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4章 学園〜対策〜

25 授業と疑問

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 サン侯爵家に行って、イルと再会した翌日は普通に学園があった。

 前と同じようにクラスメイトたちが、僕の周りでわちゃわちゃしてるんだけど………………これ、いつになったら無くなるの?

 僕が学園に来るようになって少し経つのに全く変わらない………………とゆうか、日常になってる!!

 やめて………………僕は静かで平穏な学園生活を送りたいだけなのに────

 アルとトーマスは「鏡で自分の顔見ろ」としか言わないし……………

 もしかして、この顔のせいなのか??


「ラストル様~!このも問題教えてください」

 ………………サリー嬢は全く学習しない、、、、

 学園だから、教えてあげなきゃだけど、後ろの令嬢たちの視線が痛いよ………!


「ラストル様の教え方は本当に分かりやすいですね!いつもありがとうございます!」

「うん……………勉強頑張ってね……」

 出来れば自分で!

「ちょっと貴方、毎度毎度ラストル様に質問なさって………! 迷惑だと思いませんの!?」

 ────そう、僕に近づいたサリー嬢に他の令嬢たちが文句を言って、僕が仲裁、「「優しい!」」までがいつもの流れ。

 もう勘弁してよ………………

 学習しないサリー嬢もそうだけど、毎回突っかかってく貴女方も大概だよ??


 この様子をアルとトーマスは笑って見てて、他の男子生徒は嫉妬のこもった視線を向けてくる……………

 はぁ~~~~~


 ───────ガラッ


 先生!
 ありがとうございます!早く授業を始めてくださいっ。

 次は算術の授業なんだけど、先生が教室のドアを開けたらみんなが離れていった。
 先生が神様に見える────


 ちなみに算術の先生は、新任だから〝レイラ様病〟じゃない。
 先生方はほとんどが〝レイラ様病〟で授業中に“レイラ様語り”を始めちゃって授業になんない………………

 …………………アルには無理をしてでも〈聖〉属性の魔術を覚えてもらわないとね!




  ──────授業が簡単すぎる
 いや、みんな真剣に考えながら問題解いてるんだけどね? この世界の教育水準、低すぎない?

 まぁ、僕は教育水準の高い世界の記憶があるから、ズルいんだろうけど…………………

「ラストル君、この問題を解きなさい」

 おっと、ボーっとしてたら先生に指名されちゃった!
 先生が示した問題は今学習してるの問題。

 13歳の貴族の子息と令嬢たちが九九やるってどうよ?

 正確には、この世界に『1×1=1いんいちがいち9×9=81くくはちじゅういち』って覚える九九はないから、“一桁×一桁”をやってるんだけどね。
 足し算で……………

 先生が僕に出したのは発展?問題だ。
 おそらく、「ちゃんと授業を受けなさい」って意味なんだろうけど…………

 九九の問題が“二桁×一桁”になっただけ。

 【13 × 4 = 52】

 えっ?合ってるよね??
 簡単すぎて、逆に不安になってくるんだけど………

「正解だ。………よく分かったな! 後期の授業で学習することなんだが、、」

 …………この学園は前期と後期に別れてるけど、、
 これ、後期にやるの?

 まだ前期は始まったばっかりで長いのに、その授業まで何すんの?

 クラスメイトたちは「すげー!」とか「さすがラストル様ですわ」とか言ってるけど……………

 僕、この世界の教育水準を上げられるかな?

 方程式とか関数とか三角比とか……………使えた方が便利だよね?
 学園では習わないのかな?
 この世界ではどれも学者並み、もしくは考え方自体が存在してないのかも、、、、

 僕の一番の目標は“イルを守る”だから、そのついでみたいな感じになっちゃうけど!


 こうして色々なことを考えながら算術の授業を終え、席の周りを囲まれないうちに教室を出る。

 人の少ない中庭に行くと、なぜかアルとトーマスがいた。

「二人とも何でいるの?」

 不思議だ………………僕はかなり早くに教室を出たのに、二人がもう中庭にいるなんて、、

「秘密だ」
「秘密だよ~」

 ……………相変わらず仲良いね。

「今日はの話があってな」

「僕もアルも、親から〝魔術〟のことを聞いたんだ~」

 アルは王太子だし、〈聖〉属性だからいつか知るだろうとは思ってたけど…………………トーマスも聞いたのか、、
 口軽そうなのに────

「ラストル~? 今、失礼なこと考えなかった~?」

「そっ、そんなことないよ!」

 ……………トーマス変に勘がいいんだよな、、、、


「まぁまぁトーマス。それで、ラストルは〝魔術〟とレイラ嬢がしていることについて知っていたのだろう?」

「まぁ、そうだけど…………どうして?」

「いや、父上が『3ヶ月後に始まる学園の長期休みでレイ伯爵家に行き、この件の解決に努めろ。お前が鍵だ』って言われてね……」

「あぁ、そっか!」

 へぇ~! 
 3ヶ月後からの学園の長期休み中にアルに〈聖〉属性魔術を練習してもらうのか!
 帰ったら、父様に詳しく聞いてみよう。

「ラストル~、何が『そっか!』なの~?」

「ごめんね……………それはまだ秘密。でも、二人ともいつかは知ることになると思うよ」

 アルは確実に知ることになるし!

「では、今は待つとしよう」

「そうだね~」

 二人に僕のを教えることはおそらくないけど、魔術については色々と教えられると思う。
 この世界の誰よりも詳しい自信があるからね!

 僕は前世で魔術が得意だったし、知識もそれなりに持ってる。
 
 僕って、結構特別な存在なんじゃないかな?

 ふと、そんな事を思ったけど、不思議な存在であることは確かだよね…………?

 僕は一体何なんだろう?










 
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