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プロローグ
【04】そこまで顔を赤く染めてくれるというのは女子としては嬉しい限りだ
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「会長! 風紀を乱すものを捕まえきてました!」
学校の最上階、そこに存在する二教室分の部屋、それが生徒会室。そして、その部屋の真ん中後方に置かれた会長席に座る少女、それこそが我らが生徒会長、藤原 尊だ。
「やれやれ、また連れてこられてしまったのかい、啓介くん」
そんな生徒会長、尊は僕らの方を見ながら優しく笑うと、その笑顔を向けられた僕は、シンプルに彼女のことを可愛いし、綺麗だと思ってしまった。「女帝」という二つ名で称されている彼女は、その言葉にふさわしい容姿をもつ。赤く染まった長い髪、厳しさと優しさをどちらも抱える大きな瞳、小さいくせしてはっきり動くその口、それらがベストな形で、最善な位置で白く輝く顔の上へと置かれていく。
「見てください、これ! これはSNSアカウントです。こんなものをシェアするなんて……会長、酷いと思いませんか?」
人の首根っこを掴みながら、ぎゃーぎゃー騒いでるコイツもまぁ、見た目は綺麗だ。ストレートの黒髪は男心をくすぶるし、顔のパーツも全体的にどれも小さくて、こんな性格だけど、普通にコイツもモテるんじゃないかな。ライトノベル作家だからわかるけど、好きな奴は好きだもんな、こういうの。まぁ、俺も幼馴染でこのキャラだったら最高に好きだし。
でも、やっぱ――
「どれどれ、うーむ、まぁでも、これはこんなものではないか。ライトノベルという文化について私は、姉と違ってそこまで詳しくはないのだが、これはそういうモノなのではないだろうか。それを風紀を乱すといってしまっては彼にも、それに関わる者たちにも失礼だと思うがな。どうだろうか、大塚くん」
――俺は生徒会長派だ
こうやって、オタク趣味を守って、庇ってくれる強き幼馴染がいたらどんなに幸せだったのかと、僕はそう思うのだ。もちろん、彼女が僕をここまで庇っているのには、タネがあるのだが、それは今は思い出しくない。彼女が僕の幼馴染だったとしたら、その妄想をして僕は幸せをかみしめていたい。
「そうやって、会長はいつもコイツに甘いんですから……。でも、わかりました。会長がそういうならしょうがないです……。今日は帰ります、失礼しました」
基本的に会長が問題にしないといったら、響はこれ以上は追わない。そこで終わりだ。そういうところはちゃんと線引きは彼女の中でできているのだろう。
「じゃあ、僕も帰ります。尊も会長の仕事、頑張って」
「いや、お主はちょっと待て」
「えっなんですか?」
面倒ごとも終わったし、さっさと家に帰って、妄想しながらあれこれしよって思ったのだが、彼女に僕は止められる。そして、そこから席をたち、僕の背後へと回ルト、今までよりもさらに甘い声で、「姉からの伝言だ」と地獄の言葉を耳元でささやく。その言葉に僕は背筋が凍り、身体中から血の気が抜けていった。
「そんなに焦らなくてもよいぞ。君が新しい企画で悩んでいるのは聞いておる。だから、協力してあげようと言っておるのだ。どうだい? 君は今まで女の子に耳元でささやかれたことはあるかい?」
甘いし、近い。僕が今、後ろを振り向けば、彼女の顔に僕の顔が当たる、それぐらいには、彼女の気配がすぐそこにある。
「少しでも、インスピレーションがわいてくれればと思ったのだが、そこまで顔を赤く染めてくれるというのは女子としては嬉しい限りだ。大丈夫、安心してれてよい。いくらが二人っきりだからといって、そういうことをするわけではない。いや、君はそれとも、そういうことを期待しておるのかな?」
彼女が手が僕の背中に触れる。そして、それがだんだんとゆっくりさがっていき、お尻に当たるかどうかというところで、彼女の手は僕から離れる。それが三回も続く。
「私は君のことを尊敬している。両親を亡くして一人になった君は、周りの大人たちに頼るわけでもなく、甘えるわけでもなく、自分で生計をたてようと学生をやりながら働ける職を見つけ、見事、自分のものとした。親の名と金に甘えている私とは真逆じゃな。だから、君を尊敬しておる」
彼女は僕に負い目を感じている。理由はそこまで大ごとなことではない。でも、彼女や彼女の姉はそれを責任に感じ、僕へ贖罪を続けている。だから、彼女が、親に甘えていると言っても、それへの代償は他の一般家庭とは別ものだし、僕は別に自分の働いたお金で生計をたてているわけでもない。そこは響にだけは知らされていないのだ。
