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第4部 手負いの獣に蝶と花
第14話 密かな欲望(ルイス視点)※
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「なんだ随分体が熱いな。熱でもあるんじゃないか?」
ジルがすかさず僕のおでこに手を当てる。
「誰にだって……知られたくない欲望があるんです……! あぁ……!」
「知られたくない欲望とはなんだ?」
ジルは僕をヒョイと持ち上げる。僕が空中にいる間に、ルークが僕の履物を下着ごと剥ぎ取りその辺に捨てた。そしてベッドに座ったジルの膝の上に着地すると、ルークがずいと顔を寄せた。
「兄様も、ルイスの欲望を知りたい」
美しい顔なのにあまり真剣な顔を見せない。そんなルークが本気で僕の欲望を知ろうと強い眼差しで射抜く。
「うまく……言葉にできません……」
「兄様たちがキスをしているのがそんなにいいのか?」
背中から響くジルの声が背中を燃やし、焦げそうなくらいだった。そこから左右に伸びた手が僕の太腿を掴んでゆっくりと中心に向かってくる。ジルの熱い手は腿の端から僕の欲望を焚き付けながら近づいてくるのだ。
「わから……ないっ……兄様……!」
羞恥と薄弱で自然と自分自身に手が伸びる。しかしその手をルークが掴んだ。
「ダメだ。それは一生ルイスにはさせない。兄様のどちらかしか触ってはダメだ。そうだろ? ジル」
「そうだ。ルイスは兄様たちに愛されていればいいのだ。しかし今日はどうしたんだ、こんなに震えて……」
ジルの大きな手が僕の足の付け根をなぞる。そこからゾクゾクとむず痒い信号が背筋を駆け抜けた。
「んぅっ……!」
「ルイス、兄様に教えてくれないか。兄様はルイスをもっともっと悦ばせて、他の男から守り抜きたいんだ」
「兄様以外……愛しませんっ……!」
「違う、ルイス……こればっかりはルークと同じ気持ちだ。ルイスになにか我慢させているのかと、兄様たちにはそういう憂いがずっとあるのだ……」
ジルの哀しい声にますます欲望が渦巻き、溢れだす。
「ルークと……ジルに……なりたい……」
僕の言葉だけが空間に漂い、兄様たちはお互いの顔を見合わせた。僕は恥ずかしくて両手両足をぎゅっと縮めて顔も体も覆った。
「ルイス……それはジルになって兄様に抱かれたいってことかい?」
「ううっ……」
前と後ろから息が漏れたから僕は恥ずかしさでさらに縮こまった。
「ルイスは本当に……兄様たちが好きなんだな……。じゃあほら、丁度いいからジルから抱かれなさい。ジル、丸まってたら抱けないぞ」
ジルが僕のがんじがらめになった手足を、たくましい腕で解いていく。
「どうしたんだ、ルイスにしか勃たないのにこんなにして。溜まっているのか?」
僕の知らないルークのジルに向けた口調だとすぐわかる。それが嬉しくて更に震えてしまう。
「あ……ぁ……兄様ぁ……」
「俺はルークを兄様とは呼ばない」
ジルは笑いながら僕のこめかみに唇を押し当てる。そして僕に代わって話し始めた。
「最近はルイスが研究に没頭して、なかなか帰ってこないからな。まぁいい。1人にしてくれ」
ジルの手が僕の陰茎を包む。その熱に体を捩り、ジルの太腿を掴んだ。
「なんだ、キスをすると言ったり、1人にしろと言ったり。心配して来てやったのだ。触って欲しいなら素直にそう言え」
「ほら、ルイス……どうして欲しいのか言ってごらん」
「ぁ……あぁ……触って欲しい……!」
よく言えました、とジルが僕の頬を吸い、ルークが手を伸ばしてくる。その手がジルの指の間を掻い潜り到達した時に、体全体が痙攣する。
「おい、どうしたんだ。そんなに触って欲しかったのか? ルイスの前では格好つけててもジルは甘えん坊だな。触って欲しいのはここだけか?」
