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雌伏編
第93部分 洋館事件③
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俺の召喚盤は封じられ、アイラは魔力を奪われた。
状況は最悪だ。
「さぁ、ハヤテ、一緒になろう」
ローランが前に進む。
「待ってください。最初は私でしょ?」
香がローランを止めた。
「何言っているんだ。私に決まってる」とリザが言う。
「ローラン、新参なのに私より先にしようとしないでくれますか?」
香がローランに言い放つ。
「何を言っているんだ。ずっと一緒にいて、ハヤテが手を出さないということはまだ子供だと思われているんだ。最初は大人に任せればいい」
「大人って……発育は私以下なのにですか?」
香は胸を張った。
それは重力を無視して上を向く。
ローランは頬をピクリとさせるた。
「そういうところしか自慢できないから、子供だと言っているんだ。大人はもっと……」
「あら、ローラン」とリスネさんも話しに加わる。
「あなたが大人の魅力を語るなんておかしいわ。どうせ男の経験なんてないでしょ?」
「なんだと、私だって男の一人や二人ぐらい……」
「いいえ、いないわ。だって、あなた、士官学校の時と雰囲気が変わらないもの。何かあれば、雰囲気が変わるものよ。それにパーティ内で男女の関係になると大変よ。ドロドロして、結局、解散した例をいくつも知っているわ。ここはパーティ外の私がハヤテさんの相手をするべきよ」
いや、俺、相手をして欲しいなんて頼んでないよ!?
「部外者は引っ込んでろ!」とリザが声を張った。
弓を構えている。
お、おい……
「リスネ、勝手なことをするなら、許さないぞ」
リザは敵意を剥き出しにする。
「あら、私、戦うと結構強いわよ?」とリスネは笑った。
「じゃあ、勝った人がハヤテの所有権を得るということで良いですか?」
香さん、俺は景品じゃないよ!?
「まぁ、それでいいだろ」
あぁぁ、いつもは真面なローランまで……
でもこれは…………
四人の意識が俺から外れた。
アイラが目で「逃げろ」と伝えてくる。
俺はコクリ、と頷いた。
しかし、どこから?
するとシャルが俺の腕を掴んだ。
「シャル、食堂に魔法陣があるから飛ぶんじゃ!」
アイラは大声で言った。
もちろん、四人は気が付く。
「しまった。捕まえろ!」とリザが叫ぶが、その前にシャルが魔法を発動させる。
「逃がしました。食堂に急ぎましょう!」
香が出て行く。
その後をみんなが追っていく。
「アイラお婆ちゃんも一緒に行きましょうね」
リスネさんがアイラを担ぎ上げた。
「何をすんじゃ! 放せ!」
「ふふふ、口は動いても体は動きませんよね」
アイラはリスネさんに連れて行かれてしまった。
「……行ったみたいだね」
「……はい」
全員がいなくなるとシャルは『潜伏』の魔法を解いた。
俺たちは食堂に飛んでいなかった。
そもそも、そんな転送魔法は組まれていない。
アイラとシャルの機転で俺たちが消えたように見せたのだ。
「それにしてもアイラまで連れて行かれるなんて…………」
シャルは不安そうな声で言う。
それはそうだ。
ローランは完堕して、アイラは連れ攫われた。
加えて、俺は頼みの召喚盤が使えない。
そういえば、ナターシャたちはどうしているのだろうか?
