幽閉塔の早贄

大田ネクロマンサー

文字の大きさ
上 下
68 / 240
1部番外編

ジルの非番(4)※

しおりを挟む
ジルは僕の腰を掴んで、ジルの昂りに誘う。

「これが欲しいと、もう一度言っておくれ」

「ジルが欲しい……ジル……僕がジルを好きだって……信じてくれますか……?」

「ああ。今度は兄様がお前をどれほど愛してるか教えてあげるから……もう泣かないでくれ……」

ジルは僕を引き寄せ、何度もキスをしてくれた。

「ルークとの約束どおりこのまま、腰を下ろしてごらん」

ジルはその辺に転がしていた軟膏を自身に塗りたくり、そして僕はゆっくりそれを飲み込んでいく。

「あっあっ……」

「最初はそこまででいい。ルイス、兄様にキスをしておくれ」

言われたとおりジルにキスを落とすと、ジルは僕をじっと見つめた。綺麗なブルーの瞳に僕の影が薄ら映っている。僕はさっきから限界が近くて息が上がってその輪郭が揺れていた。

「ルイス……ルークに内緒で言ってもらいたいことが……」

「あっ……ぁ……ジルの方が好き……」

ジルが笑ったから瞳に映る僕の輪郭が消えた。

「ルークにも言わされたことがあるのか?」

「ない……です……」

僕の中のジルが急に太くなって僕は悲鳴を上げる。自分自身を握る手を強める。

「兄様ぁ! あぁっ!……んっ……ごめんなさい……もうダメ……」

「もう一度言ってくれないか?」

「あっ! ジルっ……! 奥までくださいっ!」

ジルが僕の腰を掴んで一気に突き上げる。その衝撃で僕は吐精してしまったかと思った。

「うあぁぁああああんっ!」

でも違った。ルークがある場所を押して導いてくれる吐精のない絶頂だった。奥で達するあまりの快感に僕は定期的に痙攣し、その度にボタボタと落ちる汗でジルの腹を濡らす。

「ぁ……あぁっ……ジルの方が……好き……」

ジルのそれはまた僕の中で膨張する。腰を掴み更に奥を押す。

「ひゃあああん! あっおくっダメっ!」

ジルは大して引き抜きもせず、僕がダメだと言っているところを激しく押し込む。

「ジルぅっ!ジルっ!ジルぅっ!」

ガクガクと腰が痙攣しまた快楽が迫り上がるから、自分自身を握る手に力を込める。それに集中していたら、鼻で息をすることも忘れ、ダラダラと涎が溢れて糸を引く。

またさっきの快楽が差し迫った頃、ジルは起き上がり僕を抱きしめた。

「もう一度……兄様の目を見て言ってくれ」

「ぁ……ジルの方が……好き……好きなの……」

ジルは眉間にシワを寄せ僕の涎をキスで拭った。

「ジルは……僕のこと……」

ジルはそれには答えずに、僕を抱えたまま横に転がり覆いかぶさった。腰を掴み、ゆっくり引き抜いて、そうしてまた奥に押し込む。もうそれ以上奥など無いのに、すごい質量が僕の限界を突破しようと叩きつけられる。声も上ずってうまく出せない。

