吸血鬼と人間が、友好的な関係を築くために私達の団体の思想をご参考にしたい、と。」
「はっ、はい!そうなんです!皆様は他の人間達とは違って、あたし達吸血鬼のことをすごく大切に思ってくれてるみたいですし、もしかしたらあたしが目指してる平和づくりの力になるかなぁって・・・。」
「そうですか・・・。」
さっきまでの微笑みが消えて、視線を下にずらしたフィアナに、あたしは一気に不安になった。
やっ、やっぱり、ちょっと考え甘かったかな・・・?
あたしは人間と仲良くなりたいって思ってるけど、この人達が同じようにそうとは言えないし。
もしかして、吸血鬼の救世主として尊敬していたミラがこんなに甘っちょろいこと主張して、「ふざけんな。」ってブチ切れちゃった!?
もう少し具体的で、現実的な考えまとめておくべきだったかな・・・?
「ミラ様・・・。」
「はっ、はい・・・!」
「私すごく嬉しいですッッッ!!!」
「ええッッッ!?!?」
突然満面の笑顔でテーブルから身を乗り出して、あたしの手を握ってくるフィアナにすごくドキっとした。
「なっ、何がですか・・・?」
「私も人間と吸血鬼が戦争なんかせずに、平和的な関係を築くために力になりたいとずっと思ってました。このまま争いを続けて、勝利を収めたとしてもその過程で数多くの吸血鬼が犠牲になられます。私、そのことを考えると、胸がとても、痛みます・・・。しかし私のそんな理想なんて所詮は夢物語、誰にも理解されないと思ってました。ですがあなたが・・・私の崇拝する救血の乙女のミラ様が私と同じ理想を掲げていた・・・。これ以上に素晴らしいことなんてありません!!やはりあなたは、吸血鬼の・・・私達の誇りですッッッ!!!」
あたしの手を握るフィアナの瞳はとてもキラキラ輝いていて、あたしが自分と同じ考えを持っていたことに、心の底から喜んでいるみたいだった。
正直ちょっと意外だったけど、あたしも嬉しかった。
なんかあたし、この子とは、色々と仲良くやっていけるかもしれない・・・。
そう思えたら、あたしの心の中の緊張感はすっかり溶けていった。
「あっ、ごめんなさい!つい感極まってしまって・・・。」
「ううん!全然気にしてないよ♪あたしも嬉しいよ!フィアナちゃん。」
「フィアナ、ちゃん・・・?」
「だってさ、おんなじ夢を持ってるんだからあたし達もう、友達、でしょ?」
「わっ、私とミラ様が友達なんて!そんな、恐れ多い・・・。」
「え~遠慮すんなよ~♪これからも同じ夢を持つもん同士仲良くやってこうぜぇ、フィアナちゃん!」
「ミラ、様・・・。ええ。是非。」
お互いの気持ちを通じ合わせて、あたしとフィアナちゃんは見つめ合いながら「ククッ!」と笑い合った。
「それでミラ様、これからのご予定は?」
「そうだなぁ~。取り敢えずはここのお世話になって、どんな活動やっていってんのか色々見ておこうかな?その分あたしも何かとお手伝いしていくからさ!」
「分かりました。ではご滞在の間、ミラ様のお付きになる者をご紹介しますね。」
「お世話係さんってこと?」
「そうですね。じゃあ、彼をここに連れて来て。」
フィアナちゃんに言われて、年配の女性が部屋を後にした。
彼って言ってたから、男性なんだなその人。
どんな人なんだろ?
