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4章 学園〜対策〜

20 複雑な気持ち

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 魔術の練習をした日から5日経った。

 僕は今、学園に向かっている。
 やっとだ………………!

 本当はもっと早く行きたかったんだけど、父様とグレンがすっごく心配しちゃって、「まだ休んでいろ」って言われちゃったんだよね……………

 そうなったのも、練習の後にグレンに魔力の説明をした時に怒りを浮かべていた理由を聞かれて、正直に話したからなんだけどね、、、、

 前世でのの死因に考え至ったって言ったら、めちゃくちゃ心配されて、「今世では、私もお前と共にイリス嬢を守るから思い詰めるな!」って言われた。

 その後、体の異常はないけど〝心のケア〟という事で休んでいた。

 父様は心配性だけど、優しさに溢れている。
 数年前まではそれを知らなかったけど、父様はいつも僕達家族のことを考えてくれていたんだろうな………


 そんなわけで、学園に行くのは入学式以来の8日ぶりとなる!
 入学早々に休みが続くって、問題だよな……………………



 しばらくして学園に到着し、教育に向かう。
 ─────勉強、付いていけなかったらどうしよう…………
 そんな事を考えながら、教室のドアを開ける。

「ラストル、お早う。随分休んでいたが、大丈夫か?」

「アル! お早う! もう大丈夫だ。心配かけて申し訳ない」

 教室に入ったらすぐにアルから声を掛けられて、声の方を見たが……………こんなに簡単に見つかっていいのか!?

 

 ───────アルの魔力は金色に輝いていた。



 おいおい……………………
 見つかるのは、良いことだが、なんだろうな……

 ─────学園から帰ったら父様に相談だな!


「ラストル? どうかしたか?」

「い、いや、何でもないよっ!」

 考え込んでいたら、アルの声が聞こえた。
 …………………考え込む癖、治さなきゃかな?


 周りにいた同じクラスの人たちも話しかけてきた。

 
「ラストル様、初めてご挨拶いたします。私は───
    「ラストル様、もうお体は平気なので───
        「ラストル様、今日も麗し─────

 うわぁーー! 同時に話さないでー!
 最後おかしいの聞こえたし!!

「皆様、ラストル様が困っていましてよ!」

 カミラ様! 流石公爵令嬢っ!

「ありがとうございます。カミラ様」

「当然のことをしたまでですわ。それに、ラストル様には謝りたいと思ってましたの…………」

 「謝りたい?」

 僕、何かされたっけ?
 そもそも入学式の日に一回話したことがあるだけなのに………?

「あの………入学式の日に初めてお会いした時お美しさに感動してしまって、ラストル様自身を見ずに容姿のことばかりを……………後で考えたらすごく失礼だったと思いましたわ。すいません………」

「お気になさらないでくださいっ!」

 公爵令嬢を謝らせちゃうのは問題ありだよっ!
 それにしても、ずっと気にしていたのか…………

 
 見た目と口調の先入観で怖い方だと思ってたけど、根は優しそうだ。
 ………………僕は男なのに「美しいさに感動」ってゆうのは変だと思うけどね?


「おはよ~! アル!ラストル!カミラ~!」

 …………………こいつは朝から元気だな、、、、


「「お早う、トーマス」」

 っていうか今───────

「お、お早うございましゅっ!」

  …………………噛んだ
 カミラ様、なにがあったの?


「やぁ、カミラ! 今日も綺麗だね~!」

「あ、ありがとうございます!」

 ……………………………えっ?
 この二人、僕が休んでた間に何があったの!?

 カミラ様、僕とアルと話すためにトーマスを押し退けてたよね??

 
 アルはずーーーっと笑ってる。
 僕がクラスメイトたちに話しかけられた時からずっと。…………助けてくれてもいいじゃん!

「ラストルは人気者だな!」

 何を呑気に………………………

「ん? あぁ、あいつらか。 どうしてああなったかは────────私にも分からない!」

 そうですか…………………………





 ──────「そろそろ、授業を始めるぞ」

 先生の声がしたので全員、席に座る。

 

 ……………………………ちゃんと授業についていけるか不安だったけど、簡単だな……

 よく考えたら、僕はたくさんの記憶があって、この世界よりも進んだ内容やってたりしたもんな~~

 あと、この先生〝レイラ様病〟だな………………

 早くなんとかしないと学習にも支障が出るぞ!?


 そんな事を考えながら1限目の授業を終えた訳だが、先生が教室から出たとたんにクラスメイトたちに囲まれた………………

 
「ラストル様はお勉強が得意なんですね!」

 一人の女子生徒が話しているが………誰ですか?

「ありがとうございます…… あの、、お名前をお聞きしても?」

「あっ! 失礼しました。ミスト男爵家のサリーと申します!」

 ミスト男爵家か………………あまり聞かない家だな。

よろしくお願いしますね」

「はい~!」

「ちょっと貴方、失礼でしてよ! 成り上がりの男爵令嬢風情が、伯爵家子息のラストル様に話し掛けるなんて!」
「そうよ! 身の程をわきまえなさい!」

「ご、ごめんなさい…………」

 えぇ~っと、どうゆう状況かな?
 僕に話し掛けたサリー嬢が男爵令嬢だから、皆お怒りな感じ?
 とりあえず、

「皆さん、ここは学園なのですから、身分など気にせずに楽しみましょう?」


「「「ラストル様、なんてお優しい」」」

 
 何かおかしいことになった?
 女の子たちの目がみんなハートになってる気がするんだけど……………


 ─────今日、後何時間で帰れるんだろう……………

 僕は、密かにため息をつきましたとさ……





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