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2部 焼け落ちる瑞鳥の止まり木
第18話 幻想の花(ルーク視点)※
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口中を犯し、腹の中をかき混ぜ、精液が伴わない絶頂に導く。何度も何度も愛されるのが上手だと褒め、美しいと敬う。
レオは淑やかに、しかし渇きを潤すように、私を受け入れる。
「ああ、ほら。とても綺麗だね、もう一度咲かせようね、あぁ、兄様は、上手く愛せてるかな?」
レオは呻き声すらあげない。2回目の絶頂からずっとこの調子だった。口から涎を垂らし、息を吸うのが精一杯のようだ。恍惚と私を眺めて、腰を掴む私の手をしっかり握っている。
「ああ、兄様は、レオの中に出すよ、兄様の、欲しいかい、ああ、ああっ、こんなに」
レオはガクガクと頭を縦に振って私を待ちわびている。
「一緒に行くよ、んんっ……」
レオの花芯から手を離すや否や、白濁がとめどなく溢れ出す。それを見届けたら一際深いところで自分自身を吐き出した。
レオはすっかり静かで、息だけが弾み余韻を噛み締めている。ジルに後ろから抱かれていたから、少々態勢に無理があったかもしれない。繋がったまま、レオを抱き寄せる。レオは震えながらも必死で私にしがみついた。
「よく頑張ったね。レオは綺麗だった。兄様が本当にそう思っているってわかったかい?」
レオは私の肩に顔をもたげて何度も頷く。
「抱いて……いただき……ありがとう……ございます……これだけで……生きていけます……」
「なんだ、レオは兄様が戦死するとでも思っているのか?」
顔を覗こうと思ったが、レオが腕に力を入れてそれをさせなかった。
「心が……泣いていました……僕のために……でも、貴方がどんなに優しくても……僕はジルがいいのです……」
震える声色で、すぐに強がりだとわかった。
「レオは、とても綺麗だ。とても愛されるのも上手だった。だから、こんなどうでもいい木偶が男の全てだと思ってはいけないよ。レオはどんな花にだってなれる」
レオは私にしがみついたままうんともすんとも言わなくなった。
「もし、レオが諦めがついたら兄様のところに来てくれるか?」
震えが一層激しくなって、また興奮させてしまったかと心配になる。しかし答えはしっかりとした声だった。
「そうならないように……頑張ります……」
「そうか、レオが辛い時には呼んでくれ。そういう時は漬け込みやすいからな」
「ふふっ……」
「ああ、レオ……」
向かい側のソファにレオを下ろす。そしてすっかり萎れてしまった自分自身を取り出し、着衣を整える。レオのブラウスのボタンもとめてやって、乱れた服を正した。体に触れればまだビクビクと愛を欲していた。視線が絡んだので顔を寄せれば、さっきの言葉とは裏腹に、唇を求めて頭を浮かせる。
レオの唇がかすめた。だから十分に唇を濡らしてやる。レオが求めて口を開いたので、体がソファに埋まるほど奥を求めた。
「兄様は行くけど、ひとつだけ。夜こそ使用人はいたほうがいい。あんな危ない死刑囚がいるんだ。ここに来る輩はろくでもない者ばかりだ」
「ルーク……」
「そうだ、こういうレオを狙った狼がいっぱい来るからな」
うっとりと私を見つめるレオの頬を撫でた。後ろでジルの布が擦れる音がする。
「レオ、面会の費用はこれで足りるか?」
それまで一切の声を発しなかったジルが大声を上げる。それに驚きレオが竦み上がった。
「ジル……お前は……」
「いいえ。ジルらしくて素敵です。でも愛をいただきました。金で買ったと、その方が都合が良ければ遠慮なくいただきます」
私はジルに対する怒りと、レオの強い言葉に驚きを隠せなかった。頬を撫でていた手に余計な力が入る。レオはそれをそっと包み、私を見て首を横に振る。
「わかった。ではこれで失礼する」
礼節とは程遠い態度でジルはさっさと部屋を出ようとする。レオの頭を撫でて出て行こうとした時、後ろから指を掴まれた。
