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2部 焼け落ちる瑞鳥の止まり木
第16話 優しさとは(ルーク視点)※
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出征して2度と会えないかもしれないという可能性が、彼の発言を大胆にしていた。このままでは知られたくない事実をジルに知られてしまう。
「愛することに資格など要らない」
「では愛されることに資格があるのだとでも言うのか! 私にはその資格がない! 私は! 私は!」
またレオがパニック状態になってしまう。
「ジル、しっかり支えていろ」
ジルは頷きレオの腹に腕を回して抱き寄せる。
「ジルは不能だ。ジルの代わりに私が弟を抱いている」
唐突な言葉にレオはともかくジルも目を見開く。黙っていろとジルに視線を送り、続けた。
「愛される資格がない? 愛されればレオは受け入れるのか?」
ジルの前にゆっくり移動して、暴れ出さないことを用心深く確認する。ゆっくり手を伸ばし、指先が頬に触れた。涙で濡れたからか、とても冷たかった。それが憐憫を誘う。
「ジルが不能なのは責めないで欲しい。愛したくたって愛せないのだ。それを知られたくなくて遠ざけていた」
「そ……そんな……嘘を……」
「腰が当たっているだろう。確かめなくても事実は事実だ」
ジルはルイス以外には反応しない。それが優しさといえるのかどうかはこの場ではよくわからなかった。
「私が……私が汚れているからだ……ジルは優しい……だから……」
「汚れてなどいない。誰もお前を汚すことなどできない」
「悪魔は上辺だけの言葉で……私からこれ以上何を奪おうと……ひっ……」
たちまちに涙が瞳から溢れ、頬を伝う。それを唇で拾い上げた。
「ほら、触ってごらん。レオが美しいからこうなっているんだ」
レオの弱々しい腕を掴み、自分の下半身に当てがう。レオは顔を背けるが、耳まで紅潮していた。この時確信した。ずっと疑問に思っていたのだ。我が弟ながらいまいちパッとしないジルに固執しているのは何故か。それはきっと庸人だった自分を卑下する心から生み落とされた憧憬だったのだろう。ジルならば自分のような者でも愛してくれるかもしれない、庸人の弟を愛するように、と。
「レオが嫌ならもうこれ以上はしない。でもレオが汚れていないって、確かめたいなら兄様の言う通りにして」
「おい、ルーク」
「お前は黙ってろ、役立たずが」
「なんだとこのクソ野郎!」
ジルに抱えられたレオにそっと顔を寄せた。そして唇に軽くキスを落とす。
「いい子だ。兄様がいつもするように愛してあげる。質問をしたら、はい、と答えるんだ。わかったね?」
「……はい」
そのレオの答えに、ジルが私の胸ぐらを掴む。
「自分が抱けないからと、羨ましがるんじゃない」
ジルの腕を払い除け、レオのブラウスをひらく。外気に触れたからかレオは身を縮こめて、わずかに抵抗した。
「ああ、もう愛される準備ができているね。兄様がレオを美しく咲かせてあげるから、ジルにそれを見てもらおうね」
「ぁ……あ……ジル……」
「名前を呼んではいけないよ。兄様が少し悲しくなるからね」
「は……ぁ……はい……」
レオは私が胸に唇を寄せる前から震えていた。息をかければさらに震え、胸に置かれた蕾が期待で膨れ上がっている。
「ああ、可愛い蕾だね。兄様が咲かせてあげてもいいかな?」
「はい」
口を開き、蕾の周りごと吸い上げる。そうして口の中で震える蕾の先端を捏ねた。
「んんっ……んっ……」
もう一つの蕾も綻ぶよう、指先で丁寧に摘んで捏ねた。
「レオ、声を我慢してはいけないよ。上手に愛されたいのならば、ちゃんと鳴かなくては愛が伝わらない」
