13 / 20
戦いは新たなるステージへ……
しおりを挟む「……で、なんでみんな動物病院に来てたの?」
「え、まあこれは優ちゃん……いやーははは」
あやふやに言葉を濁す友人の男に代わってシンイチが答える。
「こいつがさあ、女の子を探しに行こうってんで、その道すがら立ち寄ったのさ」
「女の子?」
「ああ、ははは……俺も彼女が欲しいなーって、ははは……思っちゃってさ!」
「ふーん、いい子は見つかったの?」
はるちゃんの頭をなでなでしながら問いかける優ちゃん。
「それがさ……いたのはあのナースゾンビだから、話が通じなくて。はは、まあ……後は優ちゃんも知っての通り」
「そっかあ、残念だったね」
肩をすくめるシンイチの隣で、優ちゃんは少し悲しそうな顔ではるちゃんの背中を撫でている。
「かわいい子もいなかったしな」
「そうなの?」
「ああ、犬猫の方がよっぽどかわいかったよ」
「そうだ……なあ聞いてくれよシンイチ!どさくさに紛れてナースのおっぱいを触ったんだけどさあ、すげえ変な感触だったんだよ。なんか溶けかかったロウソクみたいでさ……あれは間違いなくゾンビだよなあ」
「落ち着け。優ちゃんのおっぱいはちゃんとぷるぷるしてたぞ」
「シンイチ」
「ごめんなさい」
「くそくそくそくそくそくそくそ」
「落ち着けって……」
シンイチが友人の男をなだめる一方で、優ちゃんははるちゃんを撫でながらにこりと微笑む。
「女の子を探すならいい場所知ってるよー」
「「本当か優ちゃん!」」
シンイチと友人の男は思わず声を揃える。
「うん!」
「優ちゃん、教えてくれ!」
「俺たちはどこを目指せばいいんだ!」
「えっとねー女子校!」
女子校……優ちゃんの言葉を聞いた途端、シンイチたちの顔つきが変わる!これは新たな戦いの始まりに違いない!
戦いの予感に血沸き肉踊らせ息を荒げる二人を尻目に、優ちゃんの指さす方に向かって走り出すスーパーゴールデンハルクことはるちゃん。
そのふかふかの毛にしがみつきつつ、シンイチたちは女子校へと急ぐ。
「もがあー」
はるちゃんの走りはまさに疾風迅雷だった。時速200キロを優に超える速度で走るその姿はまさに黄金のミサイルだ。単なる雑魚ゾンビなど蹴散らされるか、怯えて逃げ惑うかの二つに一つでしかない!
「もん、もん、がぁあぁーーーっ!!」
「おわあーっ!速すぎだあ!死ぬぅぅううっ!」
シンイチたちの絶叫が響き渡るが、もはや誰にも止められない。
ごうごうと風を切り裂きながら突き進むスーパーゴールデンハルクは、まるで異世界からの侵略者のように荒れ果てた道路を爆走するのだった。
「はるちゃんすごいねー」
「で、女子校ってどこにあるんだ優ちゃん!?」
「このまま真っ直ぐ。もうじきつくはずだよ」
衝撃の実話を基に予期せぬ恐怖に襲われるサバイバル・ヒューマンドラマが今始まる!
そしてとある街角にて……優ちゃんの指さす先には女子校があった。
「よーし、ここだね」
「もがあー!」
はるちゃんは校門の前でスピードを落とすとのっしのっしと歩き出す。おそらく女子校生ゾンビたちを踏み潰さないように、というはるちゃんなりの配慮だろう。何という優しい気配りだろうか。
「もんがー」
そんな優しいはるちゃんに女子校生ゾンビたち……いや、女子校生ゾンビの皆さんは大喜びで飛びつくと、キャッキャウフフとすぐさま自撮りを始め……などということもなく。
かといって刺す股を持ったガードマンゾンビやら守衛ゾンビが飛び出してくるわけでもなく、校内は不気味なまでに静まり返っていた。
はるちゃんはシンイチたちを背中に乗せたまま、敷地内にずかずかと乗り込んでいく。
すると……いた!ミニスカゾンビが!
「うわぁああ!シシシ、シンイチ、もうだめだ!早く降りよう!あそこにミニスカがいるぞ!希望はまだあるぞ!それ行け!」
「落ち着け。まだその時じゃない」
「シンイチ!俺は女の子に抱きつきたいんだ!!」
「落ち着け。優ちゃんが怖がるだろ」
「んふふっ、大丈夫だよー」
ミニスカゾンビの姿に我を忘れて歓声を上げる友人の男。だがミニスカゾンビはシンイチたちのことなど目もくれず、ぼんやりと空を見つめているだけだった。
「んが、もが」
はるちゃんはそのままミニスカゾンビの横を通り過ぎると、ずんずん奥へと進んでいく。どこへ行くのかとシンイチたちが疑問に思っていると、はるちゃんは校舎近くの木陰でしゃがみ込んでしまった。
「んがぁ……」
「はるちゃんは、ここで寝るってさ」
「そっか、ずいぶん走らせちゃったもんな」
どうやらここで一休みしたかったらしい。
なんと肝の据わった奴なのだろうか。
はるちゃんの背中から降りるとシンイチは大きく伸びをする。
「シンイチ!行こうぜ!俺は女の子のおっぱいをもみしだきたいんだ!」
「落ち着け。わかってるよ……ついでにはるちゃんのご褒美でもないか探してみるか」
「シンイチ!あっちにミニスカがいっぱいいるぞ!」
「ん?」
友人の男はすっかり骨抜きにされて、もはやおさわりゾンビと化してしまったのかもしれない。
だがそれも無理はない。
何しろミニスカゾンビの集団が敷地内を徘徊し始めたのだから!
