奴隷キツネ姫の調教物語

しまなつお

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奴隷になっちゃったキツネ姫

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1章 奴隷になっちゃったキツネ姫

「ぐっ・・・」

 破瓜の痛みが、下肢を貫く。
 今まで感じたことのない痛みだった。
 
 腹部に強い圧迫感を与えられ、息をするのも必死である。
 両足をピンと伸ばしていているからか、強烈な痛みが足先まで瞬時に満ちていく。

(どう・・・して・・・)

 アネは、痛みに対して疑問を感じたのではない。
 この状況を、今更不思議に感じるわけはない。
 約1ヶ月前から覚悟をしていたことだ。むしろ、1ヶ月も時間がかかったことが驚きである。

「はっ・・・ん」

 アネは、前にいる男の身体に縋りつく。男の肌は意外にもあたたかい。
 痛みを緩和させることはできなくても、とにかく何かに縋りたかった。
 それが、大嫌いな自分のご主人様であっても―――。

「深呼吸をすると良い」

 男は上から声をかけてきた。決して口調は優しくはない。
 いつものように無機質な、低い声音だ。
 それなのに、自分の秘処は彼を締め上げた。
 不覚にも、彼の無機質な言葉を”優しい”と感じてしまったのだ。

「んぁっ・・・!」

 アネは小さく身体を震わす。
 彼のイチモツを締め上げたことで、秘処に甘い刺激を感じてしまったのだ。

(下手くそが・・・っ!わらわを、誰だと心得ているのじゃ・・・っ!)

 出かかった言葉を、アネは呑み込んだ。
 もしも1ヶ月前に抱かれていたならば、間違いなく自分が吐き捨てたであろうセリフだ。
 例え感じていても、家格もない男にされていることなど、気持ち良いなどと認めたくはない。
 しかし今となっては、アネには言えない。
 言えるはずがない。
 何故なら、自分は彼の奴隷なのだから。

「もっ・・・動い・・・て・・・」

 アネは男のイチモツを加えこみながら、懇願する。
 本来の自分であれば、絶対に言わない。
 家柄もなければ、男としての力も期待ができない、マニュアルばかりに頼る、陰気な男。
 自分の処女を散らすには、あまりにも勿体なすぎる男。

(わらわは・・・本当に、どうかしてしまっている・・・・・・)

 ふさわしくないと思いながらも、早く、もっとしてと願ってしまっている。
 自身を貫く刺激を、もっと与えて欲しい。

△△△


「わらわを誰だと心得ているのじゃっ!離せっ!」


 奴隷のオークションで、大声でどなり声をあげる。
 首輪の鎖を引っ張られそうになったので、アネは鎖を持った男の胸を思い切り蹴とばした。靴を履くことも許されてはいなかったが、力いっぱい蹴とばしたのが良かったのだろう。男はよろけ、大仰な音を出して転んだ。

「こ、この獣人が・・・っ!」
「無礼極まりない人族がっ!」

 悔しそうな男の声に被せるように、アネは怒鳴った。
 唾を飛ばすほどに、小屋の外まで聞こえるように。
 奴隷オークションが終わり、小屋に連れてこられたのはーー1人の獣人だった。

「汚らわしい手で触るでないっ!」

 大きな怒鳴り声をあげるのは、黄金の髪の少女である。
 豊かな黄金の髪にはウェーブがかかったような癖があり、毛先だけが赤色に染められている。
 彼女は、まるで咲き誇る花のように派手な顔つきをしていた。目がきゅっとつり上がっていて気が強そうな印象もあるが、逆にそれが彼女の魅力に見えた。
 豪奢な宝石や、派手なドレスなどを着れば美しい貴族の女性にも見えるだろう。
 だが、今の彼女が着ているのは、単なる布きれである。胸と尻がかろうじて隠せてはいるが、肩や太ももが露わになっている。

「お前は奴隷だ!買われたんだ!」

 少女、アネに蹴られた男が怒鳴り返す。少女は憮然とし、男を睨みつける。
 ――このグリー皇国には、奴隷制度が存在する。
 大陸の3分の2を占める大国であるグリー皇国は、周囲の獣人の国や村を自国化することで、獣人達を奴隷にしているのだ。
 暴れまわるアネも、獣人である。
 頭には大きなキツネ耳、臀部には大きなキツネの尻尾が生えている。

「卑怯なグリー人が・・・っ!」

 アネは毛を逆立て、怨みがこもった瞳で男を睨む。
 男はアネの気迫に圧され、バツが悪そうな顔をした。

(いきなり攻め込んできて、男を殺し、女子供を捕えた卑怯者どもが・・・っ!)

