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おまけ・とあるメイドの心情

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※メイドさん視点



お初にお目にかかります

私《わたくし》、バカン家でメイドをしておりますコゼットと申します

五年前、坊っちゃ…ゴホン
お嬢様に拾われてから私の生活は大きく変わりました

路地裏で飢えに耐えながら日銭を稼ぐ暮らしは一変、安定した衣食住が一気に手に入ったのですからまだ幼かった私としてはもう異世界に連れてこられたようでした

そんな暮らしの中、日々お嬢様に感謝していると私の内に覚えてはいけない感情が芽生えていました


そう、それは恋心でした


元々女性に人気の高い方でしたので他の方々よりも近くに居て歳も近い私がお嬢様に恋をするのは極々自然な流れ、もはや時間の問題でした


ですがこの恋が実らない事など最初わかっていました

身分という大きい壁がありますし…そもそもお嬢様は私にそういう感情が一切ございませんでした

だから私は早々に諦め、近くで見守る道を選んだのですが……



最近になってお嬢様がお嬢様だった事が判明したのです

何を言っているか理解し難いかと思いますが私自身もまだ全てを理解してません
というか理解したくないのでしょう

頭がどうにかなりそうでした
催眠術とか超能力とか…そんな他愛のない話では断じてありません

もっと恐ろしいものの片鱗を味わいました



とにかくこれは五年前と同じ…いえ、それ以上の大事件でした

お坊っちゃまだと思っていた想い人がお嬢様だったのですよ!?

頭ではわかっていても心の整理がつきません…


それに私の苦悩は続きます

お嬢様はあろうことか姉君の洋服を引っ張り出しては私に似合うかどうか尋ねるのです

私は噛み千切らん勢いで下唇を噛んで「お似合いです」と答える他ありません



しかしどうでしょうか
そんな日々が一週間も続いた辺りからそんな彼女も愛おしく想えてくるようになりました

今となっては口からではなく鼻から血を出さないよう必死になっております

自分でも驚きましたが私のお嬢様に対する心酔はもはや性別など関係なくなっていたのです




さて、こうしてはおりません

本来私にはこんな自分語りなどしてる猶予はないのです

先日発足しようとした『お坊っちゃまファンクラブ』改め『お嬢様ファンクラブ』は既に立ち上げられていてあまつさへ会員No.1の座をメイド長に奪われていたのですから

私は甘んじて会員No.3に留まりましたが正直悔しいの一言に尽きます


最近はメイド長を合法的に蹴落とすためにより一層仕事に精を出し5年…いえ、あと3年以内にはメイド長の座を奪う予定です


え?私とメイド長の間に居るNo.2は誰か気になるのですか?

…それはここでは言えません
ただ一つ言えるのは私もその憎きNo.2の正体を知った時は驚愕した、ということくらい

気になる方は本編でお確かめください



では私はお嬢様を隠し撮…ゴホン
成長記録をつけなくてはいけないのでこれにて

それでは皆様

ごきげんよう


.
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