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3部 王のピアノと風見鶏
第35話 溺れてもなお ※
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王は困った顔で俺の顔に近づき、そうして顔中にキスを落とす。唇同士がついた時に、俺は王の唇に懇願した。
もっと欲しい。
「リアム、魔法も万能ではないんだ。お前は庸人で器も小さい。魔法で痛みを補正できるのは、ごくわずかだ」
それでも俺は髪を離さなかった。王は名残惜しんでいる。湖底からの泡の快感が、そう言っているのだ。絶頂に達したばかりで敏感になっている王との結合部を、ゆっくりと動かして擦る。前も王の腹に擦れて、体中が跳ねるように痙攣した。
もう、はしたなくたっていい、卑しくてもいい。俺は湖底に眠る光への探究心で無我夢中だった。王は見かねて、俺の腕を掴み上半身を起こした。背中をそっと支える王の大きな手の熱に、俺は身を捩らせ震える。
「自分で動いてみるか? 無理をするんじゃないぞ?」
王の言葉に頷き、そのまま胸に顔を埋める。そして王の首に両手を回した。シーツについた膝に力を入れて、王の陰茎を少し抜いたら、今度は奥深くまで腰を沈める。
王の言う通り、さっきとは比べ物にならないくらい腹の中が圧迫される。でも下から湧き上がってくる快感の泡が体中をくすぐり、王が悦んでくれているのが嬉しくて、じっとしていられなかった。
喉をヒューヒュー鳴らして、湖底に沈んでいく。溺れるような苦しみに耐えながら、ゆっくり深く自分自身を王に沈め、王の鋒が俺の1番深いところについた時、胸に埋めていた顔をあげて赤い瞳を見た。
「ああ、なんて……顔をしているんだ……リアム、大切にすると……言っているのに……」
声を詰まらせた王は俺の尻を柔らかく掴んだ後、腰を突き上げる。衝撃で、喉が鳴った。それで王がやめてしまわないよう、髪を手繰り寄せて、唇に何度も欲しいとせがんだ。王は苦悶に満ちた表情で、何度も何度も俺を突き上げる。
「ああ、ああ、リアム、触れてくれ、リアム」
湖の音ではない激しい水音と王の短い呻き声が、俺の心を掻き乱し、喉から音が飛び出す。強い衝撃と快楽が襲うたびに湖面に近づき、そして遂にその鈍い光に手が届いた。その時。
「ンーーッ!」
王の低い唸り声と共に俺は湖の水流に飲まれ、快楽にもみくちゃにされながら上昇する。体全身から快感が腹の底に集まりそしてそれが激しく外に放出された。
そして俺の腹の中にも、熱い液が放たれる。寄せては返す波のように、何度も何度も腹の中を満たしていった。体全体の力が抜け、王の首にかけていた腕をダラリと落としてしまう。
「あ……あぁ……リアム……なんて美しいのだ……」
王は尻にかけた手で背中を撫で上げ、そして俺の首を掴んで頭を固定した。もはや汗なのか涙なのかもわからない液体でびしょびしょになった俺の顔に、王は頬擦りし、そして唇を寄せる。俺は快感の衝撃で喉を鳴らしたままそれを受け入れる。唇同士が触れるたびに、もっと欲しいと伝えると、王は嬉しそうにそれを啄んだ。
王は俺の震えが止まるまでその腕から俺を離さなかった。快楽で混乱した心が凪いできたら、王は頃合いを見計らって猛りを引き抜く。王の放ったであろう大量の性液がその後を追って俺の肛門から滴り落ちた。
王はその辺に垂らしていた俺の手を掴んだ。そしてそれを口元に引き寄せ、指に誓いを立てるように言う。
「リアム、愛している。これからも愛を与え続ける」
俺はその手ごと髪を掴み、王の唇を強請った。王の唇に何度も言う。もっと欲しい、もっと愛が欲しい、と。
もっと欲しい。
「リアム、魔法も万能ではないんだ。お前は庸人で器も小さい。魔法で痛みを補正できるのは、ごくわずかだ」
それでも俺は髪を離さなかった。王は名残惜しんでいる。湖底からの泡の快感が、そう言っているのだ。絶頂に達したばかりで敏感になっている王との結合部を、ゆっくりと動かして擦る。前も王の腹に擦れて、体中が跳ねるように痙攣した。
もう、はしたなくたっていい、卑しくてもいい。俺は湖底に眠る光への探究心で無我夢中だった。王は見かねて、俺の腕を掴み上半身を起こした。背中をそっと支える王の大きな手の熱に、俺は身を捩らせ震える。
「自分で動いてみるか? 無理をするんじゃないぞ?」
王の言葉に頷き、そのまま胸に顔を埋める。そして王の首に両手を回した。シーツについた膝に力を入れて、王の陰茎を少し抜いたら、今度は奥深くまで腰を沈める。
王の言う通り、さっきとは比べ物にならないくらい腹の中が圧迫される。でも下から湧き上がってくる快感の泡が体中をくすぐり、王が悦んでくれているのが嬉しくて、じっとしていられなかった。
喉をヒューヒュー鳴らして、湖底に沈んでいく。溺れるような苦しみに耐えながら、ゆっくり深く自分自身を王に沈め、王の鋒が俺の1番深いところについた時、胸に埋めていた顔をあげて赤い瞳を見た。
「ああ、なんて……顔をしているんだ……リアム、大切にすると……言っているのに……」
声を詰まらせた王は俺の尻を柔らかく掴んだ後、腰を突き上げる。衝撃で、喉が鳴った。それで王がやめてしまわないよう、髪を手繰り寄せて、唇に何度も欲しいとせがんだ。王は苦悶に満ちた表情で、何度も何度も俺を突き上げる。
「ああ、ああ、リアム、触れてくれ、リアム」
湖の音ではない激しい水音と王の短い呻き声が、俺の心を掻き乱し、喉から音が飛び出す。強い衝撃と快楽が襲うたびに湖面に近づき、そして遂にその鈍い光に手が届いた。その時。
「ンーーッ!」
王の低い唸り声と共に俺は湖の水流に飲まれ、快楽にもみくちゃにされながら上昇する。体全身から快感が腹の底に集まりそしてそれが激しく外に放出された。
そして俺の腹の中にも、熱い液が放たれる。寄せては返す波のように、何度も何度も腹の中を満たしていった。体全体の力が抜け、王の首にかけていた腕をダラリと落としてしまう。
「あ……あぁ……リアム……なんて美しいのだ……」
王は尻にかけた手で背中を撫で上げ、そして俺の首を掴んで頭を固定した。もはや汗なのか涙なのかもわからない液体でびしょびしょになった俺の顔に、王は頬擦りし、そして唇を寄せる。俺は快感の衝撃で喉を鳴らしたままそれを受け入れる。唇同士が触れるたびに、もっと欲しいと伝えると、王は嬉しそうにそれを啄んだ。
王は俺の震えが止まるまでその腕から俺を離さなかった。快楽で混乱した心が凪いできたら、王は頃合いを見計らって猛りを引き抜く。王の放ったであろう大量の性液がその後を追って俺の肛門から滴り落ちた。
王はその辺に垂らしていた俺の手を掴んだ。そしてそれを口元に引き寄せ、指に誓いを立てるように言う。
「リアム、愛している。これからも愛を与え続ける」
俺はその手ごと髪を掴み、王の唇を強請った。王の唇に何度も言う。もっと欲しい、もっと愛が欲しい、と。
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