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三十一*

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今日の執事は…最推し…!やった

ということは…俺のフェロモンは落ち着いたという事だろう。……強力過ぎるのも困りようだ。



「ユグナさんお久しぶりです。以前はお見苦しい姿をお見せしてしまい申し訳ございませんでした」




いえ…そんな…嬉しかったですとは言えないのでこちらもならって誤った。



「いえ…こちらも近づこうとしてごめんない」



ちょっとうつむき加減の俺の前で最推しはひざまずく。





「…え?!……っとどうされたんですか?」



思わずどきっとしてしまう。




「凪様、今からデートに行きましょう。さあお手を」





ユグナは手をすっと俺の前に差し出す。




「エスコートいたします。ご主人様」



ええちょちょっちょっとえええ?!!!



発狂しそうになるのをなんとか堪えてユグナに手を伸ばそうとする。



…………ああ……駄目だ。

手が震えて言う事を聞かない。



「手が震えていますよ。……可愛い…。
そういうところ大好きです」



ユグナは俺の腕を自分の方にぐっと引き寄せた。





俺の頭がユグナの胸にあたる。





そのままぎゅと抱き寄せられる。




「私のものだけになればいいのに」
ユグナは俺の耳元でささやく。



心臓が爆音を立てている。



……もしや…今日は……命日だろうか。


「今日は私だけの凪様でいてくださいね」



……いつもの笑顔にさえも心臓が持ちそうにない。

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