81 / 240
1部番外編
初めて見るアシュレイの顔 (13)※
しおりを挟む
僕はしばらく快感に打ちひしがれて動けず震えていた。アシュレイは荒々しい息を整えながら僕の横に寝転がり抱きしめてくれる。
「ノア……大丈夫か? こんなに震えて……」
「ぁ……アシュレイが……好き……」
アシュレイは驚いた顔で僕の顔を覗き込む。それはこんなに馴れ馴れしい言葉遣いにびっくりしているのだろうと思って、小さく謝罪を述べた。
「なにを謝る必要があるのだ……ルイスに話すように、話しかけてほしい、そう羨ましがっていたんだ」
「アシュレイ……格好が良くて好き……僕だけ愛してくれて……嬉しい……嬉しい……」
「ずいぶん嬉しいことを言ってくれるな。どうしたんだ……」
アシュレイが僕を抱き寄せる。体がガクガクで、僕はアシュレイに祝福のキスをできない。アシュレイがなにか思い当たる節があったのか、ハッとして空気を揺らした。
「かわいいと言われるのは不服か?」
そういえばそんなことを言ってくれていた。でも忘れてしまうほどどうでもよかった。
「好き……好き……」
「そうか……」
嬉しそうな息が漏れたと思ったら、息ができないほど抱きしめられる。しばらくアシュレイの熱い肌に抱かれまどろんでいた。
「ルイスに申し訳ないことをしたな」
アシュレイがぼんやりと言う。
「ルイスに、お礼と謝罪をしておきます」
アシュレイが急に僕の唇を奪って、そのあと僕をじっと見た。
「また口調が戻ってしまったな。さっきのように話してはくれないか?」
さっきの余熱が僕の胸を少しずつ焦がして、僕ははしたないことを臆面もなく口走ってしまう。
「ルイスが帰ったら……また愛してほしい……」
アシュレイが吹き出して恥ずかしそうに笑う。こんな彼を初めて見た。僕は我慢ができなくなって、アシュレイの美しい顔に手を伸ばす。
「かっこいい……」
「格好がいいのが好みか?」
「アシュレイが……アシュリーの頃から僕の全てです……僕もアシュリーに倣って年少の子らにパンを分け与えました。その時にアシュリーの強さを思い知りました」
アシュレイは唐突な僕の昔話に面をくらい笑いが止まった。
「高潔で、家族を思いやるアシュレイも尊敬しています。僕のような配慮のない者にまで後悔のないよう律してくれる、優しく強いお方です」
アシュレイの瞳に不安が宿る。だから僕は僕の全てを曝け出した。
「そんなアシュレイが僕を情熱的に愛してくれるのが夢のようなのです。僕だけだと言ってくれる、それに報いるには僕の体だけでは足りない気すらしています。だからもっとわがままを言ってほしい……もっと僕を困らせてください……」
アシュレイは目を見開いて起き上がった。僕は僕自身の欲望を曝け出し過ぎたと感じ、固く目を閉じて彼の言葉を待つ。
アシュレイが僕の足を持ち上げる。何事かと上半身を起こすと、彼の漆黒の森が僕の尻にあてがわれていた。
「ルイスが帰った後とは言わず、もう一度構わないか?」
さっき確実に果てていた彼自身が、熱を帯びて僕にあてがわれている。
僕が手を伸ばすと逞しい腕で抱き上げられ、僕は彼の太腿と湖に沈んでいく。
ルイスが買い出しから戻って来た時、塔の魔力計測機の針が壊れたと騒ぎ出した。針は振り切ってしまって3日ほど元には戻らなかった。
「ノア……大丈夫か? こんなに震えて……」
「ぁ……アシュレイが……好き……」
アシュレイは驚いた顔で僕の顔を覗き込む。それはこんなに馴れ馴れしい言葉遣いにびっくりしているのだろうと思って、小さく謝罪を述べた。
「なにを謝る必要があるのだ……ルイスに話すように、話しかけてほしい、そう羨ましがっていたんだ」
「アシュレイ……格好が良くて好き……僕だけ愛してくれて……嬉しい……嬉しい……」
「ずいぶん嬉しいことを言ってくれるな。どうしたんだ……」
アシュレイが僕を抱き寄せる。体がガクガクで、僕はアシュレイに祝福のキスをできない。アシュレイがなにか思い当たる節があったのか、ハッとして空気を揺らした。
「かわいいと言われるのは不服か?」
そういえばそんなことを言ってくれていた。でも忘れてしまうほどどうでもよかった。
「好き……好き……」
「そうか……」
嬉しそうな息が漏れたと思ったら、息ができないほど抱きしめられる。しばらくアシュレイの熱い肌に抱かれまどろんでいた。
「ルイスに申し訳ないことをしたな」
アシュレイがぼんやりと言う。
「ルイスに、お礼と謝罪をしておきます」
アシュレイが急に僕の唇を奪って、そのあと僕をじっと見た。
「また口調が戻ってしまったな。さっきのように話してはくれないか?」
さっきの余熱が僕の胸を少しずつ焦がして、僕ははしたないことを臆面もなく口走ってしまう。
「ルイスが帰ったら……また愛してほしい……」
アシュレイが吹き出して恥ずかしそうに笑う。こんな彼を初めて見た。僕は我慢ができなくなって、アシュレイの美しい顔に手を伸ばす。
「かっこいい……」
「格好がいいのが好みか?」
「アシュレイが……アシュリーの頃から僕の全てです……僕もアシュリーに倣って年少の子らにパンを分け与えました。その時にアシュリーの強さを思い知りました」
アシュレイは唐突な僕の昔話に面をくらい笑いが止まった。
