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1部 ヤギと奇跡の器
第8話 ブラウアー兄弟(1)※
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あれから一週間以上、アシュレイはこの塔に訪れなかった。それは僕がきちんと責務を果たせている証拠で喜ばしいことのはずなのに、心中は複雑だった。
ご家族が病気だとルイスが言っていた。ここに来ないということはご家族の容態が芳しくないのだろう。看病に忙しいことも心配だったが、なによりもアシュレイが心を砕くご家族のことが心配だった。
僕には家族がいないが、アシュリーが家族だと思えば、心が休まらない彼の心情は理解ができた。アシュリーが成人を前に孤児院を出たとき、寂しさが先に立って素直に喜べなかった。先立たれるというのはああいう絶望なのだろうと思いを馳せる。
その時に塔の階下から扉の開く音が聞こえた。風のない日は階下の音がよく響く。
僕は緊張した。アシュレイが来たのだ。
アシュレイの訪問に複雑な気持ちになる要因はもう一つあった。相変わらず手淫が上手くできず、ルイスに手伝ってもらってばかりだった。そしてその最中、塔の幽霊が教えてくれたようにアシュレイが体を触ってくれる想像をして責務を果たしていた。
ルイスにあの魔人の言うことに耳を傾けてはダメと言われたが、一度そうと思ってしまったらやめることができない。それに罪悪感を感じていたのだ。
来なければ来ないで憂いがあり、来たら来たで憂いがある。
ビクビクと部屋の戸を開かれるのを待っていたが、一向に開かれる気配がない。しばらくしてもドアが開かれなかったので僕は立ち上がり戸を開けようとした瞬間、階下から悲鳴のような声が聞こえた。
聞き間違いかと思い耳を澄ましたが話し声に動物の鳴き声が混ざっているような音が響いた。
塔の中は自由に歩き回れると許可をもらっていた。しかし客人だった場合に失礼にあたるかと思い、静かに足音を立てず階下に降りて行く。ルイスの宿直室がわずかに開いていたので、そこから中をそっと覗くと信じられない光景が広がっていた。
戸を開け放ち、なだれ込もうと思った瞬間、ルイスの声が頭に響いた。
「にいさまっ……! にいさまっ……ああっ」
「なんだ、ルイス。久しぶりで痛いのか?」
「ちがぁ……ああっ! 上に人が……いるんです……!」
「アシュレイの許可は取ったし、今日こうしてルイスを愛することも包み隠さず話したぞ。それともなにか? アシュレイの方がいいのか?」
「ちがい……ます……あっあっ、ああぁっ」
ルイスは美しい肢体を全て曝け出し、2人の魔人の間で息を切らしていた。僕は暴漢に襲われているのかと思ったが、兄と呼ぶ2人の顔も、ルイスの顔もそんな様相を呈してなどいなかった。
「ああ、ルークの肉棒がそんなにいいのか? そんな顔をして。にいさまではなく名を呼んでくれ」
「ああっ……ジル……ジル……!」
向かい合ってルイスを抱く男は、彼を愛おしそうに抱き寄せ口づけをする。
「ジル! 私が抱いているのだぞ!ルイス、私の名も呼んでくれ」
ルイスを背中を大きな舌で舐めあげていた男が低く唸るように言う。よく見ると、下半身がルイスと繋がっており、ゆっくりとした律動でルイスを震わせていた。
「はっはっ、ああっ、ルーク……! もう限界が……やぁあ!」
「ああ、かわいいルイス。ルイス、ここがいいだろう? ほら、もうこんなに熱くして……こうして欲しかっただろう?」
「ひっん……ずっと……ああんっ……待ってました……にいさまぁ! お願い……もう、もたないよぉ……!」
「ルイス、ほら、握っててあげるから。こっちも好きだろう?」
向かいあっているジルと呼ばれる兄がそう言うと、体をわずかに離し、ルイスの陰茎を握り込んだ。その拍子に胸の先端ごと舌で舐めあげ、ルイスの声が一層細く高くなる。
「あっ、ああんっ! はっ……にいさま……お願い……あっあっ」
「ルイス、じゃあ私を選んでくれるのかい? ジル、手を離せ」
「ちがぁうぅ……やめないで……ああっあっあっ、にいさまぁ!」
「ああ、なんてかわいいんだ……ルーク、そろそろ許してやってくれ……かわいそうに……もう前が爆発しそうだぞ」
「ああ、言われなくてもそんなかわいい声で鳴かれたら限界だ……ルイス少しだけ辛抱しておくれ……」
後ろからルイスを突き上げるルークと呼ばれる兄の動きが一層激しくなる。ルイスは目の前のジルに口を塞がれ、くぐもった悲鳴が彼の口の中に響く。突き上げている方の兄の呻き声が何回か響いたら、ルイスが激しく痙攣し始めた。
「ああ……ルイス……こんなに震えて……気持ちよかったかい……?」
ルイスが涙をこぼしながら頷く。顔はなんの液体か判別つかないほど濡れてぐちゃぐちゃだった。
「久しぶりだったから痛かったのではないか? 俺はもういいから、このまま吐き出しなさい」
向かいのジルが寂しそうに言うと、ルイスはしがみついて首を横に振る。
「ルイスはジルに似て優しい子だね。ほら、ジルにお願いしてごらん」
「はっ、はぁっ……ジルのも……僕にください……」
「ああ、ルイス。もう一度だけキスをしていいか?」