「ぁ……ぁ……」
ルークの手を取り、後ろに誘う。自分でもどうかしてると思うくらい敏感になってうまく声も出せなかった。
ジルがすかさず僕のおでこに手を当てる。
「誰にだって……知られたくない欲望があるんです……! あぁ……!」
「知られたくない欲望とはなんだ?」
ジルは僕をヒョイと持ち上げる。僕が空中にいる間に、ルークが僕の履物を下着ごと剥ぎ取りその辺に捨てた。そしてベッドに座ったジルの膝の上に着地すると、ルークがずいと顔を寄せた。
「兄様も、ルイスの欲望を知りたい」
美しい顔なのにあまり真剣な顔を見せない。そんなルークが本気で僕の欲望を知ろうと強い眼差しで射抜く。
「うまく……言葉にできません……」
「兄様たちがキスをしているのがそんなにいいのか?」
背中から響くジルの声が背中を燃やし、焦げそうなくらいだった。そこから左右に伸びた手が僕の太腿を掴んでゆっくりと中心に向かってくる。ジルの熱い手は腿の端から僕の欲望を焚き付けながら近づいてくるのだ。
「わから……ないっ……兄様……!」
羞恥と薄弱で自然と自分自身に手が伸びる。しかしその手をルークが掴んだ。
「ダメだ。それは一生ルイスにはさせない。兄様のどちらかしか触ってはダメだ。そうだろ? ジル」
「そうだ。ルイスは兄様たちに愛されていればいいのだ。しかし今日はどうしたんだ、こんなに震えて……」
ジルの大きな手が僕の足の付け根をなぞる。そこからゾクゾクとむず痒い信号が背筋を駆け抜けた。
「んぅっ……!」
「ルイス、兄様に教えてくれないか。兄様はルイスをもっともっと悦ばせて、他の男から守り抜きたいんだ」
「兄様以外……愛しませんっ……!」
「違う、ルイス……こればっかりはルークと同じ気持ちだ。ルイスになにか我慢させているのかと、兄様たちにはそういう憂いがずっとあるのだ……」
ジルの哀しい声にますます欲望が渦巻き、溢れだす。
「ルークと……ジルに……なりたい……」
僕の言葉だけが空間に漂い、兄様たちはお互いの顔を見合わせた。僕は恥ずかしくて両手両足をぎゅっと縮めて顔も体も覆った。
「ルイス……それはジルになって兄様に抱かれたいってことかい?」
「ううっ……」
前と後ろから息が漏れたから僕は恥ずかしさでさらに縮こまった。
「ルイスは本当に……兄様たちが好きなんだな……。じゃあほら、丁度いいからジルから抱かれなさい。ジル、丸まってたら抱けないぞ」
ジルが僕のがんじがらめになった手足を、たくましい腕で解いていく。
「どうしたんだ、ルイスにしか勃たないのにこんなにして。溜まっているのか?」
僕の知らないルークのジルに向けた口調だとすぐわかる。それが嬉しくて更に震えてしまう。
「あ……ぁ……兄様ぁ……」
「俺はルークを兄様とは呼ばない」
ジルは笑いながら僕のこめかみに唇を押し当てる。そして僕に代わって話し始めた。
「最近はルイスが研究に没頭して、なかなか帰ってこないからな。まぁいい。1人にしてくれ」
ジルの手が僕の陰茎を包む。その熱に体を捩り、ジルの太腿を掴んだ。
「なんだ、キスをすると言ったり、1人にしろと言ったり。心配して来てやったのだ。触って欲しいなら素直にそう言え」
「ほら、ルイス……どうして欲しいのか言ってごらん」
「ぁ……あぁ……触って欲しい……!」
よく言えました、とジルが僕の頬を吸い、ルークが手を伸ばしてくる。その手がジルの指の間を掻い潜り到達した時に、体全体が痙攣する。
「おい、どうしたんだ。そんなに触って欲しかったのか? ルイスの前では格好つけててもジルは甘えん坊だな。触って欲しいのはここだけか?」
「ぁ……ぁ……」
ルークの手を取り、後ろに誘う。自分でもどうかしてると思うくらい敏感になってうまく声も出せなかった。
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