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4章 学園〜対策〜

16 解決方法と支え

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 僕は父様とグレンに思い出したの数々を語った。
 僕とイル、そしてレイラ様が生を繰り返し、廻っていることを。

 最初、父様とグレンの顔には“?”が浮かんでいたが、過去に何度も、に嵌められて殺されたことがあると話すと険しい顔になった。

 …………………そうだよね………この世界でも、がもう始まっているんだから。




 ──────2時間程かけて、全てを話した。

 全てとはいっても、僕のは10回や20回じゃないから、重要な記憶だけだけど……

「そうか、、レイラ嬢が魔術を使えるのはお前の予想通り別世界の記憶を持っていたからなのだな………」

「はい………しかし、僕も記憶を取り戻したので、魔術を解く方法が分かりました」

「!!何っ、本当か?」
「真でございますかっ!?」

 ビ、ビックリした……二人がこんなに反応するなんて、、分かるけどね……!?

「本当です。出来るかは、分かりませんが〈聖〉の属性の魔術が使えれば、可能です」

「〈聖〉の属性………? そもそも、この世界の人間でも魔術は使えるのか?」

「たぶん使えます。父様、だからこそレイラ様は魔術を使って人を惑わすことができているのです。以前、父様がおっしゃっていた〝記録〟は使える人が存在したからこそ、残されたものかと」

 今の僕は〈火〉属性の魔術を使えると思う。
 後で、確認しなくちゃだけど………

「この世界でも魔術が使えることは分かったが、〈聖〉属性とは?」

「〈聖〉属性は前世のイルが持っていた〈空間〉属性と同じく珍しい属性です。〈聖〉属性の魔術は悪しきものを振り払い、傷付いた者を癒すことができます」

「そうか、、使える者が見つかるだろうか?」

「見つけます! 学園の生徒全員を見れば、一人はいると思います」

「?ラストル様、見ただけで分かるのですか?」

「あっはい、魔術を使える者ならば人を見ただけでどの属性が使えるか分かります。ただ、使えるかどうかはその人次第で、魔術を使える者は全体の25%程です。」

「そうですか………」

 そう、実は魔術を使える者は多くなく、全く使えない者の方が多い。
 僕も彼女も魔術を使える一部の人間だった。

 「前世のレイラ様は〈無〉という属性を持っていました。才能はない様子でしたが、先程お話した魔術研究所での研究で、使えるようになったのかと」

「その〈無〉属性とはどんな魔術があるんだ?」

「実は、詳しく判っていないのです。属性を持っている者はたくさんいる珍しい属性ではないのですが、使える者がほとんどいないために解明されていないのです………………………ただ、《〈無〉は使い手次第で変化する》という考えがありました」

「使い手次第か……………レイラ嬢が使っているのは、人の精神に影響を与えるものだろうか?」

「おそらく……………」

「そういえば、父様は〈風〉属性、グレンは〈水〉属性を持っているみたいですが、使えるかお試しになりますか?」

「そうなのか! 〈風〉か……………使えるか分からないが、試してはみたいな」

「〈水〉属性……使えれば、便利そうですな」

 ………………二人ともはしゃいでいるな。
 この世界には魔術がないもんね、、、、

「だがラストル、お前はしばらく寝ていろ」

「な、なぜですか? 父様!」

「もしやラストル様、お気づきでなかったのですか?    ラストル様は3日間も寝ていたのですよ?」

 えっ?
 3日!? そんなに寝てたのか?

 あ~ だから父様、僕が起きた時にあんなに心配してたのか………………

「そうだラストル、お前は自分がなぜ倒れたのか分かるか? カイルとオパール、レイラ嬢は『突然倒れた』と言っていたが……………あぁ、もちろん、レイラ嬢とは直接話していないから、使用人に聞いただけだが」

 そういえば、何で倒れたんだっけ?
 
 ──────学園から帰って来たらカイル兄様が呼んでいたと聞いたから兄様の部屋に行って…………

 そうしたら、レイラ様がいらっしゃって、疲れていると言って自分の部屋に戻ろうとしたんだ。

 その後は、………………………レイラ様が抱きついてきたのか。

 急に、冷めた気持ちになってしまった。
 
 顔にも出ていたのかな? 父様が、「ど、どうした?ラストル?」って慌ててる。
 …………珍しいな

「あの日、屋敷に帰ったらカイル兄様が呼んでいたと聞いて兄様の部屋に向かったのですが、レイラ様がいらっしゃって抱きつかれました。………拒絶反応といいますか…それで倒れ、前世を思い出しました。」

 無表情に言い切った。冷めた顔になった理由は察していただきたい!

「───レイラ嬢がそこまで常識のない令嬢だとは…………私もあの日、お前が倒れたと聞いたときその場にレイラ嬢もいたと聞いて驚いた。何も報告を受けていなかったからな」

「旦那様、とりあえずはラストル様を休ませて差し上げましょう。ラストル様も急に大量の記憶が頭に入ってきたのですから、色々と整理する時間が必要でしょう?」

 ……………うん、話している間もずっと、彼女を死なせてしまった無力感が押し寄せていた。

 いつも通りでいようと思っても、心のどこかに何度も経験した絶望がいた。

 それを認識したら、泣いてしまうと分かっていたから、見ない振りをして今を生きる彼女を守ろうと思っていたけど、、、、もう堪えられそうにない。

「う、う、う………………」

 僕は嗚咽をあげて泣いてしまった。

「何度も、大切な人を死なせてしまい辛かったな……………大丈夫だ。今世では、私も助けよう。過去のお前の分までイリス嬢を守って幸せにすればいい」

 父様は僕を抱き締めながら僕の頭を撫で、暖かい言葉をかけてくれる。
 グレンも父様の後ろで優しい笑顔を浮かべていた。

 その後も父様は、声を上げて泣き叫ぶ僕を優しく包み込み、僕が泣き疲れて眠るまでずっと頭を撫でてくれていた。





~~~~~~~~~~~

 お読みいただきありがとうございます
 ("⌒∇⌒")

 今、カイル視点の話を入れようかどうか
 悩み中です……………

 無い方がごちゃごちゃにならないけど、
 あった方がいいストーリーになると思うんです………

 何か、ご意見やアドバイスがありましたら
 お願いします!!

 
 
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