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【8章】3Pのメリット

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【8章】3Pのメリット

 リオはずっと、絵里のことだけを好きだった。

「3Pなら、絵里さんだって嬉しいでしょう?」
 リオは、絵里にだけ聞こえるように囁いた。

 自分の「3Pしましょう?」という提案を、彼女は迷っているようだ。
 ――――リオの気持ちを、誰が理解できよう?

(初めて出会った時から好きでした。諦められる訳がありません)
 
「だってあなたは、まどかさんが好きなんですから・・・」

 絵里の背中を押すように、リオは促す。

(落ちて)
 
 まどかが了承しているのならば、後は絵里の決断だけなのだ。

(私はあなたへの想いを一度でも遂げられるのなら、何でも構いませんよ)

◇◇◇

「駄目だよ、そんなこと・・・できない」
 
 まどかが言い放った言葉に、絵里は顔を上げ、リオは鋭く目を細めた。

「絵里は、親友だ。そんなことできないよ。それに、僕はリオのことだけを愛してるんだ。3人でなんて・・・狂ってる。できるはずがないよ」
 
 ーーー童貞、くそ真面目なまどかとしては、全くもって正しい判断だ。

「あはっ、それでは私のことも諦めるということでしょうか?」
「いや、僕は一度フラレたくらいじゃ引き下がらない。絶対に、君と恋人になりたいんだ」
「絵里さんとご一緒なら、すぐに適いますよ?ねぇ・・・」

 リオは自分の髪を撫でつつ、耳たぶを柔らかくくすぐった。
 絵里は、彼女が先程与えてくれた快感を、無理矢理に思い起こされる。

「あはっーーー」

 そしてーー彼女は、軽やかにまどかの胸板に手を置き、お互いの鼻をくっつけるようにした。唇は接触していないが、とてつもなく近い。

「り、リオ・・・っ!」

 まどかに他の女が近づいたーー本来なら嫉妬に苦しむべきだろうが、絵里は全然嫌ではなかった。

 むしろ、まどかが顔を赤らめ、美少女に顔を近づかれたくらいでーーー明らかに勃起している下半身を見て、自身の“そこ”は蜜を零した。


 自分の想い人が美少女に翻弄され、欲望に目をくらんでいる様を見てーーー自分は、興奮した。
 
 最初から、叶わぬ恋とわかっていた。
 だったらせめてーーー一夜でも夢を見たい。

「・・・いいわよ、あたしは」

 一夜だけでも、自分と彼が接触できてーーそして、倒錯的なエロスの蜜に溶かされるのならば。

「ぶっ飛んだ提案に、のるわ」

 絵里が言えば、リオは蠱惑的な顔をし、まどかは愕然としていた。
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