「君の作家活動には君の生活がかかっておる。別に私としては、君を私の屋敷に住まわせてあげても良い。もしも、君が望むのなら、君を起こしてあげるし、朝ご飯だって毎日つくってあげよう。他にも君の好きそうな幼馴染ムーブがあれば実践してあげようではないか。同じ屋根の下といっても、私の屋敷は広い。実質、隣同士みたいなものだ。そうやって、君が大好きな幼馴染に近い存在になろう。だが、その世界があったとしても、君はその生活を望まないのだろ?」
彼女は、容姿端麗、頭脳明晰、品行方正、さらには大手企業の社長令嬢のお嬢様。生徒会長の座には一年の頃から座り、生徒や教師たちからの信頼も厚い。どうして、ここまでの奴がこんな中途半端な学校にいるのか、それを周りの同級生たちはみんな疑問に抱いているだろう。でも、理由は簡単。「僕」がここいるからだ。
「そりゃあ、そうですよ。尊と一緒に住むのはいいですけど、君と一緒ってことはあの担当編集も付いてくるじゃないですか。それだけは死んでも嫌です。あの人と一緒にはちょっと……本当に死んだほうがマシだ」
彼女は僕のことを下の名で呼ぶし、僕の彼女のことを下で呼ぶ。たが、別に幼馴染というわけでも、そこまで親密な関係なわけでもない。ただ、彼女の姉が僕の担当編集をしているだけだ。だから、僕は姉の藤原さんと彼女を区別するために下で呼ぶし、彼女は苗字よりも自分の中で浸透している僕のペンネームで呼ぶ、ただそれだけである。
「君はそう言うと思っておったよ。まぁ、『死んだほうがマシ』というのは君の立場では言わないほうが良いと思うがな。ただ、姉には君にもう少し優しくするように伝えておくよ」
彼女は僕から離れる。今度は、耳元ではなく、普通に僕の前へと出てきて、言葉を述べる。
さっきまでの風紀委員長、あれがポンコツであり、それが裏の顔だとするのであれば、この生徒会長、藤原 尊は、裏も表も変わらず「女帝」であるのだと思う。
まぁ、この人の姉に比べては甘いもんだとは思うけれどもな。
っていうわけで、次はその姉、僕の担当編集のはなs……にはならないか。藤原さんには、企画書もってくるまでは連絡するなって言われているし。その企画書は未だに完全白紙だもんな……。
あーどうしよう……何にも思いつかねぇよ……。
あっ、でも待てよ。さっき、「――インスピレーションがわいてくれればと思ったのだが」とか会長、言ってたよな。「――姉からの伝言だ」とも言ってたし。
ということは――
――なるほど、なるほど。
藤原さん、伝わりましたよ、アナタからのメッセージ。
大丈夫です、ちゃんと僕に任せてください。企画書をさっさと埋めて、次は藤原さんの話にしますから。藤原さん、待っててくださいね!
学校の最上階、そこに存在する二教室分の部屋、それが生徒会室。そして、その部屋の真ん中後方に置かれた会長席に座る少女、それこそが我らが生徒会長、藤原 尊だ。
「やれやれ、また連れてこられてしまったのかい、啓介くん」
そんな生徒会長、尊は僕らの方を見ながら優しく笑うと、その笑顔を向けられた僕は、シンプルに彼女のことを可愛いし、綺麗だと思ってしまった。「女帝」という二つ名で称されている彼女は、その言葉にふさわしい容姿をもつ。赤く染まった長い髪、厳しさと優しさをどちらも抱える大きな瞳、小さいくせしてはっきり動くその口、それらがベストな形で、最善な位置で白く輝く顔の上へと置かれていく。
「見てください、これ! これはSNSアカウントです。こんなものをシェアするなんて……会長、酷いと思いませんか?」
人の首根っこを掴みながら、ぎゃーぎゃー騒いでるコイツもまぁ、見た目は綺麗だ。ストレートの黒髪は男心をくすぶるし、顔のパーツも全体的にどれも小さくて、こんな性格だけど、普通にコイツもモテるんじゃないかな。ライトノベル作家だからわかるけど、好きな奴は好きだもんな、こういうの。まぁ、俺も幼馴染でこのキャラだったら最高に好きだし。
でも、やっぱ――
「どれどれ、うーむ、まぁでも、これはこんなものではないか。ライトノベルという文化について私は、姉と違ってそこまで詳しくはないのだが、これはそういうモノなのではないだろうか。それを風紀を乱すといってしまっては彼にも、それに関わる者たちにも失礼だと思うがな。どうだろうか、大塚くん」
――俺は生徒会長派だ
こうやって、オタク趣味を守って、庇ってくれる強き幼馴染がいたらどんなに幸せだったのかと、僕はそう思うのだ。もちろん、彼女が僕をここまで庇っているのには、タネがあるのだが、それは今は思い出しくない。彼女が僕の幼馴染だったとしたら、その妄想をして僕は幸せをかみしめていたい。
「そうやって、会長はいつもコイツに甘いんですから……。でも、わかりました。会長がそういうならしょうがないです……。今日は帰ります、失礼しました」
基本的に会長が問題にしないといったら、響はこれ以上は追わない。そこで終わりだ。そういうところはちゃんと線引きは彼女の中でできているのだろう。