「また……おかしくなっちゃう……ジル……もうダメ……!」

小さく言ったら目の前が真っ白になって、さっきの快感に飲まれていく。汗が吹き出して膝の裏から滴るのを感じる。

震える僕を眺めていたジルは背中を丸め、僕の胸に立つ片方の先端を舌で舐めあげる。

「ひぁっ……今……ダメ……ダメ!」

ダメだと言うのに、ジルは背中を丸めながら胸に吸い付き、腰を動かす。

「ジル……やめて……おかしく……なっちゃう……やめてぇ!」

「もう一度言ってくれ」

「ジルがぁ……ああっ! 好きなの! ああっ! もう……やめてぇ……」

ジルは僕自身を掴んでいた手を引き剥がし、両腕を引っ張る。

「ああああああっ!」

深く差し込まれたジルに身悶えする間もなく、激しく腰を打ち付けられる。1回、2回、打ちつけられたら、僕は体を仰け反らせて空中に白濁を散らした。

「はぁっ……! ご……ごめん……なさい……ごめんなさい……」

「兄様が好きか?」

「ジル……ジルが好きなの……」

「ああ……なんてかわいい声を出すんだ……」

「ごめんなさい……兄様……」

「なにを謝ることがあるのだ……もう少し……頑張れるか?」

僕はガクガクと頷いて、ジルの顔に手を伸ばす。その時、今まで静かだった屋敷に物音が響いた。僕とジルは顔を見合わせる。

ルークが帰ってきたのだ。窓の外を見ればすっかり夕方だった。

「ルイス……さっき言ったこと……ルークには内緒だぞ……?」

ジルは困った顔で、でもなんだか安心したような様子だった。

「兄様、じゃあ僕を上にしてください。約束破ったこと内緒にしてくれますか?」

ジルはふっと笑って、僕を抱えながら横に転がった。僕がジルの上に乗っかった時に、部屋の戸が勢いよく開け放たれる。

「お? お楽しみ中すまない! ちゃんと約束守れたようだな? どうだ、ジルにちゃんとしてあげられたか?」

ルークはドアを閉めるなり服を脱ぎながらベッドにドカドカ歩いてくる。そして僕を後ろから抱いたところで、ジルの腹の上に撒き散らされた僕の白濁を見て首を傾げる。

「兄様……失敗して……ジルを満足させられませんでした……」

ルークは僕のこめかみにじゅうっと音を立ててキスをする。そして嬉しそうな顔をして僕の顔を覗き込んだ。

「ルイス……よく頑張ったね……なんてかわいいんだ……兄様が教えてあげるから、もう少し頑張れるかい?」

「はい!」

「あぁ……いいお返事だ……ご褒美に兄様たちがいっぱいしてあげるからね……」

僕の背中にルークの熱い情熱が押し当てられる。僕がチラッとジルを見たら、ジルは今日1番の笑顔で僕たちを眺めていた。
しおりを挟む
口なしに熱風| ふざけた女装の隣国王子が我が国の後宮で無双をはじめるそうです

口なしの封緘

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義
感想 5

あなたにおすすめの小説

どうしよう私、弟にお腹を大きくさせられちゃった!~弟大好きお姉ちゃんの秘密の悩み~

さいとう みさき
恋愛
「ま、まさか!?」 あたし三鷹優美(みたかゆうみ)高校一年生。 弟の晴仁(はると)が大好きな普通のお姉ちゃん。 弟とは凄く仲が良いの! それはそれはものすごく‥‥‥ 「あん、晴仁いきなりそんなのお口に入らないよぉ~♡」 そんな関係のあたしたち。 でもある日トイレであたしはアレが来そうなのになかなか来ないのも気にもせずスカートのファスナーを上げると‥‥‥ 「うそっ! お腹が出て来てる!?」 お姉ちゃんの秘密の悩みです。

4人の兄に溺愛されてます

まつも☆きらら
BL
中学1年生の梨夢は5人兄弟の末っ子。4人の兄にとにかく溺愛されている。兄たちが大好きな梨夢だが、心配性な兄たちは時に過保護になりすぎて。

転生したら、6人の最強旦那様に溺愛されてます!?~6人の愛が重すぎて困ってます!~

恋愛
ある日、女子高生だった白川凛(しらかわりん) は学校の帰り道、バイトに遅刻しそうになったのでスピードを上げすぎ、そのまま階段から落ちて死亡した。 しかし、目が覚めるとそこは異世界だった!? (もしかして、私、転生してる!!?) そして、なんと凛が転生した世界は女性が少なく、一妻多夫制だった!!! そんな世界に転生した凛と、将来の旦那様は一体誰!?

【完結】兄の事を皆が期待していたので僕は離れます

まりぃべる
ファンタジー
一つ年上の兄は、国の為にと言われて意気揚々と村を離れた。お伽話にある、奇跡の聖人だと幼き頃より誰からも言われていた為、それは必然だと。 貧しい村で育った弟は、小さな頃より家の事を兄の分までせねばならず、兄は素晴らしい人物で対して自分は凡人であると思い込まされ、自分は必要ないのだからと弟は村を離れる事にした。 そんな弟が、自分を必要としてくれる人に会い、幸せを掴むお話。 ☆まりぃべるの世界観です。緩い設定で、現実世界とは違う部分も多々ありますがそこをあえて楽しんでいただけると幸いです。 ☆現実世界にも同じような名前、地名、言葉などがありますが、関係ありません。

父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

四季
恋愛
父親が再婚したことで地獄の日々が始まってしまいましたが……ある日その状況は一変しました。

壁乳

リリーブルー
BL
俺は後輩に「壁乳」に行こうと誘われた。 (作者の挿絵付きです。)

アルバイトで実験台

夏向りん
BL
給料いいバイトあるよ、と教えてもらったバイト先は大人用玩具実験台だった! ローター、オナホ、フェラ、玩具責め、放置、等々の要素有り

男装の麗人と呼ばれる俺は正真正銘の男なのだが~双子の姉のせいでややこしい事態になっている~

さいはて旅行社
BL
双子の姉が失踪した。 そのせいで、弟である俺が騎士学校を休学して、姉の通っている貴族学校に姉として通うことになってしまった。 姉は男子の制服を着ていたため、服装に違和感はない。 だが、姉は男装の麗人として女子生徒に恐ろしいほど大人気だった。 その女子生徒たちは今、何も知らずに俺を囲んでいる。 女性に囲まれて嬉しい、わけもなく、彼女たちの理想の王子様像を演技しなければならない上に、男性が女子寮の部屋に一歩入っただけでも騒ぎになる貴族学校。 もしこの事実がバレたら退学ぐらいで済むわけがない。。。 周辺国家の情勢がキナ臭くなっていくなかで、俺は双子の姉が戻って来るまで、協力してくれる仲間たちに笑われながらでも、無事にバレずに女子生徒たちの理想の王子様像を演じ切れるのか? 侯爵家の命令でそんなことまでやらないといけない自分を救ってくれるヒロインでもヒーローでも現れるのか?

処理中です...