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気高き翼
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しおりを挟む口内を舌で荒らされながら、ユイセルの綺麗な指がシャツの上から体を這う。
肌の上に纏われた鎖が感触を遮るが、触れ合う体温が徐々にミナリアの熱を上げる。
「は、ふ……っちゅ、んん……っ」
「リア……ん、」
「ひぅ?!」
思考の鈍った頭に、突如駆け抜けた刺激。
口を離したユイセルの視線を追って、その正体を知る。
ユイセルの指がシャツ越しに、尖ったミナリアの胸の突起を引っ掻いていた。
「あ……っ、だめだ……っ、そこ、だめ……っ」
「駄目? でもリア、体びくびくしちゃってるよ?」
「ん……っは、……っ、……っ」
両方を指でかりかりと弾かれて、ミナリアは唇を噛んでその刺激に耐えた。
「そっちのが駄目。自分で唇、傷付けないで?」
「んむ……っ」
再びユイセルに唇をこじ開けられて、上顎を舌で擦られる。
背筋を這い上がるぞくぞくとした何かに、脳内が蕩けて何も考えられなくなった。
ユイセルの指がシャツのボタンにかかる。
一つずつ外されて暴かれた肌。
その上には銀の鎖が巻き付いている。
脇の下を通る鎖は、背中から首のチョーカーに繋がっていた。
そこから更に伸びた鎖は、肩を通り手首へと回っている。
今は下履きに隠れて見えない部分は、左足は足首まで、右脚は切断された太腿までを覆う、制御の楔だ。
首から鎖骨にかかる部分にぶら下がる錠を指で触って、ユイセルは一つ息を吐いた。
「リアは、その、……シたことある?」
「?」
ユイセルの質問が理解できずに首を傾げる。
ミナリアの様子にユイセルは突然たじろいで挙動不審に振る舞った。
「いや、あの……リアは綺麗だから、もしかして、そういう経験があるのかも……って……俺は、ない、から……」
ユイセルの言葉にはた、と思考を巡らせる。
大体の意味を察してミナリアは何事もないかのように平然と言葉を返した。
「繁殖行為か? いや、ないが……」
「そ、その、やり方とか……」
直接的なミナリアの表現に顔を赤くしたユイセルが恥じらいながらも手法を問う。
「ああ、カラザールが同じ真族でもベースの種族が違うから教えられないと言って、知識はないのだが……」
シャトマーニの教育の一環で繁殖についてはおおよそ学んでいるが、具体的な手法についてはミナリアの記憶にはない。
自分には関係のないことだと思っていたし、実際にそこまで興味もなかった。
「それって……揶揄われたね、リア」
「揶揄われた?」
「いや、えっと……一応、俺は、勉強はしてきた、から」
そう言ってユイセルは、ミナリアの下履きを一気に脱がした。
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