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3話 好きな本
しおりを挟む保健室から氷を貰ってきた琉生は急いで瞬のもとへ向かう。図書室に戻り、瞬の赤くなった腕に氷を当てた。
「大丈夫か?」
「うん、ありがとう。だいぶ良くなったよ」
「そうか、良かった。」
瞬の腕の痛みも引いたようなので、当てていた氷を離した。
「いつもここで本読んでるのか?それ、なんて本?」
瞬のそばに置かれた本を指さす。すると瞬はとびきりの笑顔で答えた。
「これ?如月桃李さんの本だよ!小学生の頃からずっと大好きなんだ!」
「へぇ~。俺本あんま読まないからわかんないわ。でも、さっきの奴らは許せないな。本なんかって。お前の趣味馬鹿にしてたみたいでさ。」
先程瞬に絡んでいた男子三人を思い出す。
「あの人たち、いつも僕に声をかけてきてて。本を読んでいるのを馬鹿にされたりしても言い返せなかったんだ。でも琉生くんが助けてくれたおかげで本読んでてもいいんだって思った。ありがとう。」
「当たり前だろ?自分の好きなもん他人にどうこう言われる筋合いはない!じゃ、俺もう帰らないと行けないから。またな!」
「う、うん。ねえ、またここきてくれる?僕放課後いつもここいるから。」
「放課後な!了解!また明日な!」
琉生が去った後、瞬は少しドキドキしていた。
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