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リクエスト集
“家族”
しおりを挟む本編完結後の未来になります!
リーナ、ウィルの二人とその子供のお話を読みたいと言ってくださった方が多かったので、先に子供を登場させちゃいます!
妊娠中のリーナやその時の周囲の様子は後程(^^)
~~~~~~~~
ウィルとの結婚から早十年、、二児の私は母となっています。結婚から四年がたった頃、私のお腹に命が宿っていると分かった時のウィルは狂喜乱舞ともいえる状態でした。今ではすっかりパパになっていますが……。
私とウィルの子供は男女の双子で、現在は5歳になっています。
兄である男の子はエリオット、妹である女の子はソフィアと名付けました。
二人ともとっても可愛らしくて、ウィルと二人で癒される毎日です!
今日はエリオットとソフィアをお母さんの食堂に連れていきます。
二人を街に連れていくのは初めてなのでどのような反応をするのか楽しみです!
お母さんにもようやく二人を紹介できますね。
……公爵家の子供である二人はか弱く、政敵から狙われやすい存在です。
そのため、私の妊娠が分かった時から私の生活の拠点はカトル公爵家の屋敷に移されました。
お母さんやお客さんからも『公爵邸の方が安全だし、何かあったら大変だから』と説得されてしまいまして、、ウィルも一緒にカトル公爵家に来ましたが、ウィルは手が空いている時にお母さんの食堂へ行って私の近況報告をしたり、私とお母さんの手紙のやり取りを担ってくれています。
二人が産まれてからもしばらくは、使用人達の目があるとはいえ目を離せませんでしたし、私自身も若輩な女公爵という事で手間取ってしまっていたのでお母さんに会うことが出来ませんでした。
二人が3歳を過ぎた頃から、私は月に一度程度の頻度で会っていましたが、エリオットとソフィアはまだ幼かったので屋敷の外へ出すのを控えていました。
今日やっと、お母さんに二人を紹介出来ます!
「お母さま、きょうはマチルダお祖母さまにあいにいくの?」
「えぇ、そうよ。お母様をとっても可愛がってくれたから、エルとソフィーのことも可愛がってくれるわ」
私の膝の上に乗っていたエリオットが私と同じ青銀の瞳を輝かせながら私を見上げています。
エルとソフィーはエリオットとソフィアの愛称です。
「お父さまもいっしょだよね!?」
「あぁ、もちろん」
私が座る二人掛けのソファには、当然のようにウィルも座っていて、その膝にはソフィアが乗っています。
エリオットと色彩はプラチナブロンドに青銀の瞳で、ソフィアの色彩は黒髪に緑金の瞳と、私とウィルそれぞれと全く同じ色を纏っていて、双子なのにこうも違うのかと思っておりました。
「義母さんもずっと二人に会いたがっていたから喜ぶはずだ」
「「ほんと!?」」
「あぁ」
「えぇ、お父様の言う通りね」
* * *
「はじめまして、エリオットです!」
「ソフィアです!」
「初めまして、エリオット、ソフィア」
「「よろしくおねがいします!」」
「おやおや、挨拶が出来て偉いねぇ」
「可愛いぃぃい」
「小さいのに立派だなぁ」
「頭がよさそうだな」
エリオットとソフィアが馬車の中で練習していた自己紹介と挨拶を披露しました。二人ともお母さんや食堂にいたお客さんに褒められて誇らしげです。
「ずっと二人を連れてこられなくてすみませんでした、、エルとソフィーもお母さんに会いたいと言っていたので、連れてこられて良かったです」
「いいんだよ、会いたいとは思っていたけど、立場もあるからね。それにしても、聞いていた以上に可愛い子達じゃないかい! ウィルがデレデレになってる理由が分かったよ!」
「デレデレ……ですか? ウィルが?」
ウィルの方を向くと顔を反らされました。……珍しい反応ですね。
「あれ? もしかして、リーナ達の前じゃ普通のお父さんだったかい?」
「は、はい、エルとソフィーを甘やかしてはいますが、格好良いお父様として慕われていますし、私としても頼りになるお父様です」
「うん! お父さまはカッコいいんだよ」
「ソフィーもエルも、お父さまだいすきなの!」
「ハハハッ、おいウィル! リーナちゃんの前ではやっぱりカッコつけたいのか?」
「ふふっ、やっぱりウィルさんはウィルさんですね」
「……当たり前だろう、、何か問題が?」
開き直ったようにこちらを向いたウィルですが、心なしか、、いえ、バッチリと赤くなっていますね。
それにしてもウィルが……屋敷でも『少し親バカなのでは?』と思うことがありましたが、まごうことなき親バカだったようです。
でも、仕方ありませんよね?
エルもソフィーもこんなに可愛らしいのですから!
