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第五話
帰還
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《side:エルド・カレヴィ》
重たい身体を支えるように、柔らかな温もりがあった。
目を開けると、視界いっぱいにノーラの顔があった。優しく、泣きそうで、それでも笑おうとしている顔。
「……無事だったのか、ノーラ……」
「はい。あなたを助けに来ました」
声を聞いただけで、力が抜けていく。限界まで使い果たした魔力、焼けた身体の芯に残る痛み。だけど今、確かに命を繋ぎ止められたのだ。
ノーラが俺を迎えに来てくれた。
少しだけ休んで、そして、俺はノーラを抱き上げた。
「今度は俺が……帰す番だ」
「え?」
小さく驚く彼女の腕に力が入る。だが、俺は笑った。
「お前をこの手に抱きたいと願っていた」
魔力で跳躍すれば、ノーラは意識を失ってしまった。
焼け焦げた大地を一歩ずつ歩く。溶岩は冷え固まり、まだ熱を残す黒い岩の中を、慎重に抜けていく。
ようやく門が見えた頃、風が変わった。
街の匂いがした。煙の臭い、焼けた木と鉄の残り香。
そして、生きた人間の匂い。
ヨンクは、まだ息をしている。
門をくぐった瞬間だった。
ざわっ、と。街の奥から人の気配が押し寄せてきた。
「エルド様だ!」
「戻ってきたぞ!」
「ノーラ様も……!」
焦げ跡の残る広場に、何十人、何百人という民が集まっていた。
ボロボロになった服、怪我を包帯で巻いた腕、煤だらけの顔。それでも皆、目を見開いて、俺たちを見ていた。
そして、その誰もが、震える声で。
「……おかえりなさい……!」
その一言に、胸がつまった。
生きている。守った命が、ここにある。
「ただいま」
ティオが駆け寄ってきた。ガルド、アルヴィ、アカネ、そしてシロ。ミュリナ。バルトにカイが家族と身を寄せ合っている。
皆が生きている。
瓦礫の向こうに、崩壊した街が広がっている。
だが、俺はここに帰ってきた。
生きている。そして、まだ戦える。
「街はまた作り直せばいい。家も、塔も、何度だって建て直せる。だが、お前たちが生きていてくれて、本当によかった……」
声が震えそうになったが、誰もが喜びに打ち震えている。
俺は抱いたままのノーラのぬくもりが、再び立ち上がる力をくれることを理解した。
だから、俺はもう一度前を見た。
まだ瓦礫は多い。毒も冷気も、根を残しているかもしれない。
だが、俺たちは帰ってきた。守るべき街に。守るべき民に。
その意味を、噛みしめながら。
エルド・ガルヴィは、再び立ち上がる。
ノーラと共になら、何度でも。隣には、世界で一番誇らしい妻がいる。
この愛おしいまでに、強い彼女のためならば、世界を敵に回してもいい
「まずは、休もう」
「はい!」
俺たちは残された食糧や、建物を使って、戦いから休息へ意識を変える。
重たい身体を支えるように、柔らかな温もりがあった。
目を開けると、視界いっぱいにノーラの顔があった。優しく、泣きそうで、それでも笑おうとしている顔。
「……無事だったのか、ノーラ……」
「はい。あなたを助けに来ました」
声を聞いただけで、力が抜けていく。限界まで使い果たした魔力、焼けた身体の芯に残る痛み。だけど今、確かに命を繋ぎ止められたのだ。
ノーラが俺を迎えに来てくれた。
少しだけ休んで、そして、俺はノーラを抱き上げた。
「今度は俺が……帰す番だ」
「え?」
小さく驚く彼女の腕に力が入る。だが、俺は笑った。
「お前をこの手に抱きたいと願っていた」
魔力で跳躍すれば、ノーラは意識を失ってしまった。
焼け焦げた大地を一歩ずつ歩く。溶岩は冷え固まり、まだ熱を残す黒い岩の中を、慎重に抜けていく。
ようやく門が見えた頃、風が変わった。
街の匂いがした。煙の臭い、焼けた木と鉄の残り香。
そして、生きた人間の匂い。
ヨンクは、まだ息をしている。
門をくぐった瞬間だった。
ざわっ、と。街の奥から人の気配が押し寄せてきた。
「エルド様だ!」
「戻ってきたぞ!」
「ノーラ様も……!」
焦げ跡の残る広場に、何十人、何百人という民が集まっていた。
ボロボロになった服、怪我を包帯で巻いた腕、煤だらけの顔。それでも皆、目を見開いて、俺たちを見ていた。
そして、その誰もが、震える声で。
「……おかえりなさい……!」
その一言に、胸がつまった。
生きている。守った命が、ここにある。
「ただいま」
ティオが駆け寄ってきた。ガルド、アルヴィ、アカネ、そしてシロ。ミュリナ。バルトにカイが家族と身を寄せ合っている。
皆が生きている。
瓦礫の向こうに、崩壊した街が広がっている。
だが、俺はここに帰ってきた。
生きている。そして、まだ戦える。
「街はまた作り直せばいい。家も、塔も、何度だって建て直せる。だが、お前たちが生きていてくれて、本当によかった……」
声が震えそうになったが、誰もが喜びに打ち震えている。
俺は抱いたままのノーラのぬくもりが、再び立ち上がる力をくれることを理解した。
だから、俺はもう一度前を見た。
まだ瓦礫は多い。毒も冷気も、根を残しているかもしれない。
だが、俺たちは帰ってきた。守るべき街に。守るべき民に。
その意味を、噛みしめながら。
エルド・ガルヴィは、再び立ち上がる。
ノーラと共になら、何度でも。隣には、世界で一番誇らしい妻がいる。
この愛おしいまでに、強い彼女のためならば、世界を敵に回してもいい
「まずは、休もう」
「はい!」
俺たちは残された食糧や、建物を使って、戦いから休息へ意識を変える。
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