果たして理想の女ゾンビはいるのか!刮目して見よ!
0
あなたにおすすめの小説
『専属メイド全員が重すぎる愛で迫ってくる!~大学生の僕、10人の美女に24時間甘やかされ尽くす生活~』
まさき
青春
僕は、ちょっと普通じゃない日常を送ることになった――それは、専属メイドが全員僕のことを溺愛してくれる暮らしだ。
朝は髪を整えてくれるリナ、朝食で笑顔を見せてくれるミユ、どの瞬間も全力で僕を甘やかす。掃除、料理、悩み相談まで、僕のためだけに動くメイドたち。
「ご主人様の笑顔が見たいんです」
その一言で、僕の毎日はちょっとドキドキ、ちょっと幸せ。
全員が僕を独占したいと競い合う日常の中、僕はどうやってこの溺愛地獄(?)を生き抜けばいいのか――!?
甘々、至れり尽くせりの日常ラブコメ、開幕。
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。
クラスメイトの美少女と無人島に流された件
桜井正宗@オートスキル第1巻発売中
青春
修学旅行で離島へ向かう最中――悪天候に見舞われ、台風が直撃。船が沈没した。
高校二年の早坂 啓(はやさか てつ)は、気づくと砂浜で寝ていた。周囲を見渡すとクラスメイトで美少女の天音 愛(あまね まな)が隣に倒れていた。
どうやら、漂流して流されていたようだった。
帰ろうにも島は『無人島』。
しばらくは島で生きていくしかなくなった。天音と共に無人島サバイバルをしていくのだが……クラスの女子が次々に見つかり、やがてハーレムに。
男一人と女子十五人で……取り合いに発展!?
【完結】幼馴染にフラれて異世界ハーレム風呂で優しく癒されてますが、好感度アップに未練タラタラなのが役立ってるとは気付かず、世界を救いました。
三矢さくら
ファンタジー
【本編完結】⭐︎気分どん底スタート、あとはアガるだけの異世界純情ハーレム&バトルファンタジー⭐︎
長年思い続けた幼馴染にフラれたショックで目の前が全部真っ白になったと思ったら、これ異世界召喚ですか!?
しかも、フラれたばかりのダダ凹みなのに、まさかのハーレム展開。まったくそんな気分じゃないのに、それが『シキタリ』と言われては断りにくい。毎日混浴ですか。そうですか。赤面しますよ。
ただ、召喚されたお城は、落城寸前の風前の灯火。伝説の『マレビト』として召喚された俺、百海勇吾(18)は、城主代行を任されて、城に襲い掛かる謎のバケモノたちに立ち向かうことに。
といっても、発現するらしいチートは使えないし、お城に唯一いた呪術師の第4王女様は召喚の呪術の影響で、眠りっ放し。
とにかく、俺を取り囲んでる女子たちと、お城の皆さんの気持ちをまとめて闘うしかない!
フラれたばかりで、そんな気分じゃないんだけどなぁ!
至れり尽くせり!僕専用メイドの全員が溺愛してくる件
こうたろ
青春
普通の大学生・佐藤健太は目覚めると、自宅が豪華な洋館に変わり10人の美人メイドたちに「お目覚めですか、ご主人様?」と一斉に迎えられる。いつの間にか彼らの“専属主人”になっていた健太は戸惑う間もなく、朝から晩までメイドたちの超至れり尽くせりな奉仕を受け始める。
百合ランジェリーカフェにようこそ!
楠富 つかさ
青春
主人公、下条藍はバイトを探すちょっと胸が大きい普通の女子大生。ある日、同じサークルの先輩からバイト先を紹介してもらうのだが、そこは男子禁制のカフェ併設ランジェリーショップで!?
ちょっとハレンチなお仕事カフェライフ、始まります!!
※この物語はフィクションであり実在の人物・団体・法律とは一切関係ありません。
表紙画像はAIイラストです。下着が生成できないのでビキニで代用しています。
ボクが追放されたら飢餓に陥るけど良いですか?
音爽(ネソウ)
ファンタジー
美味しい果実より食えない石ころが欲しいなんて、人間て変わってますね。
役に立たないから出ていけ?
わかりました、緑の加護はゴッソリ持っていきます!
さようなら!
5月4日、ファンタジー1位!HOTランキング1位獲得!!ありがとうございました!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる