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それぞれの願いと約束3

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「あのさ、」

「何だ?」

「願いを叶えるつもりだったって聞いたんだけど本当?」

「ああ」

「どうして試練なんかやったの?
それに……あれは試練って感じでもなかった」

「別に。暇つぶしだ」


 神様がぶっきらぼうに言う。
一緒にいて分かったけどこういうときは大抵なにか隠してる。
一言一言に間があるし。バレバレだよ。
だってこの神様、試練以外でもついてきてたんだから。
それにこの神様、口調に反して意外と優しい。


「……神様なんか隠してない?」

「別に」

「神様は暇つぶしって言ってたけど……私には少しでも誰かといたかったからっていって……」

「うるさい。静かにしろ」

「そうなの?茜」

「うん。それに消えちゃう前に役に立ちたかったって」

「……はぁ……お前に話すんじゃなかった……」


神様、意外とかわいいところがある。
やっぱり優しいんだろうな。
……あまり人が来なくなって寂しかったのかもしれない。
しかも取り壊されてしまうだなんて。


「はぁ……誤解される前に言っとくが」

ん?神様がなんか話し出した。


「俺は昔お前らの願いを叶えられなかった。だから、今回はちゃんと叶えてやろうと思っただけだ」

「それに今も昔も同じ願いを言っていたしな……」

「あと、寂しいだの役に立ちたいだの言ってるが俺は神としての役割を果たしたかっただけだ。別に俺が寂しいわけじゃない」

「ここが取り壊されたら俺はここにいられなくなる。ここのことを誰も覚えていないのは嫌だったんだ。その前に少しでも誰かに見て欲しかったんだ。お前らのためじゃない」


 明らかに照れ隠しだろうとしか思えない。
今でいうツンデレなのか。
この神様。
……今、ここにいられなくなるっていってたよな……?

「ここが無くなったら神様も消える?」

「ああ。家がなくなるからな」

「そしたらどうなる?」

「俺は存在しなくなる」

「「え?」」


存在しなくなる??
本当に消えてしまう?
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