「ふ……ん……はい……あっあっ」
「いい子だ。愛されるのがとてもうまいね。兄様が本当にそう思っているのがわかるかい?」
ジルの足を開いて股間をレオに押し当てる。
「はい……はい……」
恍惚とした表情に涙が伝う。それを定期的にすくうと共に、何度も何度も唇にキスを重ねた。
レオの上半身が茹でたように紅い。そしてブラウスを払うのに少し指先が触れるだけで、体全体が踊る。
「レオは兄様に愛されるのを待っていてくれたんだね。とても綺麗だよ。兄様が本当にそう思っているって、ちゃんとわかっているね?」
「はい……あぁ……」
「もう我慢ができない?」
「あぁ……ぁ……はい……はい……」
レオを掴んでいたジルの腕をどかして、下の服に手をかける。その時、ジルが腕を掴んだ。何も言わず、ただただ懇願するような顔を向ける。
「いつものように大人しく見ていろ」
腕を払い除け、言い放つ。ジルには空中を握り、そのまま腕を下ろした。それでいい、お前を責めているのではないと視線を送る。
レオの下半身を剥けば、花芯から蜜がこぼれ落ちていた。少し触れるだけで破けてしまうほど張りつめている。それが今までジルに隠し通した気持ちだと思うと胸が痛んだ。
花芯を口に含もうと顔を寄せた時、それまで大人しかったレオが動いた。顔を見やると、イヤイヤと顔を横に振っている。
「ここは兄様には触られたくないかい?」
「はい……」
「ジル以外は嫌かな?」
またしてもレオが首を振る。擦れる声で弱々しく、レオが呟く。
「欲しい……ルーカス……愛を……ください……」
「ああ、わかった。こんなに美しいのに勿体ないが……おい、ジル。いつもの寄越せ」
ルイスを愛する時に使う軟膏は、いつもジルが持ち歩いていた。微動だにしないジルの左のポケットを勝手に漁り、軟膏を取り上げる。
そうして自分自身にそれを塗りたくり、レオの足を持ち上げた。花芯の奥の窄まりは、すでに開いている。中から油のようなものが垂れているのを見ると、きっと用意していたのだろう。もしくは、ジルが来ると知って、自分を慰めていたのかもしれない。
「愛することに資格など要らない」
「では愛されることに資格があるのだとでも言うのか! 私にはその資格がない! 私は! 私は!」
またレオがパニック状態になってしまう。
「ジル、しっかり支えていろ」
ジルは頷きレオの腹に腕を回して抱き寄せる。
「ジルは不能だ。ジルの代わりに私が弟を抱いている」
唐突な言葉にレオはともかくジルも目を見開く。黙っていろとジルに視線を送り、続けた。
「愛される資格がない? 愛されればレオは受け入れるのか?」
ジルの前にゆっくり移動して、暴れ出さないことを用心深く確認する。ゆっくり手を伸ばし、指先が頬に触れた。涙で濡れたからか、とても冷たかった。それが憐憫を誘う。
「ジルが不能なのは責めないで欲しい。愛したくたって愛せないのだ。それを知られたくなくて遠ざけていた」
「そ……そんな……嘘を……」
「腰が当たっているだろう。確かめなくても事実は事実だ」
ジルはルイス以外には反応しない。それが優しさといえるのかどうかはこの場ではよくわからなかった。
「私が……私が汚れているからだ……ジルは優しい……だから……」
「汚れてなどいない。誰もお前を汚すことなどできない」
「悪魔は上辺だけの言葉で……私からこれ以上何を奪おうと……ひっ……」
たちまちに涙が瞳から溢れ、頬を伝う。それを唇で拾い上げた。
「ほら、触ってごらん。レオが美しいからこうなっているんだ」
レオの弱々しい腕を掴み、自分の下半身に当てがう。レオは顔を背けるが、耳まで紅潮していた。この時確信した。ずっと疑問に思っていたのだ。我が弟ながらいまいちパッとしないジルに固執しているのは何故か。それはきっと庸人だった自分を卑下する心から生み落とされた憧憬だったのだろう。ジルならば自分のような者でも愛してくれるかもしれない、庸人の弟を愛するように、と。
