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1部番外編
初めて見るアシュレイの顔 (13)※
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僕はしばらく快感に打ちひしがれて動けず震えていた。アシュレイは荒々しい息を整えながら僕の横に寝転がり抱きしめてくれる。
「ノア……大丈夫か? こんなに震えて……」
「ぁ……アシュレイが……好き……」
アシュレイは驚いた顔で僕の顔を覗き込む。それはこんなに馴れ馴れしい言葉遣いにびっくりしているのだろうと思って、小さく謝罪を述べた。
「なにを謝る必要があるのだ……ルイスに話すように、話しかけてほしい、そう羨ましがっていたんだ」
「アシュレイ……格好が良くて好き……僕だけ愛してくれて……嬉しい……嬉しい……」
「ずいぶん嬉しいことを言ってくれるな。どうしたんだ……」
アシュレイが僕を抱き寄せる。体がガクガクで、僕はアシュレイに祝福のキスをできない。アシュレイがなにか思い当たる節があったのか、ハッとして空気を揺らした。
「かわいいと言われるのは不服か?」
そういえばそんなことを言ってくれていた。でも忘れてしまうほどどうでもよかった。
「好き……好き……」
「そうか……」
嬉しそうな息が漏れたと思ったら、息ができないほど抱きしめられる。しばらくアシュレイの熱い肌に抱かれまどろんでいた。
「ルイスに申し訳ないことをしたな」
アシュレイがぼんやりと言う。
「ルイスに、お礼と謝罪をしておきます」
アシュレイが急に僕の唇を奪って、そのあと僕をじっと見た。
「また口調が戻ってしまったな。さっきのように話してはくれないか?」
さっきの余熱が僕の胸を少しずつ焦がして、僕ははしたないことを臆面もなく口走ってしまう。
「ルイスが帰ったら……また愛してほしい……」
アシュレイが吹き出して恥ずかしそうに笑う。こんな彼を初めて見た。僕は我慢ができなくなって、アシュレイの美しい顔に手を伸ばす。
「かっこいい……」
「格好がいいのが好みか?」
「アシュレイが……アシュリーの頃から僕の全てです……僕もアシュリーに倣って年少の子らにパンを分け与えました。その時にアシュリーの強さを思い知りました」
アシュレイは唐突な僕の昔話に面をくらい笑いが止まった。
「高潔で、家族を思いやるアシュレイも尊敬しています。僕のような配慮のない者にまで後悔のないよう律してくれる、優しく強いお方です」
アシュレイの瞳に不安が宿る。だから僕は僕の全てを曝け出した。
「そんなアシュレイが僕を情熱的に愛してくれるのが夢のようなのです。僕だけだと言ってくれる、それに報いるには僕の体だけでは足りない気すらしています。だからもっとわがままを言ってほしい……もっと僕を困らせてください……」
アシュレイは目を見開いて起き上がった。僕は僕自身の欲望を曝け出し過ぎたと感じ、固く目を閉じて彼の言葉を待つ。
アシュレイが僕の足を持ち上げる。何事かと上半身を起こすと、彼の漆黒の森が僕の尻にあてがわれていた。
「ルイスが帰った後とは言わず、もう一度構わないか?」
さっき確実に果てていた彼自身が、熱を帯びて僕にあてがわれている。
僕が手を伸ばすと逞しい腕で抱き上げられ、僕は彼の太腿と湖に沈んでいく。
ルイスが買い出しから戻って来た時、塔の魔力計測機の針が壊れたと騒ぎ出した。針は振り切ってしまって3日ほど元には戻らなかった。
「ノア……大丈夫か? こんなに震えて……」
「ぁ……アシュレイが……好き……」
アシュレイは驚いた顔で僕の顔を覗き込む。それはこんなに馴れ馴れしい言葉遣いにびっくりしているのだろうと思って、小さく謝罪を述べた。
「なにを謝る必要があるのだ……ルイスに話すように、話しかけてほしい、そう羨ましがっていたんだ」
「アシュレイ……格好が良くて好き……僕だけ愛してくれて……嬉しい……嬉しい……」
「ずいぶん嬉しいことを言ってくれるな。どうしたんだ……」
アシュレイが僕を抱き寄せる。体がガクガクで、僕はアシュレイに祝福のキスをできない。アシュレイがなにか思い当たる節があったのか、ハッとして空気を揺らした。
「かわいいと言われるのは不服か?」
そういえばそんなことを言ってくれていた。でも忘れてしまうほどどうでもよかった。
「好き……好き……」
「そうか……」
嬉しそうな息が漏れたと思ったら、息ができないほど抱きしめられる。しばらくアシュレイの熱い肌に抱かれまどろんでいた。
「ルイスに申し訳ないことをしたな」
アシュレイがぼんやりと言う。
「ルイスに、お礼と謝罪をしておきます」
アシュレイが急に僕の唇を奪って、そのあと僕をじっと見た。
「また口調が戻ってしまったな。さっきのように話してはくれないか?」
さっきの余熱が僕の胸を少しずつ焦がして、僕ははしたないことを臆面もなく口走ってしまう。
「ルイスが帰ったら……また愛してほしい……」
アシュレイが吹き出して恥ずかしそうに笑う。こんな彼を初めて見た。僕は我慢ができなくなって、アシュレイの美しい顔に手を伸ばす。
「かっこいい……」
「格好がいいのが好みか?」
「アシュレイが……アシュリーの頃から僕の全てです……僕もアシュリーに倣って年少の子らにパンを分け与えました。その時にアシュリーの強さを思い知りました」
アシュレイは唐突な僕の昔話に面をくらい笑いが止まった。
「高潔で、家族を思いやるアシュレイも尊敬しています。僕のような配慮のない者にまで後悔のないよう律してくれる、優しく強いお方です」
アシュレイの瞳に不安が宿る。だから僕は僕の全てを曝け出した。
「そんなアシュレイが僕を情熱的に愛してくれるのが夢のようなのです。僕だけだと言ってくれる、それに報いるには僕の体だけでは足りない気すらしています。だからもっとわがままを言ってほしい……もっと僕を困らせてください……」
アシュレイは目を見開いて起き上がった。僕は僕自身の欲望を曝け出し過ぎたと感じ、固く目を閉じて彼の言葉を待つ。
アシュレイが僕の足を持ち上げる。何事かと上半身を起こすと、彼の漆黒の森が僕の尻にあてがわれていた。
「ルイスが帰った後とは言わず、もう一度構わないか?」
さっき確実に果てていた彼自身が、熱を帯びて僕にあてがわれている。
僕が手を伸ばすと逞しい腕で抱き上げられ、僕は彼の太腿と湖に沈んでいく。
ルイスが買い出しから戻って来た時、塔の魔力計測機の針が壊れたと騒ぎ出した。針は振り切ってしまって3日ほど元には戻らなかった。
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