「高潔で、家族を思いやるアシュレイも尊敬しています。僕のような配慮のない者にまで後悔のないよう律してくれる、優しく強いお方です」
アシュレイの瞳に不安が宿る。だから僕は僕の全てを曝け出した。
「そんなアシュレイが僕を情熱的に愛してくれるのが夢のようなのです。僕だけだと言ってくれる、それに報いるには僕の体だけでは足りない気すらしています。だからもっとわがままを言ってほしい……もっと僕を困らせてください……」
アシュレイは目を見開いて起き上がった。僕は僕自身の欲望を曝け出し過ぎたと感じ、固く目を閉じて彼の言葉を待つ。
アシュレイが僕の足を持ち上げる。何事かと上半身を起こすと、彼の漆黒の森が僕の尻にあてがわれていた。
「ルイスが帰った後とは言わず、もう一度構わないか?」
さっき確実に果てていた彼自身が、熱を帯びて僕にあてがわれている。
僕が手を伸ばすと逞しい腕で抱き上げられ、僕は彼の太腿と湖に沈んでいく。
ルイスが買い出しから戻って来た時、塔の魔力計測機の針が壊れたと騒ぎ出した。針は振り切ってしまって3日ほど元には戻らなかった。
0
お気に入りに追加
491
あなたにおすすめの小説
どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~
さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」
あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。
弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。
弟とは凄く仲が良いの!
それはそれはものすごく‥‥‥
「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」
そんな関係のあたしたち。
でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥
「うそっ! お腹が出て来てる!?」
お姉ちゃんの秘密の悩みです。


転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~
月
恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん)
は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。
しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!?
(もしかして、私、転生してる!!?)
そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!!
そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~
さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。
そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。
姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。
だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。
その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。
女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。
もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。
周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか?
侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

王道学園の冷徹生徒会長、裏の顔がバレて総受けルート突入しちゃいました!え?逃げ場無しですか?
名無しのナナ氏
BL
王道学園に入学して1ヶ月でトップに君臨した冷徹生徒会長、有栖川 誠(ありすがわ まこと)。常に冷静で無表情、そして無言の誠を生徒達からは尊敬の眼差しで見られていた。
そんな彼のもう1つの姿は… どの企業にも属さないにも関わらず、VTuber界で人気を博した個人VTuber〈〈 アイリス 〉〉!? 本性は寂しがり屋の泣き虫。色々あって周りから誤解されまくってしまった結果アイリスとして素を出していた。そんなある日、生徒会の仕事を1人で黙々とやっている内に疲れてしまい__________
※
・非王道気味
・固定カプ予定は無い
・悲しい過去🐜のたまにシリアス
・話の流れが遅い
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる