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3部 王のピアノと風見鶏
第21話 口づけ
しおりを挟む ラミエルさん達が爆発の原因を調べに行ってから三十分ほど経過した頃────突然巻き起こった爆風と共に、茶髪の美少女と黒衣の忍者が現れた。
瞬間移動して来たのか?と錯覚を覚えるほど、一瞬で。
薄々勘づいてはいたけど、ラミエルさん達って色んな意味で規格外よね。
まあ、そこが彼らの個性であり、良いところでもあるのだけれど……。
突然のことに動揺を隠し切れない私の前で、ラミエルさんは徳正さんの腕から飛び降りる。
そして、地べたに座り込む私達と目線を合わせるように少し身を屈めた。
「お待たせしてしまって、申し訳ありません。ちょっと、調査に時間を取られてしまいまして……」
「あ、いえ……!ご無事で何よりですわ!」
慌てて首を横に振り、私は『全然問題ない』と示す。
調査時間が長引いてラミエルさん達を心配することはあれど、苛立つことはない。
むしろ、危険な調査に乗り出してくれて感謝してるくらいだ。
「そう言って頂けると、助かります」
胸元に手を添え、柔らかく微笑むラミエルさんは不意に姿勢を正す。
そして、表情を引き締めた。
「では、早速本題に入りますね。爆発の原因についてですが────」
プレイヤーの素性は敢えて伏せて、諸々の説明を行う。
『何か質問はありますか?』と問う彼女に、私達は首を横に振った。
出来れば、プレイヤーの名前を聞きたいところだけど……今回は特に被害もなかったし、知らなくてもいいだろう。
何より、ラミエルさんは話したくなさそうだから。
多分、そのプレイヤーの名誉を守りたいんだと思う。
傍迷惑な行為とはいえ、本人に悪気はなかったみたいだし。
「じゃあ、私達はこれで失礼しますね。街中のゴーレムは全て狩り尽くしましたが、まだ油断ならない状況なのでお気をつけください。健闘を祈ります」
「その気絶してる奴らに『ラーちゃんとシムナに助けて貰った命、無駄にしないでね~』って伝えといて~」
ヒラヒラと手を振る徳正さんに、私達は『はい』と大きく頷いた。
すると、黒衣の忍者が慣れた様子でラミエルさんを抱き上げる。
「んじゃ、後は自分達で頑張ってね~」
そう言うが早いか、徳正さんはラミエルさんを連れてこの場を立ち去る。
瞬きの間に姿を消した彼らの前で、私はスッと目を細めた。
「ラミエルさん、どうかお気をつけて」
瞬間移動して来たのか?と錯覚を覚えるほど、一瞬で。
薄々勘づいてはいたけど、ラミエルさん達って色んな意味で規格外よね。
まあ、そこが彼らの個性であり、良いところでもあるのだけれど……。
突然のことに動揺を隠し切れない私の前で、ラミエルさんは徳正さんの腕から飛び降りる。
そして、地べたに座り込む私達と目線を合わせるように少し身を屈めた。
「お待たせしてしまって、申し訳ありません。ちょっと、調査に時間を取られてしまいまして……」
「あ、いえ……!ご無事で何よりですわ!」
慌てて首を横に振り、私は『全然問題ない』と示す。
調査時間が長引いてラミエルさん達を心配することはあれど、苛立つことはない。
むしろ、危険な調査に乗り出してくれて感謝してるくらいだ。
「そう言って頂けると、助かります」
胸元に手を添え、柔らかく微笑むラミエルさんは不意に姿勢を正す。
そして、表情を引き締めた。
「では、早速本題に入りますね。爆発の原因についてですが────」
プレイヤーの素性は敢えて伏せて、諸々の説明を行う。
『何か質問はありますか?』と問う彼女に、私達は首を横に振った。
出来れば、プレイヤーの名前を聞きたいところだけど……今回は特に被害もなかったし、知らなくてもいいだろう。
何より、ラミエルさんは話したくなさそうだから。
多分、そのプレイヤーの名誉を守りたいんだと思う。
傍迷惑な行為とはいえ、本人に悪気はなかったみたいだし。
「じゃあ、私達はこれで失礼しますね。街中のゴーレムは全て狩り尽くしましたが、まだ油断ならない状況なのでお気をつけください。健闘を祈ります」
「その気絶してる奴らに『ラーちゃんとシムナに助けて貰った命、無駄にしないでね~』って伝えといて~」
ヒラヒラと手を振る徳正さんに、私達は『はい』と大きく頷いた。
すると、黒衣の忍者が慣れた様子でラミエルさんを抱き上げる。
「んじゃ、後は自分達で頑張ってね~」
そう言うが早いか、徳正さんはラミエルさんを連れてこの場を立ち去る。
瞬きの間に姿を消した彼らの前で、私はスッと目を細めた。
「ラミエルさん、どうかお気をつけて」
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