「じゃあ、僕も帰ります。尊も会長の仕事、頑張って」
「いや、お主はちょっと待て」
「えっなんですか?」
面倒ごとも終わったし、さっさと家に帰って、妄想しながらあれこれしよって思ったのだが、彼女に僕は止められる。そして、そこから席をたち、僕の背後へと回ルト、今までよりもさらに甘い声で、「姉からの伝言だ」と地獄の言葉を耳元でささやく。その言葉に僕は背筋が凍り、身体中から血の気が抜けていった。
「そんなに焦らなくてもよいぞ。君が新しい企画で悩んでいるのは聞いておる。だから、協力してあげようと言っておるのだ。どうだい? 君は今まで女の子に耳元でささやかれたことはあるかい?」
甘いし、近い。僕が今、後ろを振り向けば、彼女の顔に僕の顔が当たる、それぐらいには、彼女の気配がすぐそこにある。
「少しでも、インスピレーションがわいてくれればと思ったのだが、そこまで顔を赤く染めてくれるというのは女子としては嬉しい限りだ。大丈夫、安心してれてよい。いくらが二人っきりだからといって、そういうことをするわけではない。いや、君はそれとも、そういうことを期待しておるのかな?」
彼女が手が僕の背中に触れる。そして、それがだんだんとゆっくりさがっていき、お尻に当たるかどうかというところで、彼女の手は僕から離れる。それが三回も続く。
「私は君のことを尊敬している。両親を亡くして一人になった君は、周りの大人たちに頼るわけでもなく、甘えるわけでもなく、自分で生計をたてようと学生をやりながら働ける職を見つけ、見事、自分のものとした。親の名と金に甘えている私とは真逆じゃな。だから、君を尊敬しておる」
彼女は僕に負い目を感じている。理由はそこまで大ごとなことではない。でも、彼女や彼女の姉はそれを責任に感じ、僕へ贖罪を続けている。だから、彼女が、親に甘えていると言っても、それへの代償は他の一般家庭とは別ものだし、僕は別に自分の働いたお金で生計をたてているわけでもない。そこは響にだけは知らされていないのだ。
「君の作家活動には君の生活がかかっておる。別に私としては、君を私の屋敷に住まわせてあげても良い。もしも、君が望むのなら、君を起こしてあげるし、朝ご飯だって毎日つくってあげよう。他にも君の好きそうな幼馴染ムーブがあれば実践してあげようではないか。同じ屋根の下といっても、私の屋敷は広い。実質、隣同士みたいなものだ。そうやって、君が大好きな幼馴染に近い存在になろう。だが、その世界があったとしても、君はその生活を望まないのだろ?」
彼女は、容姿端麗、頭脳明晰、品行方正、さらには大手企業の社長令嬢のお嬢様。生徒会長の座には一年の頃から座り、生徒や教師たちからの信頼も厚い。どうして、ここまでの奴がこんな中途半端な学校にいるのか、それを周りの同級生たちはみんな疑問に抱いているだろう。でも、理由は簡単。「僕」がここいるからだ。
「そりゃあ、そうですよ。尊と一緒に住むのはいいですけど、君と一緒ってことはあの担当編集も付いてくるじゃないですか。それだけは死んでも嫌です。あの人と一緒にはちょっと……本当に死んだほうがマシだ」
彼女は僕のことを下の名で呼ぶし、僕の彼女のことを下で呼ぶ。たが、別に幼馴染というわけでも、そこまで親密な関係なわけでもない。ただ、彼女の姉が僕の担当編集をしているだけだ。だから、僕は姉の藤原さんと彼女を区別するために下で呼ぶし、彼女は苗字よりも自分の中で浸透している僕のペンネームで呼ぶ、ただそれだけである。
「君はそう言うと思っておったよ。まぁ、『死んだほうがマシ』というのは君の立場では言わないほうが良いと思うがな。ただ、姉には君にもう少し優しくするように伝えておくよ」
彼女は僕から離れる。今度は、耳元ではなく、普通に僕の前へと出てきて、言葉を述べる。
さっきまでの風紀委員長、あれがポンコツであり、それが裏の顔だとするのであれば、この生徒会長、藤原 尊は、裏も表も変わらず「女帝」であるのだと思う。
まぁ、この人の姉に比べては甘いもんだとは思うけれどもな。
っていうわけで、次はその姉、僕の担当編集のはなs……にはならないか。藤原さんには、企画書もってくるまでは連絡するなって言われているし。その企画書は未だに完全白紙だもんな……。
あーどうしよう……何にも思いつかねぇよ……。
あっ、でも待てよ。さっき、「――インスピレーションがわいてくれればと思ったのだが」とか会長、言ってたよな。「――姉からの伝言だ」とも言ってたし。
ということは――
――なるほど、なるほど。
藤原さん、伝わりましたよ、アナタからのメッセージ。
大丈夫です、ちゃんと僕に任せてください。企画書をさっさと埋めて、次は藤原さんの話にしますから。藤原さん、待っててくださいね!
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