リザたちに比べれば、脅威は少ないが、女の子に手を上げるような展開は避けたい。
「とりあえず、この部屋から逃げよう。もしかしたら、みんなが戻ってくるかもしれない」
「そうですね」
俺はゆっくりドアを開けて、廊下の様子を見た。
誰もいない。
「シャル、こっち……」
俺は小声でシャルを向かいの部屋に案内した。
ここは魔具倉庫だ。
本当はもっと見つかりにくい場所を探したい。
しかし、屋敷をウロウロしている間に見つかっては元も子もない。
俺たちは魔具倉庫の奥に身を潜める。
床に耳を当てると下で物音がする。
どうやら、俺たちが食堂か厨房のどこかに隠れていると思って、探し回っているようだ。
これなら当分の時間は稼げそうだ。
俺は少しだけ気を緩めた。
状況は最悪だ。
「さぁ、ハヤテ、一緒になろう」
ローランが前に進む。
「待ってください。最初は私でしょ?」
香がローランを止めた。
「何言っているんだ。私に決まってる」とリザが言う。
「ローラン、新参なのに私より先にしようとしないでくれますか?」
香がローランに言い放つ。
「何を言っているんだ。ずっと一緒にいて、ハヤテが手を出さないということはまだ子供だと思われているんだ。最初は大人に任せればいい」
「大人って……発育は私以下なのにですか?」
香は胸を張った。
それは重力を無視して上を向く。
ローランは頬をピクリとさせるた。
「そういうところしか自慢できないから、子供だと言っているんだ。大人はもっと……」
「あら、ローラン」とリスネさんも話しに加わる。
「あなたが大人の魅力を語るなんておかしいわ。どうせ男の経験なんてないでしょ?」
「なんだと、私だって男の一人や二人ぐらい……」
「いいえ、いないわ。だって、あなた、士官学校の時と雰囲気が変わらないもの。何かあれば、雰囲気が変わるものよ。それにパーティ内で男女の関係になると大変よ。ドロドロして、結局、解散した例をいくつも知っているわ。ここはパーティ外の私がハヤテさんの相手をするべきよ」
いや、俺、相手をして欲しいなんて頼んでないよ!?
「部外者は引っ込んでろ!」とリザが声を張った。
弓を構えている。
お、おい……
「リスネ、勝手なことをするなら、許さないぞ」
リザは敵意を剥き出しにする。
「あら、私、戦うと結構強いわよ?」とリスネは笑った。
「じゃあ、勝った人がハヤテの所有権を得るということで良いですか?」
香さん、俺は景品じゃないよ!?
「まぁ、それでいいだろ」
あぁぁ、いつもは真面なローランまで……
でもこれは…………
四人の意識が俺から外れた。
アイラが目で「逃げろ」と伝えてくる。
俺はコクリ、と頷いた。
しかし、どこから?
するとシャルが俺の腕を掴んだ。
「シャル、食堂に魔法陣があるから飛ぶんじゃ!」
アイラは大声で言った。
もちろん、四人は気が付く。
「しまった。捕まえろ!」とリザが叫ぶが、その前にシャルが魔法を発動させる。
「逃がしました。食堂に急ぎましょう!」
香が出て行く。
その後をみんなが追っていく。
「アイラお婆ちゃんも一緒に行きましょうね」
リスネさんがアイラを担ぎ上げた。
「何をすんじゃ! 放せ!」
「ふふふ、口は動いても体は動きませんよね」
アイラはリスネさんに連れて行かれてしまった。
「……行ったみたいだね」
「……はい」
全員がいなくなるとシャルは『潜伏』の魔法を解いた。
俺たちは食堂に飛んでいなかった。
そもそも、そんな転送魔法は組まれていない。
アイラとシャルの機転で俺たちが消えたように見せたのだ。
「それにしてもアイラまで連れて行かれるなんて…………」
シャルは不安そうな声で言う。
それはそうだ。
ローランは完堕して、アイラは連れ攫われた。
加えて、俺は頼みの召喚盤が使えない。
そういえば、ナターシャたちはどうしているのだろうか?
リザたちに比べれば、脅威は少ないが、女の子に手を上げるような展開は避けたい。
「とりあえず、この部屋から逃げよう。もしかしたら、みんなが戻ってくるかもしれない」
「そうですね」
俺はゆっくりドアを開けて、廊下の様子を見た。
誰もいない。
「シャル、こっち……」
俺は小声でシャルを向かいの部屋に案内した。
ここは魔具倉庫だ。
本当はもっと見つかりにくい場所を探したい。
しかし、屋敷をウロウロしている間に見つかっては元も子もない。
俺たちは魔具倉庫の奥に身を潜める。
床に耳を当てると下で物音がする。
どうやら、俺たちが食堂か厨房のどこかに隠れていると思って、探し回っているようだ。
これなら当分の時間は稼げそうだ。
俺は少しだけ気を緩めた。
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