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令和二年(二〇二〇年)九月

九月十三日 ちっちゃい子と鯉

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九月十三日 日曜日 晴 

 昼前に家族で散歩に行く。駅前でパンを買うのも目的の一つだが、痛風のリハビリも兼ねてもいた。

 久々のルートでの散歩なので息子はテンションは上がっているが、私はあまり余裕がない。特に坂道はきつい。途中、大きなドングリの産地を発見し、さらに息子のテンションは上がった。場所は小さい駐車場だ。息子は大はしゃぎでドングリを探すが、多くが既に粉々になっていた。もしかしたらイノシシの食べ残しかもしれない。めぼしいどんぐりを拾い先を急いだ。

 駅の近くの池では鯉にお麩をやった。手前に松葉が多く、息子が投げるお麩はなかなか鯉たちに行き渡らない。どうしたものか。考えていると息子の横に幼児が現れた。三歳くらいだろうか。保護者と思しきおじいさんもいた。息子は手にしていたお麩をその幼児に手渡し、幼児は嬉しそうに鯉に投げる。が、やはり松葉に遮られる。はてさて。松葉に乗ったお麩は時間をかけて水の中に落ち、鯉の口に入っていくのだがいかんせん時間がかかりすぎる。

 手元のお麩もなくなり鯉の餌を食べる姿もあまり見れず、と飽きてきた息子は別の場所へと走り出した。それを幼児が追いかける。保護者のおじいさんも追いかける。息子にはちっちゃい子がついてくるから、と声を掛けているもののわかっているか不安だ。

 低いところで二股に別れた松の木に登ったり、四阿あずまやに行って池を覗き込んだりしている。ほどほどに走り回ったところで昼食の時間もあることだしと駅前のパン屋へと促し移動する。幼児はついてくる。息子の後をついてくる。この後にパン屋とコンビニにでも寄って帰るつもりだがどこまでついてくるのだろうか。

 突目息子が駆け出した。途中で止まってくれれば良いが目の届かないところまで行かれると危険だ。おまけに幼児までいる。追いかけて捕まえて叱り、その隙に幼児たちには帰ってもらった。息子はテンションが下がって涙目だった。

 そんな息子も買い物をしたあとオレンジジュースを買い与え、飲み終わる頃には元のテンションに戻っていた。帰り道で神社を走って一周し、汗だくで戻ってくるくらいには元気になっていた。その気持ちの切り替えと元気を少しわけてほしい。
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