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1部 ヤギと奇跡の器
第61話 奇跡の器 ※
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アシュレイは僕の問いに答えなかった。唇を探すように口を寄せ、ゆっくり何度も触れる。そうして僕の口を舌でこじ開けて、自分の舌でも触ったことがないようなところを優しく撫でてくれた。
唇が離れたと思ったら、アシュレイは僕の服の裾を持って、体中を手で撫でながら脱がしていく。首から服がすっぽり脱げたら、脱がす時に僕が反応した場所を熱い舌で丹念に濡らしてくれた。
悪魔に教えられた男にもある2つの蕾に、アシュレイが熱心に吸い付き、舐め上げる。声が漏れてしまうことを我慢ができなくて腕を口にあてていたら、アシュレイが腕に何度もキスをして、僕の腕をどけた。
「ふ……ぁ……あ……アシュレイ……気持ちがいい……」
無意識のうちに、ルイスとの練習で言わされた言葉が飛び出してしまう。でもアシュレイは嬉しそうに僕の顔に近づき、キスをしながら2つの蕾を同時に指で優しく摘み捻った。
「んんっ……んん……んんん……」
アシュレイは僕が持っていた軟膏の容器を取り上げた。僕の唇から離れたアシュレイの唇はどんどんと下っていって僕の太腿を熱心に舐めた。両足を広げられ恥ずかしいのに、その中心に触れてほしくて仕方がない。
我慢ができなくて手を伸ばし、それに添えたら、アシュレイは僕の指ごと口に含んだ。
「あぁ! アシュレイ……!」
アシュレイは僕の指を一本ずつ舌で引き剥がし、手を離したら先端から根元まで一気に飲み込まれた。
「ああぁっ! アシュレイ……アシュレイ……!」
初めての快感に声が飛び出してアシュレイを呼んでしまう。それが彼を勘違いさせたのか軟膏をすくった指が僕の窄まりに添えられた。
「んっ、あぁっ……あああ!」
指が今までにないくらいスルッと入る。アシュレイは僕の下半身が溶けてしまうのではないかというほど、丁寧に、そして深く、僕を愛してくれる。でもそれが僕を戻れない場所まで追い詰めていった。
「アシュレイ……責務を果たしたいわけではないのです……お願いです……お願いです……」
声が上ずってうまく出せない。でもアシュレイはゆらっと上半身を上げて、僕の腰を自分の方へグッと引いた。
アシュレイの大きく熱いそれが僕の入り口に押し当てられる。怖くないわけではなかった。でもその熱をもう1度欲しいという欲望の方が上回っていた。
「少しでも痛かったら……必ず言って欲しい……ノア……それが怖いのだ……」
アシュレイの顔がよくわからなかった。でもきっとあの不安そうな顔をしているのだろうと声色でわかった。胸がギュッと締め付けられて思わずアシュレイの手を握った。
「痛いのを我慢しません……でももう……待てない……アシュレイ……迎えに来て……」
遠くで聞こえていた浅い息が一瞬止まった。そして僕は手を引かれ、彼が迎えに来てくれた。
グッと一気にアシュレイが僕の中に入った時、僕はあの時と同じ湖に落ちた。悪魔がいなくなる時に僕を落とした、あの湖に。
「あ……ああ……」
でも不思議だった。あの時と違い、僕はアシュレイの声も聞こえるのだ。
「ノア……正直に言うんだ……痛くないか?」
「痛くない……アシュレイで……お腹がいっぱいに……なってる……」
僕の言葉に、アシュレイはそうか、と嬉しそうに囁いて、腰を折って僕を抱きしめてくれる。熱い素肌が僕の肌を焦がす。
「アシュレイ……もっと……」
僕は深い湖に落ちていく。あの時と違って、息苦しさがなかった。それにとても深い。
「もっと……知りたい……アシュレイ……」
アシュレイは僕を抱えたまま、ゆっくり腰を突き入れる。
「あっ、あっ……アシュレイ……もっと」
アシュレイの荒々しい息を水の中で聴いているようだった。でも僕はもっとこの湖の奥を知りたくて、アシュレイの名を呼び僕をもっと深くまで沈めて欲しいと懇願する。
「ノア……」
名前を呼ばれアシュレイの汗が落ちてきた時、僕にまとわりつく湖の水がくすぐったい快感に変わる。その時に気がついたのだ。
そうだ、これはアシュレイの器なんだ。
奇跡の器。その称号がなぜ器なのかなんて考えたこともなかった。今、感じていることを全て言葉にすることはできないけど、でもわかった。その喜びが胸を震わせて、目頭が熱くなる。
「ぁっ……アシュレイ……!」
