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4章 学園〜対策〜

32 〈聖〉属性魔術

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 ────あっという間に3ヶ月が過ぎて、今日から学園の長期休暇に入った。
 僕は今、屋敷のエントランスにいる。
 もう少ししたら、アルが来るはずなんだけど………
 
「ラストル様、アルバート殿下がお越しになりました」

 おっ、ちょうど来たんだね!

「アル……バート殿下、ようこそお越しくださいました」

「やぁ、ラストル! ………いつも通りでいいぞ?」

「いえ、、人目がありますので…………」

 使用人たちの前で王太子殿下にタメ口で話すのはマズイよね?

「………そうだな」

「まず、父の元にご案内します」

 本当は父様も一緒に出迎えるべきなんだけど、国王陛下から『ライルは部屋にいろ』って言われたんだって。
 ……………何でだろうね?


 ────────コンコンコン


「ラストルです。アルバート殿下をお連れしました、、失礼します」

「────アルバート殿下、お越しいただきありがとうございます」

「いえ、、これからしばらく世話になります」

 挨拶も終わったことだし、早速本題に入っちゃおうかな?
 父様に目で合図をする。

「────早速ですが、この度殿下にお越しいただいた理由をお話しします」

「頼みます」

「殿下は〝魔術〟というものはご存知ですよね?」

 僕は黙って父様とアルを見てる。
 アルは前に『魔術について聞いた』って言ってたけど、あくまで聞いただけのはず…………
 まぁ、レイラ様が関係してるってことは予想出来たみたいだけど。

「はい、少し前に父上から聞きました」

「今、それを、お見せしましょう………ラストル、頼む」

「はい─────────」

 僕は手のひらを上に向けて前に出し、その上に炎を出す。
 父様が〈風〉の魔術を使ってもよかったんだけど、分かりずらいから僕が〈火〉の魔術を見せることになったんだ。

「っっ! こ、これは………………」

「今、ラストルが使っているのが〈火〉の〝魔術〟になります」

「この世にこのような力が存在したのですね……………」

「はい、殿下は〈聖〉属性という珍しい属性の魔術を使える

「レイラ嬢は魔術を使っていて、父上からは『お前が鍵だ』と言われていますが、、その〈聖〉属性の魔術を使えるようになればいいのですか?」

「はい、殿下にはこの屋敷に滞在する間、〈聖〉魔術の練習をしていただきます」

「最善を尽くします」

「……………それでは、後はラストルに任せますのでご無理のないようになさってください」


――――――――――――――――――


 説明が終わった後、僕とアルは地下室に移動した。

「こんな所での練習になっちゃって、ごめんね」

「気にするな、、魔術は秘匿された情報だろう?」

「うん…………それじゃあ、魔術について詳しく説明するね」

 僕はそれから、魔力についてや、魔術の属性について、魔術を使えるようになるために必要なこととかの説明をした。


「そうか、、魔力の動きを感じて、それを動かせるようになればいいんだな」

「そう!」

「……………ラストルは何で、魔術についてそんなに色々知っているんだ?」

「………ごめんね、それは秘密」

 多分、アルに言うことは一生ない。
 不必要に前世について話してもいいことはないもんね!

「仕方がないな。…………それじゃあ早速、練習を始めようか!」

「分かった。手を貸してもらっていい?」

「あぁ」

 父様とグレンに魔術を教えた時と同じようにアルを覆っている魔力を動かす。


 …………………15分くらい、アルの周りの魔力を動かしてるんだけど、、まだ何の反応もないな……………
 アルが魔術を使えなかったらどうしよう!?

 
 さらに5分後、、

「んっ!?何か不思議な感覚が……………」

「あっ!分かった!?暖かいものが動いてる感じがすると思うんだけど、それが魔力だよ!」

 よかった~~~これで、第一段階は突破したね。
 20分くらいかかったけど、父様とグレンが5分とかからずに魔力を感じられた方がおかしいんだよね!

 前世の世界では30分~1時間くらいかかってたし、短時間で魔力を感じられた僕でさえ15分だったんだもん。

「この後はそれを自力で動かしてみて欲しいんだけど、、それは時間がかかるんだ」

「どれくらいだ?」

「普通は5日~10日かな? 僕は2日、父様と執事のグレンは30分もかかってなかったけど、、」

「そうか……………」

 言葉にすると、父様とグレンの異常さが分かるね!
 他の人が何日もかけてやることを数時間でやっちゃったんだもん…………!


 その後、3時間くらい経ったら、その日の練習は終わりにした。

 おそらくアルは〈聖〉属性の魔術を使えるようになるだろうけど、具体的にどんな力の魔術があるか分からない。

“〈聖〉属性の魔術は悪しきものを振り払い、傷付いた者を癒すことが出来る”
 
 ってされてるけど、イメージしにくいからな……………

 魔術はイメージした通りに発動するから、イメージが大切なんだけど…………………
 最初に説明した時、アルもよく分からないって顔になってたもん。

 何かイメージをしやすくして、練習の助けになるものはないかな……………?











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