ガチャを回してダンジョンマスター『現実はそんなに甘くない』

無月

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1章

14.武器屋ラルス

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「次は、どこを案内しようか?」

「そうですね、日用雑貨や旅に必要な物を扱ってる店や武器防具屋はどこにあります?」

「あー、それならこっちだ」

 ラウさんの後について行き、向かう途中であそこは美味しい屋台だとか、自炊するならあそこの食材安いぞとか、為になることも教えてくれた。
 美味しいか・・・後で、買わないといけないな!
 
「この通りに、さっき、モトチカが言っていた店は揃っているな」

 商店街のように、店がずらりと並んでいた。

「これだと買い物がしやすいな。ラウさんのおすすめの店ってありますか?」

「宿屋は、ギルド隣の宿屋、ラルスさんがやっている武器屋。ミレイさんがやってる道具屋かな」

「なるほど是非行ってみます」

「モトチカ強くなる為と言っていたが、具体的なことは考えているのか?」

「うーん、伝え手は無いけど誰かに教えてもらうか、ここに来れば何かは得られるだろうと、正直無計画です」

「なるほど、教えを乞うことが出来るかもしれないがモトチカ次第だ。どうする?」

 これは思ってもいない、いい話だった。

「是非、お願いします」

 ラウさんが一つの建物に案内し建物に入って行った。

「ラルスさん居るかい?」

 そこはおすすめの武器屋だった。
 鍛冶仕事をやっているのだろうか、筋肉質でがっしりとした体形で、あんな体系になりたいが、筋肉って中々つかないんだよな・・・

「今の時間に、ここに来るのは珍しいなラウよ、何か用か?」

「単刀直入にいいます。こいつに、冒険者の基礎を教える気はないですか?」

「唐突に来て、いきなりそこの坊主の面倒見ないかとは一体どういう事だ?」

「こいつはモトチカというのだが、強くなりたということで、ラルスさん貴方を紹介しに来ました」

「初めましてモトチカです。今の我流ですと限界があるので是非指南していただければと思いまして紹介していただきました」

「とりあえず、堅苦しい喋り方は止めろ、むず痒くなる」

 丁寧語が嫌いなのか、というかそういう喋り方する人が少なくて、慣れてないんだろうな。
 
「わかった」

「ラウよ。紹介するまでの人材なのか?」

「さて、どうだろうか。まあ期待したいって感じかな。ラルスさんに任せるよ。さて、モトチカ悪いがそろそろ仕事に戻らせてもらうよ。出来るなら今度からは砕けた話し方をしてくれると嬉しい。」

「ラウさんありがとう」

 丁寧語は不評だな・・・普通に話すようにしよう。

「気にしなくていいよ。頑張ってね」

「こら、ラウ待て」

 そのまま背を向け手を振って行ってしまった。

「全く、人に丸投げして行きやがった。仕方ない、坊主使ってる武器全部、見せてみろ」

 ナイフ3本と片手剣を台の上に置いた。

「ふむ、思っていたよりも使い込んでるな。剣に関しては結構な業物じゃないか。さて如何したものか。やはり実戦以外ないか」

 あーこれは・・・嫌な感じしかしない。
 
「裏庭に行くぞ、そこから入って来い」

 店の中を通って裏庭に移動した。
 
「これくらいかなほらこれを持て」

 ラルスさんが、木箱の中を漁って取り出した木剣を投げ渡された。
 木剣が俺の持っている片手剣より重く、思わず落としてしまった。

「とりあえず、坊主死ぬなよ」

「なっ、ちょっとま」

 言い切る前に始まったり、木剣を片手で斬りつけてきた。
 上から斜め下に、斬りつけてきたのを、慌てて両手で掴んだ剣で受けたのはいいが、予想以上の衝撃で、後ろに吹っ飛んだ。

「グハァ」

「おいおい、まだ一撃しか出してないんだぞ。直ぐに立て」

 その一撃が重すぎるんだよ!
 立ち上がったとたん、次の攻撃が襲ってきた。
 吹っ飛ばされ地面に転がった時に、右手に数個石を掴んでいたのでそれを、ラルス目掛けて投げたのだが、簡単に全てを剣に弾かれ、一気に接近され初撃と同じ軌道で斬ってきたので左に半身になって避けたら途中で剣の軌道が変わり、もろに皮鎧の上を斬られ、斬られた衝撃で吹っ飛びそのまま地面に転がった。

「ゴハァ」

「意外な攻撃はなかなかだったがまだまだだな。回避もまあまあだったがもう終わりか?」

「少しは手加減しやがれ!」

 木剣で片手なのに鎧越しでも、意識が飛びそうなほどの威力で人の体が簡単に吹っ飛ぶなんてなんつう馬鹿力してんだよ、あのおっさん

「へぇ、まだまだ口は元気だな」

 剣を地面に刺し、さっきよりも多い石を拾い置き上がった瞬間右腕で投げたが、全部回避と剣で防がれ、そこから、一気に向かって来たところに左腕で同じ量の石を投げたが、右に大きく避けられた。
 それを待っていた、大きく回避した所を狙い、アイテムバックから取り出したように見せアイテムボックスから取り出した小石を右腕で投げが、それすらも一部掠りはしたが防がれた。

「惜しかったな」

 一瞬で近づかれ、打つ手がなかった最後の悪あがきで、刺してある剣をラルスに蹴り上げたが、それすらも剣で 斬り飛ばされ、後は一歩も動けずに、皮鎧越しに斬られ吹っ飛び意識を失った。

「投擲使いか、面白いやつがいたもんだな。剣は思った通りの使い方が下手だったが、判断力と意外性はある」

 ラウのやつもよくこんなやつを見つけてきたものだ。
 水を汲んできた桶の中身を、気絶しているモトチカの顔にぶちまけた。

「ウッゲホゲホ」

 水が気管まで入り込み咽た。

 クソッ、全く歯が立たなかったことの理不尽さに腹を立て。

「殺す気かおっさん!」

「それだけ、生意気な口が叩けるなら問題ないだろう、それにおっさんじゃない」

 と言い、頭を殴りつけた。
 ボゴッ・・・と鈍い音が響いた。

「いってー、おっさんで十分だ!」

 いきなり実戦が始まり一方的に気絶させられ、自分の未熟なのが悪いのだがどうしても納得ができず、素の自分がでていた。

「ククク、俺を二度もおっさん呼ばわりとは、気に入ったよ」
 
 後先考えず言ってしまったが・・・笑いが不気味だ。
 おっさんと口にしたのを、このあと十分後悔したね・・・その後、投擲使わず剣使えと投擲禁止令がでて、剣だけで実戦訓練をしたが・・・掠りもしねーよ!
 斬りかかったら木剣で受け止められ、避けられ、鍔迫り合いで吹っ飛ばされ、握力が無くなり木剣が持てなくなったところで、実戦訓練が終わった。

「坊主、毎日早朝にここに来い。それと武器は預かるからな明日には使えるようにしといてやる」

「わかった」

 浄化をして重い体を動かし、途中でお腹が空いたので、おすすめされた屋台で串肉5リル食べたのだが、少量食べただけで戻しそうになったので、買ったのはアイテムボックスにしまい。
 おすすめの宿屋に行って、お金を払い部屋を取り、すぐに泥のように眠りについた。
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