「お連れしました。」
「どうも初めまして。ミラです。どうぞよろし・・・。」
年配の女性に連れて来られた、あたしの世話係だという男性を見た瞬間、あたしはまたしても固まってしまった。
「おっ、お初にお目にかかります!わたくし、この度ミラ様の付き人を担当いたします、吸血鬼救済会代表代行のカリアード・ポエナスと申します!至らないところがあって、色々とご不便をおかけするかもしれませんが、全身全霊で努めてまいりますので、どうかよろしくお願いいたしますッッッ!!!」
「・・・・・・・。」
「みっ、ミラ様・・・?」
身体をピシっと直立させて、震えながら挨拶する同い年くらいの金髪の男の子から、あたしは視線をずらすことが一切できなかった。
微動だにしないあたしの身体とは裏腹に、心臓の高鳴りはどんどん勢いを増し、胸が突き破られそうだった。
この抑えられないドキドキした気持ち・・・。
ヤバい、どうしよ・・・。
・・・・・・・。
・・・・・・・。
あたし、好きになっちゃったかも。
目の前の、カリアード君のこと・・・。
窓に差し込んでいた明かりは一層眩しくなっており、外からはお昼時の街の喧騒が賑やかに聞こえていた。
それとは対照的に、あたしのいる部屋では「カチッ、カチッ・・・。」という置かれている時計の音しかせず、そのせいで少し寂しげな気分になっていた。
「代表さんまだかなぁ・・・。」
20分くらいになったら戻ってくるって話だったけど、えらく過ぎてるような気がする。
まぁでも、こっちから押しかけてきたワケだし、それで色々不満になったりするのは失礼だよね。
「はぁ・・・。緊張するなぁ・・・。」
なんか、イザ会うってなったらすごくドキドキしてきた・・・。
一体どんな人なんだろう?吸血鬼救済会の代表さんって。
来るまでに手紙で色々な段取りとかはやってきたけど、こうやって会って話すのは初めてだからなぁ。
吸血鬼の保護を推し進めてる団体だから、今まで会ってきた人間よりもあたしに好意的なのは分かるけど・・・。
まさか、危険な保護団体にありがちな危険な思想を持った人なんかじゃないよね!?
「吸血鬼を家畜扱いする人間は一人残らず〇してやるッッッ!!!」的な!
ええ~!!イヤだなぁ~!
そんな危なっかしい考え持った人だったら。
だってあたしがここに来たのは、あくまで吸血鬼と人間がお互い分かり合って平和的にやっていく方法を見つける参考のために来たんだから、そんな如何にも「既存の人間ゼッタイ排除!!」な人と繋がり持ったら元も子もないったらありゃしないっ!
ううっ。なんか色々考えたらますますドキドキしてきた・・・。
代表さぁん、お願いだから早く来てくれぇ~!!
「ミラ様。」
「ぅはい!?」
考え中にいきなり部屋のドアをノックされて、あたしはビクッと跳ねながら思いきり変な声を出してしまった。
「大変お待たせして申し訳ございませんでした。ただ今代表の方が戻られました。」
「ああ、はい!!どうぞどうぞ入ってきてください!!」
「では、失礼いたしますね。」
いよいよご対面だ!
もうどんな人であっても、まっさら気持ちでお迎いできるように身構えておこうっ!
さぁ!どっからでも来なさい!!
「あっ、どうもどうも初めまして!!あたし、吸血鬼のミラっていいま・・・。」
自己紹介をしようとソファから立ち上がったあたしは、その姿勢のまま目をパチクリさせた。
目の前に立っていたのは、先ほど会った年配の女性を後ろにつけた、茶髪のシニヨンヘアで青い瞳をした、見た目15、6歳程度の女の子だった。
「初めまして。私がこの吸血鬼救済会の代表を務めております、フィアナ・トルガレドと申します。この度は、お会いできて大変光栄でございます。救血の乙女、ミラ様。」
スカートの裾をくいっと持ち上げ、優しげな声色で挨拶をするフィアナに、あたしはつい返す言葉が見つからず呆然としてしまった。
「ミラ様?」
「あっ、いやいや!これはこれはご親切にどうも!初めまして。ミラです!」
「遅くなって大変申し訳ございません。セミナーの方が少々長引いてしまって。」
「あっ、あたしこそ、ロクな手土産もお持ちしませんで・・・!」
「とんでもございません。それでは、文で既にご確認したと思いますが、改めてご来訪の目的を。」
「はっ、はい!今回あたしがこちらに来たのはですね・・・。」
◇◇◇
「ということでして・・・。」
あたしが王都にやって来た目的を、フィアナは言葉を挟むでもなく、不満そうな顔をするわけでもなくただ微笑みながら落ち着いて聞き入っていた。
「なるほど。吸血鬼と人間が、友好的な関係を築くために私達の団体の思想をご参考にしたい、と。」
「はっ、はい!そうなんです!皆様は他の人間達とは違って、あたし達吸血鬼のことをすごく大切に思ってくれてるみたいですし、もしかしたらあたしが目指してる平和づくりの力になるかなぁって・・・。」
「そうですか・・・。」
さっきまでの微笑みが消えて、視線を下にずらしたフィアナに、あたしは一気に不安になった。
やっ、やっぱり、ちょっと考え甘かったかな・・・?