「ご武運を……」
その悲しい声に心が暴れ出さないように、まっすぐ歩き出す。怒りで足音が大きくなっているジルを追いかけながら、これからのことを憂いた。
レオは淑やかに、しかし渇きを潤すように、私を受け入れる。
「ああ、ほら。とても綺麗だね、もう一度咲かせようね、あぁ、兄様は、上手く愛せてるかな?」
レオは呻き声すらあげない。2回目の絶頂からずっとこの調子だった。口から涎を垂らし、息を吸うのが精一杯のようだ。恍惚と私を眺めて、腰を掴む私の手をしっかり握っている。
「ああ、兄様は、レオの中に出すよ、兄様の、欲しいかい、ああ、ああっ、こんなに」
レオはガクガクと頭を縦に振って私を待ちわびている。
「一緒に行くよ、んんっ……」
レオの花芯から手を離すや否や、白濁がとめどなく溢れ出す。それを見届けたら一際深いところで自分自身を吐き出した。
レオはすっかり静かで、息だけが弾み余韻を噛み締めている。ジルに後ろから抱かれていたから、少々態勢に無理があったかもしれない。繋がったまま、レオを抱き寄せる。レオは震えながらも必死で私にしがみついた。
「よく頑張ったね。レオは綺麗だった。兄様が本当にそう思っているってわかったかい?」
レオは私の肩に顔をもたげて何度も頷く。
「抱いて……いただき……ありがとう……ございます……これだけで……生きていけます……」
「なんだ、レオは兄様が戦死するとでも思っているのか?」
顔を覗こうと思ったが、レオが腕に力を入れてそれをさせなかった。
「心が……泣いていました……僕のために……でも、貴方がどんなに優しくても……僕はジルがいいのです……」
震える声色で、すぐに強がりだとわかった。
「レオは、とても綺麗だ。とても愛されるのも上手だった。だから、こんなどうでもいい木偶が男の全てだと思ってはいけないよ。レオはどんな花にだってなれる」
レオは私にしがみついたままうんともすんとも言わなくなった。
「もし、レオが諦めがついたら兄様のところに来てくれるか?」
震えが一層激しくなって、また興奮させてしまったかと心配になる。しかし答えはしっかりとした声だった。
「そうならないように……頑張ります……」
「そうか、レオが辛い時には呼んでくれ。そういう時は漬け込みやすいからな」
「ふふっ……」
「ああ、レオ……」
向かい側のソファにレオを下ろす。そしてすっかり萎れてしまった自分自身を取り出し、着衣を整える。レオのブラウスのボタンもとめてやって、乱れた服を正した。体に触れればまだビクビクと愛を欲していた。視線が絡んだので顔を寄せれば、さっきの言葉とは裏腹に、唇を求めて頭を浮かせる。
レオの唇がかすめた。だから十分に唇を濡らしてやる。レオが求めて口を開いたので、体がソファに埋まるほど奥を求めた。
「兄様は行くけど、ひとつだけ。夜こそ使用人はいたほうがいい。あんな危ない死刑囚がいるんだ。ここに来る輩はろくでもない者ばかりだ」
「ルーク……」
「そうだ、こういうレオを狙った狼がいっぱい来るからな」
うっとりと私を見つめるレオの頬を撫でた。後ろでジルの布が擦れる音がする。
「レオ、面会の費用はこれで足りるか?」
それまで一切の声を発しなかったジルが大声を上げる。それに驚きレオが竦み上がった。
「ジル……お前は……」
「いいえ。ジルらしくて素敵です。でも愛をいただきました。金で買ったと、その方が都合が良ければ遠慮なくいただきます」
私はジルに対する怒りと、レオの強い言葉に驚きを隠せなかった。頬を撫でていた手に余計な力が入る。レオはそれをそっと包み、私を見て首を横に振る。
「わかった。ではこれで失礼する」
礼節とは程遠い態度でジルはさっさと部屋を出ようとする。レオの頭を撫でて出て行こうとした時、後ろから指を掴まれた。
「ご武運を……」
その悲しい声に心が暴れ出さないように、まっすぐ歩き出す。怒りで足音が大きくなっているジルを追いかけながら、これからのことを憂いた。
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