 アネは、グリー皇国から東にある島国で暮らしていた。
 軍が現れ、故郷を血に染められたのだ。
 女は捕えられて船に詰め込まれ、突然オークションにかけられてお前は奴隷だと言われても、納得ができるはずがない。

「わらわはキヤイ族の族長イタクノアの娘、アネじゃ!人族が触れて良い女ではない!」
 大きな声で、怒鳴る。毛は逆立ち、奴隷商人の男は困惑する。

 高慢なアネの気迫に圧されているのだろう。

「騒々しいな」

 小屋にかけられていた垂れ幕を退かし、2人の男が小屋の中に入ってきた。

(人族の男・・・)

 アネは静かに後ずさる。小屋の壁に背をつけ、2人の男を黄金の瞳で睨みつける。
 1人の男は黒髪で、細い男だ。もう1人は身長が低く、細い男に付き従っている下人というところか。

「これはこれは・・・坊ちゃんもお越しになられたのですか!」
「坊ちゃんは止めろ。もう坊ちゃんという年ではない」
「あ・・・スピロス様」

 奴隷商人は、細い男のことをスピロスと言った。奴隷承認はへこへこと頭を下げている。奴隷商人にとって、彼は客なのだろうか。

(ひ弱そうな男じゃ・・・)

 人族としても少し細い方ではあるが、アネからスピロスは”健康的ではない男”に見えた。獣人の男は腕力があり、身体を鍛えていることが美徳とされている。種族を守れるだけの力が求められるからだ。
 一方で、スピロスは身体は細く、顔色が青白い。身体を鍛えることなど今まで一切してはこなかったのだろう。
 彼の目は翡翠の瞳をしてはいるが、左目だけに単一レンズをかけている。
 左目だけ、視力が悪いのだろうか。

「これは・・・犬か?」

 ぎろりとスピロスは、アネを見据えた。
 冷たい瞳である。アネも彼を見据えると、彼の左目だけ、色素が薄いように見えた。もしかしたら彼の左目は見えていないのかもしれない。
 彼は左にたずさえた分厚い本をぱらぱらと開き、指で文字を追う。

「ど、奴隷のマニュアルですか。相変わらずスピロス様は勉強熱心ですね」
「初めて奴隷を買うんだ。マニュアルを読むのは当然だろう。馬鹿者が」

 ふんっとスピロスは鼻を鳴らす。

(奴隷の・・・本などあるのかや?)

 アネにはわからない。

「キツネですよ、スピロス様」

 スピロスの隣にいる下人が言うと、スピロスは眉を吊り上げる。

「キツネ?初心者には、犬や猫の獣人が良いと書いてあるが?懐きやすいんだろう?」

 スピロスはマニュアルを下人に見せるように掲げ、指でページを叩く。

 ここに書いてある、と言いたげに。

「旦那様から、見目が良い獣人を選ぶようにと仰せつかりました。クロロス商会の跡取りに相応しい、豪華な獣人をと」
「・・・父上の意向か」

(しょうかい?)

 島国で育ったアネには、わからない単語だった。しかし跡取りというと、彼が地位ある人間の息子だということくらいはわかる。

(わらわを買ったのは・・・この男かや?)

