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番外編
執事長の苦難(執事長視点)
しおりを挟むカトル公爵家の執事長さん視点のお話です!
リーナが家を出てから本編完結までどんな裏話があったのかと、使用人さん達の気持ちをまとめてみました。
~~~~~~~~
あぁぁあ、、リーナお嬢様、何故出ていかれてしまったのですかっ!
貴女がいないとこの屋敷、、いえ、カトル公爵家が成り立ちませんのにっっ。
リーナお嬢様は数日前にこの屋敷を出ていかれてしまい、私共への負担は倍増しました。
リーナお嬢様が出ていかれた理由は言うまでもなく分かっておりますとも、リーナお嬢様へのご家族の皆様の行いは酷いものでありましたから。小心者な私共はリーナお嬢様を苦しみから救いだすどころか、癒して差し上げることも出来ませんでした……。
自立の出来る年齢になってこの屋敷を離れるのは当然かもしれません。
で、す、が……!
私を置いていかないでくださいっ。辞職しようにも公爵様はお聞き届けくださりませんしっ!
……失礼、取り乱しましたな。
私は先代公爵様の代からこのカトル公爵家にお仕えしております、ロバートと申す者です。
現在は執事長という大任を任されており、屋敷の一切はもちろん、公爵様のお仕事の代理も務めさせていただいております。
……リーナお嬢様は本当に優れた方でした。公爵様が仕事を私達に任せっきりで満足に休めない日々が何年も続いておりましたが、リーナお嬢様が手伝いを申し出てくださってから、、本当に助かっておりました。
最初は未成年のお嬢様に出来ることなど、、と思っていましたが、ご厚意を無下にするのもと少しお手伝いいただくとすぐに考えを改めさせられました。
何故ここまで書類仕事に慣れていらっしゃるのか尋ねた私に『学園で習っただけ』だと答えておられましたが、本当に初めてとは思えない程でした。
その後、恥ずかしそうにしながらも学園での成績を見せてくださいましたが、、いやはや、驚きました。
公爵家を継ぐために、必須科目に加えて経営学や経済学等を学ばれていたのは知っておりましたが総じてトップの成績とは……!
恥ずかしながら、公爵様の仰る通りよろしくはない成績だと思っておりましたので。リーナお嬢様に頼またためその事は公爵様にお伝えしておりませんでした。
……リーナお嬢様のお心を守ることが出来なかったのですから、この程度と思い最善を尽くすとしましょう。
* * *
先日、公爵様がリーナお嬢様を探すよう指示をなさいました。
リーナお嬢様が折角手に入れたであろう平穏がもう脅かされてしまうとは……。
公爵様は、、失礼ながら能力があまり高くございません。先代公爵様はなんとか一人でも仕事が出来るよう教えておりましたが、現公爵様には教え方が合っていなかったようです。
親であった先代公爵様に反抗されるように長年の婚約を破棄され、現在の奥様……カトレア様と婚約を結ばれました。
……先代公爵ヘンリー様と、その姉であったミリア様の死因は“不明”となっておりますが、服毒によるものです。
……私はカトレア様が恐ろしい、、
お二人を死に追いやった毒がカトレア様によるものだというのは、カトル公爵家に仕えている者の間では公然の秘密です。
そう、、カトレア様は義父、義伯母である方々を悩むこともなく殺したのです。自分に対して不利益だというだけで。
この事を公爵様はご存知ありません。話したところで信じてもらえず、逆に告発した私共が被害を受けるからです。
真に忠誠を誓っているならば、お伝えするべきですが、残念ながらこの屋敷にそこまでの忠誠心を持った者はおりませんので……。
今後、リーナお嬢様に危害が加えられることがないと良いのですが……。
* * *
とうとう、リーナお嬢様が見つかってしまいました。
それにしても……本来のリーナお嬢様を久しぶりに拝見しましたが、あのようにお綺麗になられていたのですね。
ある意味、姿を偽られていて正解だったのでしょう。もしお顔やお髪の毛を隠すことなく生活されていたらカトレア様が何をされていたか考えたくもありません。
リーナお嬢様に理不尽を強いたカトレア様がその事を忘れられていたのも本当に良かった……!
私など古くから仕えている者はリーナお嬢様の成長を知ることが出来て喜びを感じておりますが、ここ10年程で新たに勤め始めた者達は誰だか分かっていませんな。
それと……リーナお嬢様のすぐ後に屋敷を訪ねて来られたお方は……どう見てもウィリアム第二皇子殿下でしたが?
少し前にリーナお嬢様を尋ねていらしたので、もしかしたら……などと考えていた一月後、訃報が届き残念に思っておりました。
……リーナお嬢様はこの屋敷を出られてから幸せな日々を送られていたのですな。私共が不甲斐ないばかりにこのように煩わせてしまい申し訳もない。
そんな事を思っていた矢先にリーナお嬢様がカトル公爵家当主となられました。父君は複数の汚職により幽閉、カトレア様は強制労働所へ収容、ミラお嬢様は北方の修道院へ送還され……。
全てが変わりました。
リーナお嬢様、いえ、公爵様は旦那様に“ウィル様”を迎えられましたが……これは秘匿されるべき事ですな。皇室騎士の方々から『機密を漏らしたら厳しい罰が下る』と言い渡されましたが……えぇ、使用人一同喜んで口をつぐみましょう。
新たなものとなったカトル公爵家が今後どのようになっていくのか、、大変楽しみですな。
~~~~~~~~
読んでくださりありがとうございます(*^^*)
書き上がっている番外編はここまでとなります_(..)_
今、リクエストいただいた話を書いていますので、順番を整理しつつ、書き上がり次第投稿していきます!
ただ、、夜野が一応、受験生になってしまったという事で、のんびりな投稿になってしまうと思います。すみませんm(__)m
まぁ、元々自主的に勉強をするタイプでもありませんし、息抜きに書き続けているので、長期間投稿が滞ることはない思います(*´・ω・`)
ここまで読んでくださった皆様、ありがとうございました(^^)
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