1 / 7
1話 出会い
しおりを挟む「鶴見、今日から補習だ。成績が危ういぞ。」
今日の昼休み、先生からそう言われた。正直めんどくさい。琉生は机に突っ伏したまま気だるげに返事をした。
「はいはい、わかりました~」
「お前ほんとに危ないぞ。わかっているのか?」
「はーい」
放課後、補習を受けるため教室を移動する。先生には散々怒られるわ友人には馬鹿にされ、笑われるわで最悪な気分だった。
「あ~。めんどくせぇ。」
早く終わらせて帰ろう。そう思い教室の席に着いた。
約五十分の授業を終え、教室を出る。放課後のため人は全くと言っていいほどいなかった。ここは旧校舎で普段なかなか来ることはない。琉生は目の前にある図書室が気になり、そこへ向かうことにした。
扉を開け、図書室に入ると一人、本を読んでいる人物がいた。彼は艶々の黒髪に華奢な身体。可愛らしい顔立ちをしていた。琉生は思わず彼を見つめた。
「本の貸出でしたらどうぞ。」
琉生に気づいた彼は本を読む手を止め、笑顔で声をかけた。しかし琉生は急に声をかけられ驚いてしまう。
「だ、大丈夫だ!失礼しました!」
駆け足で図書室から去っていった。
その日の帰り。
「図書室のあの子可愛かったな。誰だろ。明日また行くか。」
そう言い帰路に着いた。
応援ありがとうございます!
0
お気に入りに追加
1
1 / 3
この作品を読んでいる人はこんな作品も読んでいます!
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる