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170「あの宰相閣下が暴走するとは思えませんが」
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「馬で来てたのか」
「ええ、このくらいの距離の移動なら馬ですね」
魔術師と言ってもイーレンは騎士団員、馬に乗っての移動は当然である。
「ここは運送だけではなく、馬や馬車を貸す商売もしていますが、預かりもしてくれますので……君は、乗合馬車ですか?」
庶民の足となると乗合馬車である。
「ああ。馬なんて飼ってないしな。遠出をするとなったら借りることもあるけど、徒歩と乗合馬車が主な移動手段だ」
王都内で移動するだけならそれで充分である。
「君の場合は職場まで徒歩五分ですしね」
必要がないのだろうと、イーレンは納得する。
「個人で飼うとなったら世話が大変だからな」
馬は高額なものだが、エイダールの経済力なら充分購入できる。ただし、生き物はとにかく手間がかかる。世話をする使用人を雇ってまで所有したいとは思えない。
「神殿に行くなら王城の近くで乗り換えですか?」
直通の便は、おそらく出ていないだろうと、イーレンは尋ねる。
「そうだな」
経路を思い浮かべながら、エイダールは答えた。王城近くの停車場は、多くの路線が集中しており、そこまで行けば王都内の主要な場所への乗合馬車が出ている。
「私は騎士団本部に帰りますし、そこまで二人乗りしませんか? まだ少し聞きたいことがあるので」
騎士団本部は王城の隣にある。
「移動できるなら俺はどっちでも構わないが……二人乗りしても大丈夫な馬なのか」
エイダールもイーレンも太ってはいないが、成人男性である。二人乗りは馬に負担がかかるだろう。
「鎧を着ているとでもいうならともかく、距離も長くはありませんし、軍馬ですから大丈夫です。連れてきますね」
少し待っていてください、とイーレンは運送馬車屋に入っていった。
「二人乗りでも馬車より早いし、風が気持ちいいな……乗り心地は悪いけど」
「二人乗り用の鞍ではありませんしね」
前に乗ったイーレンが手綱を取っていることも原因の一つである。後ろに乗せてもらっているだけで、馬を御していないエイダールには時折予想外の揺れが来る。
「そういや、聞きたいことがあるって言ってたよな、何だ?」
片手だけ軽くイーレンの腰に回して景色を眺めていたエイダールは、二人乗りをしている理由を思い出して、少し体を寄せる。
「え? ああ、君はカスペルの婚約のことを知っていたんですか? 私は昨日新聞記者に何を聞かれているのかもよく分からなくて、今朝の新聞で『そういうことか』と思ったのですが」
イーレンは昨日も調査で外部に出ていて、夕方騎士団本部に戻ってきたところを門の前で新聞記者に『御友人から何かお聞きしていますか』という何を聞きたいのか分からない質問を受けたのである。
「カスペル本人からは何の説明もないし……」
友達甲斐がないと思いませんか、とイーレンは問う。
「正式発表前に王城や騎士団本部で迂闊にそんなことを言い出せなかっただけだろ、別に蔑ろにされてる訳じゃないと思うが。俺は一ヶ月くらい前に本人から聞いたというか聞かされたというか」
勝手に訪ねて来て、言いたいだけ言って帰って行ったのである。
「君には話しているんですね」
イーレンが少し拗ねる。
「さっき話した、付与魔法を頼むと言って銀の腕輪を俺に渡してきた男ってのがカスペルだ」
頼みごとのついでに喜びも伝えに来た感じだった。
「その所為で変な噂が出て面倒だったからな、俺としては何も知らされなかった方が有難かった気がする」
「そういうことですか」
イーレンは、心底迷惑そうな声音のエイダールに、小さく吹き出す。
「向こうの家に挨拶に行って帰って来たあとに、少し詳しく話を聞く機会があったんだけど、なかなかに劇的な話が聞けたぞ……七年振りに会った婚約者に子供がいたとかさ」
「は?」
イーレンは驚きのあまり手綱を強く引いてしまい、馬の足が乱れる。
「うおっ」
もともと安定の悪かったエイダールは馬の背から吹っ飛びそうになった。慌ててイーレンの腰をがしりと掴む。
「大丈夫ですか? そんなにぎゅうぎゅう掴まないでください、痛いです」
「掴んでなきゃ落ちてるぞ……何なんだよいきなり」
びっくりした、とエイダールが文句をつける。
「驚いたのはこちらの方です、何なんですか、子供って……七年振りならそういう事態が起こっていてもおかしくはないですが」