 奴隷になったつもりはないが、彼等の話からすると、そう推測することができる。

「スピロス様、この獣人はとても良いですよ!・・・やはりキツネの獣人らしく、少々気性が激しいのは難点ですが・・・」

 先ほどアネに蹴られたばかりの奴隷商人は、ちらりとアネを睨む。アネは毛を逆立て、睨み返す。

「奴隷商なのだから、自分の商品を悪くは言うはずがないだろう」

 ぱらぱらとスピロスはマニュアルのページをめくる。

「俺が確かめる。口を開けて、舌を出せ」
「はぁ?何故わらわがそのようなことをせぬといけないのじゃっ!」

 アネは般若のように顔を歪め、スピロスに対して怒鳴る。彼は冷たい目をアネに向けた。
 そして突然、頬を力強く掴まれた。

「はっ」

(な・・・·)

 痛いぐらい頬を掴まれ、強引に口を開けさせられる。屈辱と怒りに、アネは顔を赤らめる。

「な・・・なにを」
「歯は全部揃っているようだな。虫歯も・・・ないな?舌が赤く、虫歯がない奴隷が良いとマニュアルには書いてある」
「・・・っ!わらわは、奴隷などではない!」

 頬を捕まれた手を、アネは振り払うと共に強く叩いた。ばちんっという痛そうな音が響く。
 あ!と、奴隷商人と下人が口を開ける。

「スピロス様!すみません!」
「スピロス様!大丈夫ですか?」

 奴隷商人と下人の男が、心配するようにスピロスの顔を覗き込む。
 スピロスは無言で、冷たい顔でアネを見据えている。強く叩かれた手を、軽く擦る。

「わらわは誇り高いキヤイ族の娘じゃっ!そのわらわに触ろうとするでないっ!人族風情が!」

 アネは、また大きな声で怒鳴る。
 奴隷商人の顔が曇り、ぎりりと歯ぎしりをした。

「この奴隷は・・・少し制裁を加えないとダメですね」

 奴隷商人は、小屋の中に置いてあったムチを手に取る。何をされるか瞬時にわかり、アネはゾッとした。

「お、女に手をあげようというのかっ!?」
「お前は奴隷だ!わからせてやるっ」

 アネは、族長の娘だ。
 今まで父や母に叩かれたこともないし、蝶よ花よと大事にされて育てられてきた。
 鞭打ちなどという奴隷のような扱いをされる屈辱に顔を赤くするが、それ以上に鞭打ちの恐怖に身が竦んだ。

(わらわが、何をしたというのかや・・・っ!?)

 いきなり頬を掴むなど無礼だ。手を払いのけて怒るのは当然のことだ。なのに、自分はこれからそんな扱いをされて受け入れなければならないのか?

「このキツネ女がっ!」

 奴隷商人が高々とムチを振り上げる。
 びくりと身を縮ませる。

「やめろ、叩くな」

 スピロスが、ムチを掴んでいた。ぎろりと奴隷商人を睨む。

「この奴隷は俺の所有物だ。勝手に傷つけるな」
「で、ですがスピロス様、主人に対して反抗する奴隷ではいけません。躾をしなくては」
「いい。やめろ」

 渋々と奴隷商人はムチを下ろす。購入者であるスピロスに逆らえないらしい。

(た、助けられたのかや・・・?)

 アネはホッと胸をなでおろす。
 奴隷扱いされるのはしゃくだが、痛いのも嫌だ。何故スピロスが自分をかばったのかはわからないが、彼のおかげでむち打ちにならなかったのは確かだ。

「それじゃ、次だ。服を脱がせろ」

 わかりました、と奴隷商人は答える。自分の、ズタボロの布に手をかけられーーー。

「は・・・·はぁぁ!?な、何故じゃっ!?」

 アネは勿論男の手を振り払う。自身に着せられた布切れを必死に抑え、脱がされまいとするしかない。

「傷の有無、性器の確認のためだ。マニュアルにも、奴隷を買う時は確認を怠らないように書いてある」
「せ、せ、せ・・・いき、じゃと・・・!?」

 口にするのもはばかられる言葉を、アネは赤面しながら繰り返す。
 スピロスは本と自分を交互に見る。ちらりと見えたページには、裸の獣人のイラストが描かれている。

(人族というよりも、男の前で・・・っ!?)