あたしは人間と仲良くなりたいって思ってるけど、この人達が同じようにそうとは言えないし。
もしかして、吸血鬼の救世主として尊敬していたミラがこんなに甘っちょろいこと主張して、「ふざけんな。」ってブチ切れちゃった!?
もう少し具体的で、現実的な考えまとめておくべきだったかな・・・?
「ミラ様・・・。」
「はっ、はい・・・!」
「私すごく嬉しいですッッッ!!!」
「ええッッッ!?!?」
突然満面の笑顔でテーブルから身を乗り出して、あたしの手を握ってくるフィアナにすごくドキっとした。
「なっ、何がですか・・・?」
「私も人間と吸血鬼が戦争なんかせずに、平和的な関係を築くために力になりたいとずっと思ってました。このまま争いを続けて、勝利を収めたとしてもその過程で数多くの吸血鬼が犠牲になられます。私、そのことを考えると、胸がとても、痛みます・・・。しかし私のそんな理想なんて所詮は夢物語、誰にも理解されないと思ってました。ですがあなたが・・・私の崇拝する救血の乙女のミラ様が私と同じ理想を掲げていた・・・。これ以上に素晴らしいことなんてありません!!やはりあなたは、吸血鬼の・・・私達の誇りですッッッ!!!」
あたしの手を握るフィアナの瞳はとてもキラキラ輝いていて、あたしが自分と同じ考えを持っていたことに、心の底から喜んでいるみたいだった。
正直ちょっと意外だったけど、あたしも嬉しかった。
なんかあたし、この子とは、色々と仲良くやっていけるかもしれない・・・。
そう思えたら、あたしの心の中の緊張感はすっかり溶けていった。
「あっ、ごめんなさい!つい感極まってしまって・・・。」
「ううん!全然気にしてないよ♪あたしも嬉しいよ!フィアナちゃん。」
「フィアナ、ちゃん・・・?」
「だってさ、おんなじ夢を持ってるんだからあたし達もう、友達、でしょ?」
「わっ、私とミラ様が友達なんて!そんな、恐れ多い・・・。」
「え~遠慮すんなよ~♪これからも同じ夢を持つもん同士仲良くやってこうぜぇ、フィアナちゃん!」
「ミラ、様・・・。ええ。是非。」
お互いの気持ちを通じ合わせて、あたしとフィアナちゃんは見つめ合いながら「ククッ!」と笑い合った。
「それでミラ様、これからのご予定は?」
「そうだなぁ~。取り敢えずはここのお世話になって、どんな活動やっていってんのか色々見ておこうかな?その分あたしも何かとお手伝いしていくからさ!」
「分かりました。ではご滞在の間、ミラ様のお付きになる者をご紹介しますね。」
「お世話係さんってこと?」
「そうですね。じゃあ、彼をここに連れて来て。」
フィアナちゃんに言われて、年配の女性が部屋を後にした。
彼って言ってたから、男性なんだなその人。
どんな人なんだろ?
「お連れしました。」
「どうも初めまして。ミラです。どうぞよろし・・・。」
年配の女性に連れて来られた、あたしの世話係だという男性を見た瞬間、あたしはまたしても固まってしまった。
「おっ、お初にお目にかかります!わたくし、この度ミラ様の付き人を担当いたします、吸血鬼救済会代表代行のカリアード・ポエナスと申します!至らないところがあって、色々とご不便をおかけするかもしれませんが、全身全霊で努めてまいりますので、どうかよろしくお願いいたしますッッッ!!!」
「・・・・・・・。」
「みっ、ミラ様・・・?」
身体をピシっと直立させて、震えながら挨拶する同い年くらいの金髪の男の子から、あたしは視線をずらすことが一切できなかった。
微動だにしないあたしの身体とは裏腹に、心臓の高鳴りはどんどん勢いを増し、胸が突き破られそうだった。
この抑えられないドキドキした気持ち・・・。
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