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1部 ヤギと奇跡の器
第19話 枕の下
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アシュレイにプレゼントをもらった日、僕の名前を呼んで、僕の手と背中を触ってくれた日。
あの日から僕はおかしかった。
今日は奇しくも風がない。だからドアを閉めていても階下の声が聴こえてくる。
本を読んでなどいられなかった。犬のように息を切らし、体中から汗が噴き出す。
でもこれは今日に始まったことではない。読書や学習をしていられるのは朝の数時間だけだった。アシュレイにもらった香で心を落ち着かせようと思っても、一日中昂ってそれ以外のことを考えられない。
そのまま我慢して眠ると、朝に吐精する。その吐精の感覚で起きると数時間は平常心を保てる。だから昼はこうやって耐えているのだ。
一昨日、耐えきれずに夜に自分を慰めたら、結局次の日の朝も吐精して起きた。今までは2日に1度責務を果たせればいい方だったのに、こんなになってしまった自分の卑しさをルイスに知られたくなかった。
だから日中はこうやって我慢をするしかないのだ。我慢をするしかないのに。
「はっ……アシュリー……アシュレイ……ううんっ」
下半身におのずと手が伸びてしまう。絶叫のようなルイスの声が薄らと聴こえる。知らなかった頃ならば心配して階段を駆け下りていっただろう。
でもこの声の意味を知っている。ルイスがあんなに悦ぶ場所を知っている。ルイスが押してくれたあの場所をあの精悍な兄様たちが何度も何度も突いているのだ。
「ううっ……はっ……ぁっ!」
こんなことを考えてはならないと思うのに下半身が痛いほどに膨れ上がり、立ち上がることさえできない。突っ伏した机の上で拳を握りしめる。
「はっはぁっ!はっ……うううう」
アシュレイと午後に話したことを思い出そうとしても、ルイスが兄様に陰茎を入れられていたあの日の映像しか思い浮かばない。
アシュレイの手であんな風に触ってもらいたい。アシュレイの口で僕を犯して欲しい。アシュレイの肉棒で僕を突いて欲しい。兄様たちがルイスにするように僕を愛して欲しい。
「ううっううっ! んんっ」
目頭が熱い。でも涙が出ない。体中が火照っているだけで悲しいわけでもない。こんな卑しい自分に悲しむ感情すらないのだ。
「アシュリー……」
僕は机から顔を離し、勢いをつけて立ち上がる。そしてひきつれる股間を痛めるように歩き頭からベッドに倒れ込む。
ルイスの声が聴こえる。でもそれは違う。僕は卑しくも聞き耳を立てているのだ。
自分の固くなった下半身にわざと体重をかけて、枕を頭の上から押し当てる。それでも声が聴こえるのは欲望がそうさせる気がして、ブランケットを自分の下から引き抜いて頭から被った。それを息もできないほど押し付ける。
無音になった。
そう思ったら安心して意識が遠のいた。
最近夜もあまり眠れていなかった。
あの日から僕はおかしかった。
今日は奇しくも風がない。だからドアを閉めていても階下の声が聴こえてくる。
本を読んでなどいられなかった。犬のように息を切らし、体中から汗が噴き出す。
でもこれは今日に始まったことではない。読書や学習をしていられるのは朝の数時間だけだった。アシュレイにもらった香で心を落ち着かせようと思っても、一日中昂ってそれ以外のことを考えられない。
そのまま我慢して眠ると、朝に吐精する。その吐精の感覚で起きると数時間は平常心を保てる。だから昼はこうやって耐えているのだ。
一昨日、耐えきれずに夜に自分を慰めたら、結局次の日の朝も吐精して起きた。今までは2日に1度責務を果たせればいい方だったのに、こんなになってしまった自分の卑しさをルイスに知られたくなかった。
だから日中はこうやって我慢をするしかないのだ。我慢をするしかないのに。
「はっ……アシュリー……アシュレイ……ううんっ」
下半身におのずと手が伸びてしまう。絶叫のようなルイスの声が薄らと聴こえる。知らなかった頃ならば心配して階段を駆け下りていっただろう。
でもこの声の意味を知っている。ルイスがあんなに悦ぶ場所を知っている。ルイスが押してくれたあの場所をあの精悍な兄様たちが何度も何度も突いているのだ。
「ううっ……はっ……ぁっ!」
こんなことを考えてはならないと思うのに下半身が痛いほどに膨れ上がり、立ち上がることさえできない。突っ伏した机の上で拳を握りしめる。
「はっはぁっ!はっ……うううう」
アシュレイと午後に話したことを思い出そうとしても、ルイスが兄様に陰茎を入れられていたあの日の映像しか思い浮かばない。
アシュレイの手であんな風に触ってもらいたい。アシュレイの口で僕を犯して欲しい。アシュレイの肉棒で僕を突いて欲しい。兄様たちがルイスにするように僕を愛して欲しい。
「ううっううっ! んんっ」
目頭が熱い。でも涙が出ない。体中が火照っているだけで悲しいわけでもない。こんな卑しい自分に悲しむ感情すらないのだ。
「アシュリー……」
僕は机から顔を離し、勢いをつけて立ち上がる。そしてひきつれる股間を痛めるように歩き頭からベッドに倒れ込む。
ルイスの声が聴こえる。でもそれは違う。僕は卑しくも聞き耳を立てているのだ。
自分の固くなった下半身にわざと体重をかけて、枕を頭の上から押し当てる。それでも声が聴こえるのは欲望がそうさせる気がして、ブランケットを自分の下から引き抜いて頭から被った。それを息もできないほど押し付ける。
無音になった。
そう思ったら安心して意識が遠のいた。
最近夜もあまり眠れていなかった。
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