 アネは誇り高きキヤイ族の族長の娘である。父は、いつか高貴な自分にふさわしい獣人の男を探し出すと言っていた。父の言葉を信じ、アネは同じ一族の男達に自分から媚びることもしなかった。
 男と手と繋いだことのないような、処女である。それが男の前で脱ぐなど、できるはすがない。

「さっさとしろっ!」
「なっ・・・よすのじゃっ!!」

 硬直していると、奴隷商人が服をひったくろうとしてくる。胸を隠していたボロ布が、はぎとられる。

「い、いやじゃ・・・っ!」

(わらわの胸が見られてしまうっ!)

 赤面し、抵抗するがーー男の力に敵うわけがないのだ。
 獣人と言えども、アネには腕力がない。今まで甘やかされて育ってきて、力仕事など一切したことがないのだ。

「ん~~っ!?」

 服を剥ぎ取られ、アネは羞恥に顔を歪める。
 服からぽろりと出てきたのは、手に十分収まるくらいの美しい胸だった。決して大きすぎず、かといって小さくなどもない。
 美しいお椀型の胸の乳首は赤く、ピンと尖っている。

「ほぅ・・・っ」

 服を剥ぎ取った奴隷商人が、にたりと笑った。

(な、な・・・っ)

 下品に笑われたことに、アネの羞恥心は高まる。今まで裸など見られたことがないため、何か自分の身体におかしな部分があったのか、気になってしまう。隠そうとしても、奴隷商人がアネの手を封じている。
 スピロスは、真顔のまま、本とアネを交互に見ている。

「ふむ。胸にもおかしなところはないな。下はどうだ?」
「はい」
(はっ!?)

 胸に気を取れていると、下の服も同様に剥ぎ取られる。

「やめっ・・・見るなぁっ!!」

 大声で、アネは悲痛に叫ぶ。しかし甲高く叫んでも、誰もアネの言葉など聞いてはくれなかった。
 たぷん、と尻肉が揺れる。彼女の尻は、大きかった。とても肉付きが良く、少し動くだけでも尻の肉が魅惑的に揺れる。
 アネの膣口が、さらされる。
 悲鳴をあげると、ひくりと膣口が蠢く。

「・・・毛深いな」
「いっ、言うなっ!!」

 スピロスが思わず零した言葉に、怒鳴る。
 アネの股には、黄金の毛がもっさりと生えていた。手入れなど生まれてからしたことがなく、もさもさと生えたアンダーヘアは、彼女が処女であることを示している。

「・・・ふんっ、当然だが、処女だろうな?」
「はい、性奴隷ですから」

 下人がアネの足を抑えつつ、くぱり、と秘処の毛をかき分け、中を開く。

「な、何を・・・っ!!」

 スピロスはかがみこみ、中を覗き見た。
 冷たい目が、自分のそこを見つめている。

「い、いやぁ・・・っ!」

(性奴隷!?わらわが・・・っ!?)

 胸だけではなく、何よりも大事な中を見られたことに、アネは絶望した。
 とにかく、恥ずかしい。アネの場合はプライドが誰よりも高いため、屈辱という感情すら破壊されていくようだった。 

「み・・・見るなぁっ!見ないでくれ・・・っ!」

 アネの懇願は、誰にも届かない。 
 彼等はしげしげとアネの秘処を眺めながら会話をする。

「本当にいいのですか?こいつはモンスターとのバトルもできませんし、魔力もありません。スピロス様の奴隷が、性奴隷としてしか使い道がないというのは勿体無いような」
「戦える奴隷や、魔力がある奴隷の方が高額になるじゃないか。そんな能力、不必要だ」

 奴隷商人とスピロスの会話など、アネの頭には入ってこない。

「大体、俺が冒険に出ると思うのか?」

 スピロスは皮肉気に鼻を鳴らす。奴隷商人の発言を心から馬鹿にしているようだ。
 そんなこと、アネにはわからない。

 彼女は全裸にされ、膣口を人前にさらした恥ずかしさに、一筋の涙を零していた。

 強気な瞳から零れ出た涙を、誰も気に留める者はいない。

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