イーレンも、カスペルが長く相手を放置していたのは知っている。ありえないことではない。
「カスペルは婚約したんですよね? 子供がいる女性と? それって既に別の誰かと家庭を持っているということでは? まさかその女性と夫を、無理矢理別れさせて?」
次々とわき上がる疑問を、イーレンはエイダールにぶつける。
「カスペルがどんどん酷い男みたいな話になっていくな。普通はそう思うよな」
エイダールも、子供がいたという話を聞いた時は、放置している間に待ちくたびれた相手に捨てられたのだろうと思った。
「違うのですか?」
「相手は未婚、子供は六歳」
エイダールは短く事実を伝える。
「六歳……?」
口の中で繰り返したイーレンは、え? と振り向く。
「危ないからちゃんと前向いてろよ、もう郊外じゃないんだぞ」
既に市街地に入っている。ある程度の人通りがあり、余所見は危ない。
「この馬は賢いから大丈夫です……それで? つまりはカスペルの?」
イーレンは続きを促す。
「まあそういうことだな、年齢も合うし髪の色がそっくりだってさ。カスペルは隠す気無いみたいだけど、とりあえず人には言わない方がいいだろうな」
エイダールは自分はべらべらと喋っておきながら、イーレンに口止めする。
「そうですね、結婚する相手との子供とはいえ、婚外子ということになると、色々口を出してくる輩がいるかもしれません。公爵家はどう出るつもりでしょうか」
たとえ最初の子供でも、婚外子となると跡取りと認められない場合が多い。
「そういやそうだな、公爵夫妻から見ると孫ってことになるが、どう思ってるんだろうな、孫可愛さに暴走したり?」
「あの宰相閣下が暴走するとは思えませんが」
「カスペルも親馬鹿になってたからありえなくはないだろ」
何をしても何を言っても可愛い、というような状態である。
「カスペルが親馬鹿……」
それも想像がつかないイーレン。
「ちょうど今夜、花水盤の件で公爵夫人に夕食に招待されてるから、ついでに観察してくる……あ、ここまででいい、降りる」
騎士団本部前に続く道に差し掛かったところで、エイダールはイーレンの腕を軽く叩いて、速度を緩めてもらう。
「停車場まで送らなくていいんですか?」
「いいよ、そこの細い道突っ切ったらすぐだし、じゃあ、送ってくれてありがとな」
エイダールは、ひょいっと馬から降りた。
「ええ、このくらいの距離の移動なら馬ですね」
魔術師と言ってもイーレンは騎士団員、馬に乗っての移動は当然である。
「ここは運送だけではなく、馬や馬車を貸す商売もしていますが、預かりもしてくれますので……君は、乗合馬車ですか?」
庶民の足となると乗合馬車である。
「ああ。馬なんて飼ってないしな。遠出をするとなったら借りることもあるけど、徒歩と乗合馬車が主な移動手段だ」
王都内で移動するだけならそれで充分である。
「君の場合は職場まで徒歩五分ですしね」
必要がないのだろうと、イーレンは納得する。
「個人で飼うとなったら世話が大変だからな」
馬は高額なものだが、エイダールの経済力なら充分購入できる。ただし、生き物はとにかく手間がかかる。世話をする使用人を雇ってまで所有したいとは思えない。
「神殿に行くなら王城の近くで乗り換えですか?」
直通の便は、おそらく出ていないだろうと、イーレンは尋ねる。
「そうだな」
経路を思い浮かべながら、エイダールは答えた。王城近くの停車場は、多くの路線が集中しており、そこまで行けば王都内の主要な場所への乗合馬車が出ている。
「私は騎士団本部に帰りますし、そこまで二人乗りしませんか? まだ少し聞きたいことがあるので」
騎士団本部は王城の隣にある。
「移動できるなら俺はどっちでも構わないが……二人乗りしても大丈夫な馬なのか」
エイダールもイーレンも太ってはいないが、成人男性である。二人乗りは馬に負担がかかるだろう。
「鎧を着ているとでもいうならともかく、距離も長くはありませんし、軍馬ですから大丈夫です。連れてきますね」
少し待っていてください、とイーレンは運送馬車屋に入っていった。
「二人乗りでも馬車より早いし、風が気持ちいいな……乗り心地は悪いけど」
「二人乗り用の鞍ではありませんしね」
前に乗ったイーレンが手綱を取っていることも原因の一つである。後ろに乗せてもらっているだけで、馬を御していないエイダールには時折予想外の揺れが来る。
「そういや、聞きたいことがあるって言ってたよな、何だ?」
片手だけ軽くイーレンの腰に回して景色を眺めていたエイダールは、二人乗りをしている理由を思い出して、少し体を寄せる。