アシュレイが苦しそうな顔で僕の口を塞ぐ。投げ出していた僕の手を固く握った。優しく、でも深くアシュレイは僕の奥を何度も押す。
「う……んっんっ……んんっ」
奇跡の器、そう称賛されるアシュレイの器は巨大で、そして孤独だった。僕は湖の底を目指す。僕はわかっていた。アシュレイが触れて欲しい場所を、僕はわかっていたのだ。
僕はアシュレイから唇を剥がして息継ぎをする。
「もっと……奥に……!」
「ノア……ダメだ……」
ボタボタと汗を落としてアシュレイは震えていた。
「あぁっ、あぁっ、もう少しだけ……お願い……アシュレイ!」
アシュレイが僕をきつく抱きしめ、そして自身をねじ込んだ。
「ぁああっ……あぁ……アシュレイ……もっと!」
湖は底が近づく度に上昇する潮流のようなものが渦巻いている。でもあともう少しだった。
アシュレイが僕の腰を掴んで、自身を打ち付ける。アシュレイの苦しそうな顔で湖の潮流が乱れていく。
「ノア……!」
僕の名前をアシュレイが苦しそうに呼んだ時。
僕の手が届いた。
次の瞬間僕は一気に湖の水面まで引き戻される。アシュレイが深く、僕の体を貫いた時に、僕は湖から溢れ出す水と快感に溺れ、巻き込まれていった。
僕は抗うこともできずに吐精をし、それがハラハラと空中に消えいていく。そして僕とアシュレイの中を通り、奇跡が僕の器に注ぎ込まれた。
僕は今まで感じたこともない恐怖と快感、アシュレイの孤独と愛に、どうしたらいいかわからず泣きだしてしまった。
「ノア……? 痛かったのか?」
「ううううっううっ……うううっ……」
離れようとするアシュレイの手を掴み、このままでいて欲しいと懇願する。僕は許容を超えた大きな真実に戸惑ってばかりだった。
「アシュレイ……ぐすっ……アシュレイ……」
「ノア……痛くないんだな?」
「い……いだぐない……ぐすっ」
アシュレイはふっと目を細めて僕の溢れる涙を舌で唇ですくってくれる。
「アシュレイ……それを……地に落とすことなく……僕に……ぐすっ……全部……注いでください……」
アシュレイはびっくりして僕を見る。僕はそれが拒絶のように思えて、嗚咽を堪えながら念を押した。
「僕以外に……ぐすっ……注がないで……ううううっ……お願いします……ふっ……」
アシュレイは慌てた様子で僕を抱きしめてくれた。
「約束する」
「僕に……うううううっ」
「約束する」
アシュレイは僕の背中の皮が剥がれるくらい撫で、唇が腫れてしまうほど何度もキスをしてくれた。
そして何度も何度も、僕に誓ってくれたのだ。
唇が離れたと思ったら、アシュレイは僕の服の裾を持って、体中を手で撫でながら脱がしていく。首から服がすっぽり脱げたら、脱がす時に僕が反応した場所を熱い舌で丹念に濡らしてくれた。
悪魔に教えられた男にもある2つの蕾に、アシュレイが熱心に吸い付き、舐め上げる。声が漏れてしまうことを我慢ができなくて腕を口にあてていたら、アシュレイが腕に何度もキスをして、僕の腕をどけた。
「ふ……ぁ……あ……アシュレイ……気持ちがいい……」
無意識のうちに、ルイスとの練習で言わされた言葉が飛び出してしまう。でもアシュレイは嬉しそうに僕の顔に近づき、キスをしながら2つの蕾を同時に指で優しく摘み捻った。
「んんっ……んん……んんん……」
アシュレイは僕が持っていた軟膏の容器を取り上げた。僕の唇から離れたアシュレイの唇はどんどんと下っていって僕の太腿を熱心に舐めた。両足を広げられ恥ずかしいのに、その中心に触れてほしくて仕方がない。
我慢ができなくて手を伸ばし、それに添えたら、アシュレイは僕の指ごと口に含んだ。
「あぁ! アシュレイ……!」
アシュレイは僕の指を一本ずつ舌で引き剥がし、手を離したら先端から根元まで一気に飲み込まれた。
「ああぁっ! アシュレイ……アシュレイ……!」
初めての快感に声が飛び出してアシュレイを呼んでしまう。それが彼を勘違いさせたのか軟膏をすくった指が僕の窄まりに添えられた。
「んっ、あぁっ……あああ!」
指が今までにないくらいスルッと入る。アシュレイは僕の下半身が溶けてしまうのではないかというほど、丁寧に、そして深く、僕を愛してくれる。でもそれが僕を戻れない場所まで追い詰めていった。
「アシュレイ……責務を果たしたいわけではないのです……お願いです……お願いです……」
声が上ずってうまく出せない。でもアシュレイはゆらっと上半身を上げて、僕の腰を自分の方へグッと引いた。
アシュレイの大きく熱いそれが僕の入り口に押し当てられる。怖くないわけではなかった。でもその熱をもう1度欲しいという欲望の方が上回っていた。