それにしても、『リーナちゃん』……先日会った時に、私も28になったから“ちゃん”は恥ずかしいと言ったのですが、『リーナちゃんはリーナちゃんだし、見た目でも違和感ないから』と言われてしまいました。
……変わらずに接してもらえて嬉しくはありますが、やはり恥ずかしいですね、、
……また、後で考えましょう。
時間は有限ですからね。
「───お母さん、早速ですが公園に行きませんか?」
「そうだね。ウィルからも二人に街を見せたいって聞いてたから、アタシもそう提案しようと思ってたんだ! リーナが公共事業でこの近くに公園を造ってくれただろ? 皆、助かってるんだよ!」
「本当ですか? それなら、よかったです」
「あぁ、この街は子供が多いからね……皆、遊ばせる場所がほしいって思ってたんだよ。大人も運動するのに使えるしね!」
「リーナ、よかったな」
こうして、自分がしたことを認めてもらえるのは嬉しいですね。
公爵になった時は不安でしたが、なんとかやっていけているようです。
「リーナちゃ~ん、俺らも行っていいか?」
「もちろんです!」
* * *
「お母さま!あれはなに!?」
「エルはあれに興味があるの? あれはブランコというのよ……他の子とも仲良く遊びなさいね?」
「うん! お父さまもいこう!」
「あぁ、、あまり急ぎすぎると転ぶぞ」
「ソフィーはお母さまと、おばあさまとお花をつみたい!」
「あら、いいわね」
「ソフィーには可愛い花冠を作ってあげよう!」
「はなかんむり? それなぁに?」
──側ではソフィーがお母さんに花冠の作り方を教わりながら、小さな手で一生懸命に花を編んでいて、少し離れたところからウィルに背中を押してもらいらがらブランコを漕ぐエルの楽しそうな声が聞こえてくる……。
私がずっとほしいと思っていた温かな“家族”の光景……。
「あれ? お母さま、どうして泣いてるの? 」
「本当だ、どうしたんだい?」
……えっ?
ソフィーとお母さんに言われて自分の頬に手を当てると、濡れていることが分かりました。
「あっ、これは……」
「お父さま~!お母さまがないてるよ!」
「そ、ソフィー、、これは違うのよ」
大声で叫ぶソフィーの声を受けて、エルを抱っこしたウィルが走ってきました。
「リーナ! 大丈夫か? 何があった?……もしかして、体調が──」
「ウィル、何でもないわ。ただ嬉しかったの」
「『嬉しい』? !……あぁ、そうだな」
ウィルは私が言いたいことを理解してくれたようです。
私が諦めようとすらしていた“家族”……お母さんに出会って、ウィルと再会して、エルとソフィーが生まれて、、モノクロだった私の世界がどんどんと鮮やかなものになっていきました。
「リーナ、アンタが幸せになってくれて本当によかったよ」
「お母さまがうれしいなら、ソフィーもうれしいよ?」
「エルも!」
「もちろん、私もだ」
「……皆、、本当にありがとう」
この先もずっと、、この幸せが消えてしまうことはないでしょう。
こんなに素敵な家族に囲まれているなんて、私は幸せ者ですね……!
~~~~~~~~
以下、話の雰囲気ぶち壊しかもです_(._.)_
読まない、もしくは斜め読みで問題ありません!
一応、面白いとは思っていただける内容だと思うのですが……( ̄▽ ̄;)
《おまけ》
~ウィルが一人で食堂に行っていた時~
「家族が愛らしすぎて辛いっ!」
「なんだい、また言ってんのかい?」
「何度でも言いますとも! リーナへの愛しさは天井しらずでどこまでも高まっていくんです……! エルとソフィーが産まれてから、彼女こそ聖母なのだと分かりました! この間も屋敷の庭で遊んでいているエルが転んで泣いてしまった時に、優しく起して涙を拭ってあげている姿は神々しくて、リーナとエルのいる場所に天から一筋の光が伸びているようでした! その後、兄を心配して駆け寄ったソフィーもその光の中に入って……本当にこの世にいるのかと不安さえ感じましたよ。エルとソフィーも二人で眠っている姿は天使だし、最近では難しい言葉も覚えていって、少しずつ始めている勉強でも皆を驚かせる神童だしっ……! 昨日はソフィーが『お父さま、つかれてない? ソフィーがよしよししてあげるね』って……! 大きな事業を進めていて疲れ気味であったのは事実でも、それを子供達には悟られないように気を付けていたのに、気が付くなんて、、何より、まだ5歳になったばかりなのに私の事を気遣ってくれるなんて天使としか言いようがありません!エルもそれを見て私の頭を撫でてくれたし、リーナも来て───
「ウィル! もう、分かったよ!」
「ウィル~、戻って来ーい」
「毎度の事ながらスゴいですね、、今息継ぎしてました? 明らかに一息で言える長さじゃなかったですよね?」
「マジで超人だろ。だけど、あの惚気がリーナちゃん達の近況報告にもなってるんだよなぁ」
「エル君とソフィーちゃんにはまだ会えてないが、ウィルをここまで壊すとは、どんな子達か……会うのが楽しみだ」
「早く会いたいですね!」
以上、キャラ崩壊のウィル君でした!
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