「え? ああ、君はカスペルの婚約のことを知っていたんですか? 私は昨日新聞記者に何を聞かれているのかもよく分からなくて、今朝の新聞で『そういうことか』と思ったのですが」
イーレンは昨日も調査で外部に出ていて、夕方騎士団本部に戻ってきたところを門の前で新聞記者に『御友人から何かお聞きしていますか』という何を聞きたいのか分からない質問を受けたのである。
「カスペル本人からは何の説明もないし……」
友達甲斐がないと思いませんか、とイーレンは問う。
「正式発表前に王城や騎士団本部で迂闊にそんなことを言い出せなかっただけだろ、別に蔑ろにされてる訳じゃないと思うが。俺は一ヶ月くらい前に本人から聞いたというか聞かされたというか」
勝手に訪ねて来て、言いたいだけ言って帰って行ったのである。
「君には話しているんですね」
イーレンが少し拗ねる。
「さっき話した、付与魔法を頼むと言って銀の腕輪を俺に渡してきた男ってのがカスペルだ」
頼みごとのついでに喜びも伝えに来た感じだった。
「その所為で変な噂が出て面倒だったからな、俺としては何も知らされなかった方が有難かった気がする」
「そういうことですか」
イーレンは、心底迷惑そうな声音のエイダールに、小さく吹き出す。
「向こうの家に挨拶に行って帰って来たあとに、少し詳しく話を聞く機会があったんだけど、なかなかに劇的な話が聞けたぞ……七年振りに会った婚約者に子供がいたとかさ」
「は?」
イーレンは驚きのあまり手綱を強く引いてしまい、馬の足が乱れる。
「うおっ」
もともと安定の悪かったエイダールは馬の背から吹っ飛びそうになった。慌ててイーレンの腰をがしりと掴む。
「大丈夫ですか? そんなにぎゅうぎゅう掴まないでください、痛いです」
「掴んでなきゃ落ちてるぞ……何なんだよいきなり」
びっくりした、とエイダールが文句をつける。
「驚いたのはこちらの方です、何なんですか、子供って……七年振りならそういう事態が起こっていてもおかしくはないですが」
イーレンも、カスペルが長く相手を放置していたのは知っている。ありえないことではない。
「カスペルは婚約したんですよね? 子供がいる女性と? それって既に別の誰かと家庭を持っているということでは? まさかその女性と夫を、無理矢理別れさせて?」
次々とわき上がる疑問を、イーレンはエイダールにぶつける。
「カスペルがどんどん酷い男みたいな話になっていくな。普通はそう思うよな」
エイダールも、子供がいたという話を聞いた時は、放置している間に待ちくたびれた相手に捨てられたのだろうと思った。
「違うのですか?」
「相手は未婚、子供は六歳」
エイダールは短く事実を伝える。
「六歳……?」
口の中で繰り返したイーレンは、え? と振り向く。
「危ないからちゃんと前向いてろよ、もう郊外じゃないんだぞ」
既に市街地に入っている。ある程度の人通りがあり、余所見は危ない。
「この馬は賢いから大丈夫です……それで? つまりはカスペルの?」
イーレンは続きを促す。
「まあそういうことだな、年齢も合うし髪の色がそっくりだってさ。カスペルは隠す気無いみたいだけど、とりあえず人には言わない方がいいだろうな」
エイダールは自分はべらべらと喋っておきながら、イーレンに口止めする。
「そうですね、結婚する相手との子供とはいえ、婚外子ということになると、色々口を出してくる輩がいるかもしれません。公爵家はどう出るつもりでしょうか」
たとえ最初の子供でも、婚外子となると跡取りと認められない場合が多い。
「そういやそうだな、公爵夫妻から見ると孫ってことになるが、どう思ってるんだろうな、孫可愛さに暴走したり?」
「あの宰相閣下が暴走するとは思えませんが」
「カスペルも親馬鹿になってたからありえなくはないだろ」
何をしても何を言っても可愛い、というような状態である。
「カスペルが親馬鹿……」
それも想像がつかないイーレン。
「ちょうど今夜、花水盤の件で公爵夫人に夕食に招待されてるから、ついでに観察してくる……あ、ここまででいい、降りる」
騎士団本部前に続く道に差し掛かったところで、エイダールはイーレンの腕を軽く叩いて、速度を緩めてもらう。
「停車場まで送らなくていいんですか?」
「いいよ、そこの細い道突っ切ったらすぐだし、じゃあ、送ってくれてありがとな」
エイダールは、ひょいっと馬から降りた。
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