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リクエスト集

《if》並行世界の悪夢①

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 お久しぶりです!
 更新が遅れてしまってすみません_(..)_

 今回から“リーナが元婚約者のリックと結婚していたら”のお話です!
(全4話を予定しています。)
 
前回の《if》同様に家族仲は良好、クズはリックオンリーという感じです!
 予告通り、リーナはブラック気味になっており、結構ドロドロで『うわぁ……』って感じの部分もあるので、好みは大きく分かれると思います。
 苦手な方はご注意ください_(..)_

 1話目(この話)に若干の性描写があるので苦手な方はそちらにもご注意ください_(..)_
 一応、R指定もいらないくらいでR指定するとしてもR15で十分だと思う程度の内容にはなっております。
 


~~~~~~~



「リック様、きちんと授業を受けてくださらないと困ります」

「はぁ? 何で僕がそんな事をしないといけないんだ。公爵になるのは君だろう?」

「ですが、 リック様は次期公爵である私の夫なのですから、カトル公爵領のことを知っていただかねばなりませんし、運営に関してもお手伝いいただかないとならないこともございます」  

 かねてより婚約者であったリック・レクト公爵子息と結婚してから三年、、リック様は私の夫となった自覚もなく堕落した日々を過ごされています。
 もっと自覚をもってほしいと何度も進言しているのですが……。

「……リック君、いつまでもそんな調子なのならリーナと離婚してほしい。君もその方がいいだろうに何故受け入れない」

「カトル公爵、出来るわけがないでしょう。そんな事をしたら貴方の大切な娘は傷物になりますよ? 僕はを大切にしたいんですよ」
  
 白々しいことを……入り婿であるリック様はこの屋敷を追い出されたら貴族としての生活が出来なくなってしまうので、それがが嫌なだけでしょうに、、

「……君が夜も花街に出ていて、婿として最低限の勤めすら果たしていないことはこの屋敷の皆が知っている。白い結婚である二人の離婚に大きな問題があるとは思わないが?」

「なんだ、リーナ! 父君に言ってなかったのか?」

「……」

「リーナ?」

、リーナはすでに僕の物になっていますよ」

「っっ!」

「なっ!? ……本当なのか、リーナ」

 こんな形でお父様に知られてしまうなんて……顔から血の気が引いていくのを感じます。
 ……ずっと私になど興味がないと言っていたリック様が夜に寝ていた私の元へやって来たのは3ヶ月前……。

 結婚初夜、『お前に興味がない』とだけ告げて部屋を出たリック様に悲しみを感じつつも、それ以上の安堵を感じていました。
 それなのに二年以上が経って急に……私も貴族家に生まれた者として果たさねばならない当然の義務だと思って黙って受け入れましたが、、私を道具のようにしか思っていないリック様との行為は私には苦痛以外の何物でもなく、身体はもちろん、心を酷く傷つけられました。

 それから、、週に一度程の頻度でリック様が私を慰み者にしに訪れるようになりましたが、誰かに相談することなど出来ません。私付きのメイドは知っていますが、誰にも言わないようにお願いしました。
 ……こんなこと誰にも知られたくありませんもの。

 ──家族には“家族”だからこそ、知られたくなかったのに……。
 隠したかったことをお父様に知られてしまい、泣き出してしまいそうです。

「ハッ、もう3ヶ月も続いているというのにまだ子が出来ないなんて、何か問題があるんじゃないか」

「……」

「……リック君、すぐに出ていってくれっ」

「言われなくとも出ていきますよ、殿。この部屋からはね」

 


* * *




「リーナ……どうして教えてくれなかったんだ?」

「っ、このようなことを言うなど出来ませんでした。貴族としては当然の責務ですし、カトル公爵家の後継ぎも……何よりっ」

 ──人に話して慰めてもらっても、自分がより惨めに思えてしまいます。

「……リーナは彼と離婚、したいか?」

 当然、、そう思っていますが、リック様と離婚したら傷物になった私と結婚してくださる男性はいないでしょうし……でも、公爵家の後継ぎは養子をとることも出来ますし、、侯爵家に嫁いだミラはすでに二人の子を授かっています。
 でも、私の事情で子を親から引き離すなど……

 と考えていたのに、自分でも気付かないうちに頷いていたようです。
 ……私も、もう限界だったんですね、、

