幽閉塔の早贄

大田ネクロマンサー

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第4部 手負いの獣に蝶と花

第16話 ルークとして抱かれる(ルイス視点)※

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「ああ、ルイス。こんなになって」

 僕はしばらく目を見開き、声を出せないほど息を切らしていた。それを気遣ってかルークは唇の端に何度もキスを落とした。

「本格的に気を失いそうだな。ルイス、大丈夫かい?」

「ルーク……ルークになりたい……ジル……ジル……お願い……僕をルークにしてぇ……! ううっ……!」

 僕の叫びにまた兄様たちが顔を見合わせる。僕が手で顔を覆うとルークが僕を抱き起こしてくるっと反転させた。さっきまでジルがそうしてくれていたように、僕のこめかみに熱い唇を押し当てる。

「ジルはルイスの声がダメなんだ。ちゃんと我慢ができるかな?」

 僕は頷くとともに、ルークの袖を引っ張りしがみつく。

「ふふっ、ルイスのそんな顔見てるともう一度したくなってしまうよ。でもあれだな。そもそもジルはルイスにしか反応しないのに、その時点でこれは無理があるんじゃないのか?」

「お前がそうして欲しいと願うなら、薬を打ってでも応えてやるさ」

「お前なぁ……」

 多分駐屯地ではこんな風に話しているのだろう。僕の知らない2人の会話が下半身を刺激してガクガクと震えだす。ジルはそれに気づいてか僕の唇に何度か優しいキスをしてくれた。

「ルークが相手なら、ルイスより激しくしても大丈夫そうだな」

「いやいやいや、初めてなんだから優しくしろよ!」

「ルイスにしてやるよりも優しくして欲しいのか?」

 ルークが僕の頬に吸い付き、視線でどうする? と質問をする。僕はどうしたらいいかわからずルークを見つめている。興奮で景色が歪んで、ルークの顔の意味するところもわからなかったのだ。

「優しくしてくれ」

 ルークが僕の代わりに答えると、ジルはふっと笑って履物をずらした。そして軟膏を受け取ると、それを自分にだけではなく僕の窄まりに塗った。

「あぅ……」

 僕は少しの刺激にも体を仰反るほどになってしまっていた。

「ルーク、自分で握っていられるか?」

 今度はルークが僕の陰茎を握った。それを確認したジルが熱い猛りを僕の後ろの谷間に押し当て、肉壁を破って侵入してきた。

「ふっ、ふうぅっ、ぅ……っ!……っ!」

 杭を打つように、何回かに分けてジルは優しく貫いていく。でもその凶暴な太さは優しさで変えられるものではない。そしてこれ以上入らないところの最後の壁についた時、ジルは言ったのだ。

「ああ、兄さん。愛している」

「ぅふわあぁああんっ!」

 ルークも気を抜いてたのだろう。僕は激しく射精して、ルークが途中強く握っても止まることを知らず、長細い白濁の筋でジルの服の腹を汚した。

「あぁっ、ああんっ! ごめんなさいっ! ごめんなさいっ! ジル、ジル、ジル!」

「ああ、兄様がいけない、油断してたよ。もう謝らなくてもいいし、ジルは愛することをやめないから安心しなさい」

「ううっ……ジル……ジルゥ……」

「口ではその気のないように言っていても、体は正直だな。兄さん。でももう優しくできんぞ」

「もう一度、キスをしながら言ってくれ」

「あんなに嫌がっていたのに」

 ジルは笑いながら僕の口を唇で塞ぎ、そして僕を深く貫く。僕が息継ぎのため口を離すたびに、ルークへの愛を囁いた。僕はルークに握ってもらっているのに、前触れもなく吐精をし続けて、ジルが果てる頃には白濁は澄んだ別のものになっていた。


 急激に意識を取り戻し左右を見ると、兄様たちが僕の体を拭いてくれていた。

「あ……ぁ……」

「久しぶりに意識をなくしてしまったな。頭は痛くないか?」

 ジルが僕の頭にキスを落とす。

「ジルは……ジルはちゃんと……」

「ちゃんと優しく最後まで愛してやったぞ。ルークは俺への愛が足りないから、ルイスをあんなにできないのかとさっきから拗ねているぞ」

 ルークを見ると、拗ねている様子はなかった。どちらかというと満足感に溢れているような気がする。

「明日兄様たちを誘惑します。これからも兄様たちのしてもらいたいことちゃんと叶えます。だから……」

「だから? なんでも言ってごらん?」

 ルークが優しく微笑む。

「もう一度2人がキスをしているところを見たい……」

 ルークは苦笑しながらジルを引き寄せ、何度か軽いキスをしてくれた。

「もっとちゃんとしたやつがいいです……」

「だそうだ」

 ジルが僕に便乗してルークを焚き付ける。ルークは色っぽく顔を傾け、舌でジルの唇の先を舐めた。それに応じたジルは口を大きく開けてルークの舌を飲み込んでいく。僕は我慢ができなくなって、2人の唇にそっと手を当てた。

 2人はニッコリ笑って僕の唇の両端を舌先でくすぐる。そのはずみでジルの手が僕の腹に当たった。

「あ……ルイス……またこんなにして……。ルイスはどうなってしまったんだ」

「明日から兄様たちは家でこうやってキスをするから、見たいならちゃんと帰ってきなさい」

 ルークはそう言ってジルの唇にキスを落とす。僕はいつまでもブルブルと震え、兄様たちを一晩中、心配させた。
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