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4章 学園〜対策〜

35 襲来?

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 屋敷の人たちの解術をしてからしばらく、僕たちはのんびりして過ごした。
 …………カイル兄様の解術だけは何度試しても出来なかった、、

 今はアルとオパールと一緒に僕の部屋で話をしている。
 まだ、学園に入学していないオパールは学園に興味津々みたいで、いろんなことを聞いてくる。

「─────アルバート様、お勉強は難しいですか?」

「う~ん、、最初は難しかったが、君の兄が天才でな! 教えて貰ったら簡単に感じるようになった」

「そうなんですか!? ラストルお兄様、オパールにもいつか教えてくださいね」

「うん、いいよ!」

 オパールはすっかりアルに懐いたみたい。
 アルも、オパールと話すのは楽しそうだしね!


 ───────コンコンコン

「ラストル様、レイラ様がいらっしゃってラストル様にお会いしたいと言っているのですが…………」

 えぇぇ、、レイラ様が来ちゃったの?
 オパールはもう会わせたくないし、アルも会わせたら〈聖〉属性だってバレちゃうよね?

「……………アルとオパールはここにいてね?」

「分かりました」

「私もここにいるが………お前は大丈夫か?」

 そういえば!魔術耐性について話してなかったね。

「僕はレイラ様が使っている魔術に耐性があるんだ」

 オパールも一度魔術にかかってるから、耐性があるかもしれないけど、“魔術にかかりたくない”っていう強い気持ちがないと、完璧に防ぐことはできないからね。


―――――――――――――――――


「こんにちは、ラストル! 少し遅かったですわね」

「ラストル、レイラを待たせるなんて何事だ!!」

 …………………カイル兄様も来ていたんですね。

「レイラ様、カイル兄様、遅くなってしまい申し訳ありません……」

「いいですわ、、オパールは?」

「オパールは体調を崩してしまいまして、、レイラ様に会えないことを残念がっていました」

 もしかして、この屋敷の人たちの解術をしたのがバレたかな?
 使用人たちには〝今まで通りにするように〟っていう通達がされたはずなんだけど…………………

「あら……残念ですわ」

 何をしに来たのか聞きたいけど、喜んでいるのなら、聞かないよね…………?

「───お二人は何の話をしていたのですか?」

「あの愚者………イリス様の話さ! あの女がまたレイラに迷惑を掛けているらしい!」

 あぁ、そうゆうことね。

「えぇ、、ラストルがしてくれたのが3ヶ月程前なので、またちょっと………」

 イルの演技がなくなってきて、不満なのかな……………?
 イルが何もされてないといいんだけど………………

「それは問題ですね! 明日にでも、僕がサン侯爵家にお邪魔して、はっきりと言いましょう!」

 僕的には自分から〝来たください〟って言いに来てくれて、ありがたい。
 頻繁にイルに会いに行ったら、怪しまれちゃうでしょ?

「ありがたいですわ! では、明日お願いします」

 よし! これで堂々と会いにいける!

「レイラ! 私も一緒に………」

「もちろんですわ。カイルは私とお茶をしましょう?」

「あぁ!」

「───今日は何をしましょう?」

「明日も会えるので、今日はかえりますわ!」 

「レイラ!また明日!」

「気をつけてお帰りください」

 ふぅ~~、、、この屋敷の人たちの魔術が解けたことには気付かれてないみたいだね。

「それではカイル兄様、僕も失礼します」

「あぁ」


―――――――――――――――――


「アル、オパール、ただいま」

「あぁ、お疲れ」

「お兄様、大丈夫ですか?」

「うん、レイラ様は帰られたよ」

 カイル兄様と別れた後、僕はすぐに自分の部屋に戻った。

「まぁ、明日僕とカイル兄様がサン侯爵家に行くことになったけどね」

「そうか……………」

「あの、ラストルお兄様………イリス様にお会いしたら、私が今までしたこたを謝っておいてくれませんか?」

「オパールはレイラ様の魔術に惑わされていたし、イルに直接何かしたわけじゃないでしょ?」

 もしかしたら、レイラ様から聞いているかもしれないけど、イルは魔術にかかっていた人を攻めたりしないと思う。

「それでもです! お兄様、お願いします」

「……………オパール嬢は誠実で真っ直ぐな心を持っているね、、、ラストル、謝罪を伝えることは、イリス嬢の安心につながるかもしれないぞ?」

 アルにまで言われたらね……………
 確かに、自分を大切に思っている人が僕以外にもいるって分かった方がいいか。

「分かったよ」

「そういえば、オパール嬢とレイ伯爵夫人には魔術を教えないのか?」

 考えてはいるんだけどね……………

「………危ないかもしれないじゃん?」

「夫人はお前と同じ〈火〉属性で、オパール嬢は〈無〉属性だろう?」

 そうなんだけど………………

「〈無〉属性は特に謎が多いんだ」

「でも、オパール嬢は使ってみたいようだ」

「はい!お兄様、、私も使ってみたいです!」

「………………使えるかどうか、分からないよ?」

「やってみなければ分かりません!」

 う~ん……………

「──分かった………今度、教えるね。…………けど、父様にも許可を取ること!」

「もちろんです」

 オパールはイイ笑顔だ。
 ついでに言うと、アルも…………
 僕がレイラ様の相手してる間に何かあったの?

 


~~~~~~~~~~~~

━ラストルが部屋を出た後━
 

「アルバート様、、私の魔術の属性は何ですか?」  

「オパール嬢は〈無〉属性だな………急にどうしたのだ?」

「家族やイリス様を守る手段の一つとして私も魔術を使えるようになりたくて、、ラストルお兄様は反対するでしょうが………」

「じゃあ、ラストルが帰ってきたら一緒に交渉しよう!」

「アルバート様、ありがとうございます!」




~~~~~~~~~~~~

 読んでくださりありがとうございます("⌒∇⌒")

 今後も読んでいただけたら嬉しいです!


 *しばらく、2日に1話ペースでの更新に致します。








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