「レオが嫌ならもうこれ以上はしない。でもレオが汚れていないって、確かめたいなら兄様の言う通りにして」
「おい、ルーク」
「お前は黙ってろ、役立たずが」
「なんだとこのクソ野郎!」
ジルに抱えられたレオにそっと顔を寄せた。そして唇に軽くキスを落とす。
「いい子だ。兄様がいつもするように愛してあげる。質問をしたら、はい、と答えるんだ。わかったね?」
「……はい」
そのレオの答えに、ジルが私の胸ぐらを掴む。
「自分が抱けないからと、羨ましがるんじゃない」
ジルの腕を払い除け、レオのブラウスをひらく。外気に触れたからかレオは身を縮こめて、わずかに抵抗した。
「ああ、もう愛される準備ができているね。兄様がレオを美しく咲かせてあげるから、ジルにそれを見てもらおうね」
「ぁ……あ……ジル……」
「名前を呼んではいけないよ。兄様が少し悲しくなるからね」
「は……ぁ……はい……」
レオは私が胸に唇を寄せる前から震えていた。息をかければさらに震え、胸に置かれた蕾が期待で膨れ上がっている。
「ああ、可愛い蕾だね。兄様が咲かせてあげてもいいかな?」
「はい」
口を開き、蕾の周りごと吸い上げる。そうして口の中で震える蕾の先端を捏ねた。
「んんっ……んっ……」
もう一つの蕾も綻ぶよう、指先で丁寧に摘んで捏ねた。
「レオ、声を我慢してはいけないよ。上手に愛されたいのならば、ちゃんと鳴かなくては愛が伝わらない」
「ふ……ん……はい……あっあっ」
「いい子だ。愛されるのがとてもうまいね。兄様が本当にそう思っているのがわかるかい?」
ジルの足を開いて股間をレオに押し当てる。
「はい……はい……」
恍惚とした表情に涙が伝う。それを定期的にすくうと共に、何度も何度も唇にキスを重ねた。
レオの上半身が茹でたように紅い。そしてブラウスを払うのに少し指先が触れるだけで、体全体が踊る。
「レオは兄様に愛されるのを待っていてくれたんだね。とても綺麗だよ。兄様が本当にそう思っているって、ちゃんとわかっているね?」
「はい……あぁ……」
「もう我慢ができない?」
「あぁ……ぁ……はい……はい……」
レオを掴んでいたジルの腕をどかして、下の服に手をかける。その時、ジルが腕を掴んだ。何も言わず、ただただ懇願するような顔を向ける。
「いつものように大人しく見ていろ」
腕を払い除け、言い放つ。ジルには空中を握り、そのまま腕を下ろした。それでいい、お前を責めているのではないと視線を送る。
レオの下半身を剥けば、花芯から蜜がこぼれ落ちていた。少し触れるだけで破けてしまうほど張りつめている。それが今までジルに隠し通した気持ちだと思うと胸が痛んだ。
花芯を口に含もうと顔を寄せた時、それまで大人しかったレオが動いた。顔を見やると、イヤイヤと顔を横に振っている。
「ここは兄様には触られたくないかい?」
「はい……」
「ジル以外は嫌かな?」
またしてもレオが首を振る。擦れる声で弱々しく、レオが呟く。
「欲しい……ルーカス……愛を……ください……」
「ああ、わかった。こんなに美しいのに勿体ないが……おい、ジル。いつもの寄越せ」
ルイスを愛する時に使う軟膏は、いつもジルが持ち歩いていた。微動だにしないジルの左のポケットを勝手に漁り、軟膏を取り上げる。
そうして自分自身にそれを塗りたくり、レオの足を持ち上げた。花芯の奥の窄まりは、すでに開いている。中から油のようなものが垂れているのを見ると、きっと用意していたのだろう。もしくは、ジルが来ると知って、自分を慰めていたのかもしれない。
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