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番外編

カレンへのプレゼント4(ライル視点)

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「永遠に枯れない花、欲しがる者がいるからこそ詐欺も多いのだろうな」
「だねー」


 どうせなら綺麗なまま手元に置いておきたい。そういった心理につけ込んだのだろう。

 詐欺というのは、大抵が弱ったところや誰しもが持っている人の願望を上手く狙う。

 不老不死を謳ったり治療法の無い病を治せると謳ったり、そういう話は多いからな。花も例外ではないのか。

 しかし、一ヶ月でも保てるようになっているとは驚きだな。技術の進歩も早いものだ。


「でも永遠の美しさもいいけどさ、儚いからこそいいと思うんだけどね……」
「む、確かにな」
「でしょー? 花も人間も終わりがあるからいいんだよ」


 ソルシエールは妖艶に笑って言った。時々、魔女らしい雰囲気を醸し出すよな。

 ふわふわゆるゆるしているように見えて、全て計算づくで動いているような気がしてならない。

 たまにゾワゾワさせる空気で怖いのだ。良い奴なんだがな、一体何がそう感じさせるのか……。


「結局、お花にするの? プレゼント」
「……あ、ああ。今回は普通の花にしようかと思う」
「そっか。それなら、良いお花屋さん知ってるから紹介しよっか?」
「うむ。助かる」
「じゃあ地図渡すねー」


 ソルシエールは、一旦どこかへ消えてすぐに戻ってきた。手には手書きの地図を持っている。


「僕の紹介って言えば、多分ちゃんとお客さんとして歓迎してくれるよ」
「……逆にソルシエールの紹介がないと、客として歓迎してくれないのか?」
「その可能性もある。あの人、気分屋だからね……」


 ソルシエールも大分気分屋な気がするのだが。こいつが言うということはかなりの変わり者なのか?

 まさか魔女だったりはしないよな? なぜか遠い目をしているソルシエールを見ていると不安になってくる。

 紹介してくれるくらいで、良い花屋というのだから腕は確かなのだろう。行ってみる価値はある。しかし、変人が来ると覚悟しておいた方が良いだろうな。


「紹介ありがとう。ともかく、行ってみることにする」
「うん。気をつけてねー!」


 ソルシエールと別れて、貰った地図通りに花屋を目指して歩き出した。

 手書きの割に見やすくて分かりやすい地図だ。すぐに戻ってきたのにクオリティが高い。

 カレンが喜んでくれるような花束を用意できると良いな。
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