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5章 反撃の序章
46 カイルの心①
しおりを挟む時系列は少し戻り、学園の長期休み中の話になります!
~~~~~~~~~~~
(カイル視点)
私はどうしてイリス嬢をあんなにも憎んでいたのだろう………。
母上とレイラの素晴らしさについて語り合っていたら弟のラストルとアルバート殿下がやって来て、、私と母上が眩しい光に包まれた………。
今は3人が出て行ってしまって、部屋には私しか居ないが、、、
そういえば何故、王太子であるアルバート殿下がこの屋敷に?
確か、学園でラストルのクラスメイトだったと思うが………。
あぁ、疑問が溢れてくる。
ラストルは光が収まった後、私と母上に『レイラ様をどう思いますか?』と聞てきた。
母上は少し前まで、一緒にレイラの素晴らしさを語り合っていたというのに、『可愛らしい子だと思うけど………貴族としての礼儀は守れていなかったわね? 何であんなに陶酔してたのかしら?』なんて言っていた。
レイラに陶酔する理由なんていくらでもあるじゃないか!
もちろん私はレイラについて熱く語ったさ!
………途中でラストルに止められたが、、なんで止めるんだ!?
まぁ、自分でも流石に熱くなりすぎか?なんて思ったけど、、
………あの光に包まれてから、イリス様に対する考え方が変わったような気がする………。
もちろん、レイラに迷惑を掛けているという認識は変わらないが、なんというか………
───それにしても、ラストルとアルバート殿下は何故あんなにも困惑した表情を浮かべていたのか………。
――――――――――――
あれから数日後、レイラがこの屋敷にやって来た。
「お早う、レイラ!今日はどうしたんだい?」
「カイル! お早うございます。 実はイリスがちょっと………。ラストルになんとかして貰おうと思って来てしまいましたわ!」
レイラはラストルに用があるのか………。
私の方が騎士としての力もあって、頼りになるのに……。
それにしても、あの小娘、、イリス様はまたレイラに迷惑を掛けているとは………! 以前のような憎悪はないが、腹立たしい。
ラストルもレイラをいつまでも待たせておくつもりだ!
まぁ、レイラと二人きりで過ごせるのも悪くはないが───
「こんにちは、ラストル! 少し遅かったですわね」
レイラが私の後ろを見ながら言うので振り返ると、ラストルが走ってきた。
「ラストル、レイラを待たせるなんて何事だ!!」
「レイラ様、カイル兄様、遅くなってしまい申し訳ありません……」
「いいですわ、、オパールは?」
「オパールは体調を崩してしまいまして、、レイラ様に会えないことを残念がっていました」
………オパールが? 大丈夫だろうか?
後で様子を見に行くこうか………いや、大丈夫か。
「あら……残念ですわ」
「───お二人は何の話をしていたのですか?」
「あの愚者………イリス様の話さ! あの女がまたレイラに迷惑を掛けているらしい!」
まったくもって腹立たしい……!
───ん? よく考えたら、こんなに立腹することか? レイラはイリス様が何をしたのか、話してもいないというのに………。
「えぇ、、ラストルが注意してくれたのが3ヶ月程前なので、またちょっと………」
いや、どうでもいいか。
レイラが困っているというのが一番の問題だ。
「それは問題ですね! 明日にでも、僕がサン侯爵家にお邪魔して、はっきりと言いましょう!」
「ありがたいですわ! では、明日お願いします」
ラストルも私と同意見だというのはいいが、ラストルだけサン侯爵家に行くというのは………!
「レイラ! 私も一緒に………」
「もちろんですわ。カイルは私とお茶をしましょう?」
「あぁ!」
「───今日は何をしましょう?」
「明日も会えるので、今日はかえりますわ!」
………ラストルめ、余計なことを!
まぁ、明日お茶に誘われたことだし、いいか。
「レイラ!また明日!」
「気をつけてお帰りください」
そうして、レイラは帰っていった。
「それではカイル兄様、僕も失礼します」
「あぁ」
―――――――――――――
翌日、ラストルと共にサン侯爵家に向かった。
サン侯爵家に行くのは久しぶりだな………。 最近は騎士としての仕事が忙しいからな。
そういえば、レイラはラストルに愚か者への制裁を頼んでいたが……イリス様はそこまで酷い人なのだろうか?
優しいレイラがそこまで言うのだから、相当なのだろうが、、以前は内気そうで大人びていたのに………。
………変な事を考えてしまったな。
「───カイル、ラストル、今日は来てくれてありがとうございます! 嬉しいですわ!」
「私も君に会えて嬉しいよ!」
「僕も嬉しいです」
私達と会ったことでレイラが喜んでくれるのは嬉しいな。私自身、レイラに会えてとても嬉しい。
………昨日も会ったのにな!
「レイラ様、僕はさっそくイリス様の所に行ってきますね?」
「助かりますわ! ラストル、お願いします」
「ラストル、私の分まで頼んだよ?」
さっきは変な事を考えてしまったが、レイラを困らせる者は誰であろうと許さない!
「お任せください」
「あっ! 終わったら、いつものサロンに来てくださいね!」
「分かりました」
よし、これからしばらくはレイラと二人で過ごせるな。何を話そうか?
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