「少しでも痛かったら……必ず言って欲しい……ノア……それが怖いのだ……」
アシュレイの顔がよくわからなかった。でもきっとあの不安そうな顔をしているのだろうと声色でわかった。胸がギュッと締め付けられて思わずアシュレイの手を握った。
「痛いのを我慢しません……でももう……待てない……アシュレイ……迎えに来て……」
遠くで聞こえていた浅い息が一瞬止まった。そして僕は手を引かれ、彼が迎えに来てくれた。
グッと一気にアシュレイが僕の中に入った時、僕はあの時と同じ湖に落ちた。悪魔がいなくなる時に僕を落とした、あの湖に。
「あ……ああ……」
でも不思議だった。あの時と違い、僕はアシュレイの声も聞こえるのだ。
「ノア……正直に言うんだ……痛くないか?」
「痛くない……アシュレイで……お腹がいっぱいに……なってる……」
僕の言葉に、アシュレイはそうか、と嬉しそうに囁いて、腰を折って僕を抱きしめてくれる。熱い素肌が僕の肌を焦がす。
「アシュレイ……もっと……」
僕は深い湖に落ちていく。あの時と違って、息苦しさがなかった。それにとても深い。
「もっと……知りたい……アシュレイ……」
アシュレイは僕を抱えたまま、ゆっくり腰を突き入れる。
「あっ、あっ……アシュレイ……もっと」
アシュレイの荒々しい息を水の中で聴いているようだった。でも僕はもっとこの湖の奥を知りたくて、アシュレイの名を呼び僕をもっと深くまで沈めて欲しいと懇願する。
「ノア……」
名前を呼ばれアシュレイの汗が落ちてきた時、僕にまとわりつく湖の水がくすぐったい快感に変わる。その時に気がついたのだ。
そうだ、これはアシュレイの器なんだ。
奇跡の器。その称号がなぜ器なのかなんて考えたこともなかった。今、感じていることを全て言葉にすることはできないけど、でもわかった。その喜びが胸を震わせて、目頭が熱くなる。
「ぁっ……アシュレイ……!」
アシュレイが苦しそうな顔で僕の口を塞ぐ。投げ出していた僕の手を固く握った。優しく、でも深くアシュレイは僕の奥を何度も押す。
「う……んっんっ……んんっ」
奇跡の器、そう称賛されるアシュレイの器は巨大で、そして孤独だった。僕は湖の底を目指す。僕はわかっていた。アシュレイが触れて欲しい場所を、僕はわかっていたのだ。
僕はアシュレイから唇を剥がして息継ぎをする。
「もっと……奥に……!」
「ノア……ダメだ……」
ボタボタと汗を落としてアシュレイは震えていた。
「あぁっ、あぁっ、もう少しだけ……お願い……アシュレイ!」
アシュレイが僕をきつく抱きしめ、そして自身をねじ込んだ。
「ぁああっ……あぁ……アシュレイ……もっと!」
湖は底が近づく度に上昇する潮流のようなものが渦巻いている。でもあともう少しだった。
アシュレイが僕の腰を掴んで、自身を打ち付ける。アシュレイの苦しそうな顔で湖の潮流が乱れていく。
「ノア……!」
僕の名前をアシュレイが苦しそうに呼んだ時。
僕の手が届いた。
次の瞬間僕は一気に湖の水面まで引き戻される。アシュレイが深く、僕の体を貫いた時に、僕は湖から溢れ出す水と快感に溺れ、巻き込まれていった。
僕は抗うこともできずに吐精をし、それがハラハラと空中に消えいていく。そして僕とアシュレイの中を通り、奇跡が僕の器に注ぎ込まれた。
僕は今まで感じたこともない恐怖と快感、アシュレイの孤独と愛に、どうしたらいいかわからず泣きだしてしまった。
「ノア……? 痛かったのか?」
「ううううっううっ……うううっ……」
離れようとするアシュレイの手を掴み、このままでいて欲しいと懇願する。僕は許容を超えた大きな真実に戸惑ってばかりだった。
「アシュレイ……ぐすっ……アシュレイ……」
「ノア……痛くないんだな?」
「い……いだぐない……ぐすっ」
アシュレイはふっと目を細めて僕の溢れる涙を舌で唇ですくってくれる。
「アシュレイ……それを……地に落とすことなく……僕に……ぐすっ……全部……注いでください……」
アシュレイはびっくりして僕を見る。僕はそれが拒絶のように思えて、嗚咽を堪えながら念を押した。
「僕以外に……ぐすっ……注がないで……ううううっ……お願いします……ふっ……」
アシュレイは慌てた様子で僕を抱きしめてくれた。
「約束する」
「僕に……うううううっ」
「約束する」
アシュレイは僕の背中の皮が剥がれるくらい撫で、唇が腫れてしまうほど何度もキスをしてくれた。
そして何度も何度も、僕に誓ってくれたのだ。
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