「……それじやあ、彼との離婚を成立させるために動くとしよう。あと少し、我慢してくれ?」

「っ、はい……ありがとう、ございます!」

「……すまなかったな」



 ───お父様とお母様が事故で亡くなったと聞いたのは、それから四日後のことでした。




* * *




「──リーナお嬢様っ!」    

「!? そ、そんなに慌ててどうしたのですか?」

「こ、公爵様と奥様が乗った馬車が崖から転落したとの報告が……!」

「っっ! そ、そんな……」

「報告書には三日前に視察で訪れられた、カトル領の大切な交易の品である木材を産する森林に向かわれる途中で、と……」

「ほ、報告書を見せてください! ……………」

 ……確かに、高品質の木材を産出する森林に向かう道には切り立った崖になっている場所もありますが、しっかり整備されていますし転落防止の杭もあります。
 杭で馬車の転落を防ぐのは難しいかもしれませんが、ここ数日好天が続いていたので泥濘に馬車の車輪をとられて、ということもないでしょう。
 危険な動物もいないはずですし……


「───おい、リーナ、大変なことになったなぁ! 大丈夫か?」

「………」

「夫の問いかけにたいして反応もないとは酷いやつだ」

「……リック様、お出かけされていたのでは?」

「あぁ、僕の愛する人と息子を迎えに行っていたんだ」

 ニヤニヤとしながら話を進めるリック様……愛する人に息子? リック様に愛人がいるであろうことは予想していましたが、子供までいたのですか……それにしても、こんなタイミングでそのような話をするなんて……

「お前に子が出来ないだろう? だからリディアと僕の息子を後継ぎにしたらどうかと思うんだ。婿である僕の血を引いているんだ、構わないだろう?」

 この人は何を言っているのでしょうか……

「あぁ、そうなると次期公爵の父親たる僕こそカトル公爵に相応しく、その母たるリディアは夫人に相応しいということになるなぁ?」

「リーナお嬢様に対して、なんという無礼を……!」

「使用人風情が……お前は黙っていろ!」

「……その方達はどこに?」

「この部屋の外で待っているさ、、リディア!」

「はぁい!初めましてぇ、リーナさん? 私はリディアです! こっちはリック様との息子、トーマスで~す!」

 入ってきたのは栗色の髪に輝くようなペリドットの瞳に可愛らしい顔立ちをした女性でした。
 ただし、身に纏う服は胸元が大きく開いた……言ってしまえば娼婦が着ているような服です。
 片手を私に向かって振っており、もう片方の手では4歳ほどの男の子の手を引いています。

「……初めまして、この屋敷へは何用で参られたのでしょうか?」

「えぇ!? 今の話の流れで分からないんですかぁ?」

「申し訳ないことに」

「えぇ~、頭がいいんじゃなかったんですか?」

 ……そのようなことを言われても、何故入り婿であるリック様が当主となり、愛人の女性が女主人となるのか、さらにはカトル公爵家の血が一滴も入っていない子が後継ぎになるという話になるのか……理解しかねます。
 それに、子供の年齢から私と結婚する前に生まれていたということですよね?
 子に罪はありませんが……

「はぁ…お前がこんなに鈍かったなんてな、、僕達が言いたいのは、お前は邪魔だから出ていけということだ。わかったか?」

「……」

「逆らったら使用人は皆殺しだぞ?」

「な、何故、関係のない者達を……!」

「別にお前を殺してもいいんだぞ? 僕は者として温情をかけてやろうと思っているんだ」

「そうですよ~? 平民としてなら平穏に暮らせますよ」

 あぁ、この人達は私が苦労する様子を見たいのですね、、なんと下らない ……ここでリック様に反抗するのは得策ではないようですが、私が出ていったとして、この屋敷の者達の安全は保証されるのでしょうか?

 そして、このタイミングやリック様達の様子から考えるにお父様とお母様のにはリック様が関わっていそうですね。
 必ず、必ず明らかにしてみせますっ。

 まずは証拠を集めましょう。
 リック様に統率力、運営能力が乏しいことはわかっているので、自分が公爵でいるためにはカトル公爵領に詳しいこの屋敷の者達をクビにはできないでしょう。仮に使用人を取り替えたとしても、それはそれで侵入を容易いものとし、調査の助けになるでしょうね。リック様のご実家も然りです。

 私は……しばらくミラの嫁ぎ先にお世話になりますか、、
 

「リーナ、、まだ理解できないのか?」

「はぁ、わかりました。すぐに出ていきます、、お元気で」













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