「ジルの……全部……僕にください……」
感極まったジルがルイスの唇を吸う。遠くから見ていても唇同士の隙間から舌が絡み合っているのがわかった。そうしている間にルークの驚くべき大きさの肉棒が引き抜かれた。
ご家族が病気だとルイスが言っていた。ここに来ないということはご家族の容態が芳しくないのだろう。看病に忙しいことも心配だったが、なによりもアシュレイが心を砕くご家族のことが心配だった。
僕には家族がいないが、アシュリーが家族だと思えば、心が休まらない彼の心情は理解ができた。アシュリーが成人を前に孤児院を出たとき、寂しさが先に立って素直に喜べなかった。先立たれるというのはああいう絶望なのだろうと思いを馳せる。
その時に塔の階下から扉の開く音が聞こえた。風のない日は階下の音がよく響く。
僕は緊張した。アシュレイが来たのだ。
アシュレイの訪問に複雑な気持ちになる要因はもう一つあった。相変わらず手淫が上手くできず、ルイスに手伝ってもらってばかりだった。そしてその最中、塔の幽霊が教えてくれたようにアシュレイが体を触ってくれる想像をして責務を果たしていた。
ルイスにあの魔人の言うことに耳を傾けてはダメと言われたが、一度そうと思ってしまったらやめることができない。それに罪悪感を感じていたのだ。
来なければ来ないで憂いがあり、来たら来たで憂いがある。
ビクビクと部屋の戸を開かれるのを待っていたが、一向に開かれる気配がない。しばらくしてもドアが開かれなかったので僕は立ち上がり戸を開けようとした瞬間、階下から悲鳴のような声が聞こえた。
聞き間違いかと思い耳を澄ましたが話し声に動物の鳴き声が混ざっているような音が響いた。
塔の中は自由に歩き回れると許可をもらっていた。しかし客人だった場合に失礼にあたるかと思い、静かに足音を立てず階下に降りて行く。ルイスの宿直室がわずかに開いていたので、そこから中をそっと覗くと信じられない光景が広がっていた。
戸を開け放ち、なだれ込もうと思った瞬間、ルイスの声が頭に響いた。
「にいさまっ……! にいさまっ……ああっ」
「なんだ、ルイス。久しぶりで痛いのか?」
「ちがぁ……ああっ! 上に人が……いるんです……!」
「アシュレイの許可は取ったし、今日こうしてルイスを愛することも包み隠さず話したぞ。それともなにか? アシュレイの方がいいのか?」
「ちがい……ます……あっあっ、ああぁっ」
ルイスは美しい肢体を全て曝け出し、2人の魔人の間で息を切らしていた。僕は暴漢に襲われているのかと思ったが、兄と呼ぶ2人の顔も、ルイスの顔もそんな様相を呈してなどいなかった。
「ああ、ルークの肉棒がそんなにいいのか? そんな顔をして。にいさまではなく名を呼んでくれ」
「ああっ……ジル……ジル……!」
向かい合ってルイスを抱く男は、彼を愛おしそうに抱き寄せ口づけをする。
「ジル! 私が抱いているのだぞ!ルイス、私の名も呼んでくれ」
ルイスを背中を大きな舌で舐めあげていた男が低く唸るように言う。よく見ると、下半身がルイスと繋がっており、ゆっくりとした律動でルイスを震わせていた。
「はっはっ、ああっ、ルーク……! もう限界が……やぁあ!」
「ああ、かわいいルイス。ルイス、ここがいいだろう? ほら、もうこんなに熱くして……こうして欲しかっただろう?」
「ひっん……ずっと……ああんっ……待ってました……にいさまぁ! お願い……もう、もたないよぉ……!」
「ルイス、ほら、握っててあげるから。こっちも好きだろう?」
向かいあっているジルと呼ばれる兄がそう言うと、体をわずかに離し、ルイスの陰茎を握り込んだ。その拍子に胸の先端ごと舌で舐めあげ、ルイスの声が一層細く高くなる。
「あっ、ああんっ! はっ……にいさま……お願い……あっあっ」
「ルイス、じゃあ私を選んでくれるのかい? ジル、手を離せ」
「ちがぁうぅ……やめないで……ああっあっあっ、にいさまぁ!」
「ああ、なんてかわいいんだ……ルーク、そろそろ許してやってくれ……かわいそうに……もう前が爆発しそうだぞ」
「ああ、言われなくてもそんなかわいい声で鳴かれたら限界だ……ルイス少しだけ辛抱しておくれ……」
後ろからルイスを突き上げるルークと呼ばれる兄の動きが一層激しくなる。ルイスは目の前のジルに口を塞がれ、くぐもった悲鳴が彼の口の中に響く。突き上げている方の兄の呻き声が何回か響いたら、ルイスが激しく痙攣し始めた。
「ああ……ルイス……こんなに震えて……気持ちよかったかい……?」
ルイスが涙をこぼしながら頷く。顔はなんの液体か判別つかないほど濡れてぐちゃぐちゃだった。
「久しぶりだったから痛かったのではないか? 俺はもういいから、このまま吐き出しなさい」
向かいのジルが寂しそうに言うと、ルイスはしがみついて首を横に振る。
「ルイスはジルに似て優しい子だね。ほら、ジルにお願いしてごらん」
「はっ、はぁっ……ジルのも……僕にください……」
「ああ、ルイス。もう一度だけキスをしていいか?」
「ジルの……全部……僕にください……」
感極まったジルがルイスの唇を吸う。遠くから見ていても唇同士の隙間から舌が絡み合っているのがわかった。そうしている間にルークの驚くべき大きさの肉棒が引き抜かれた。
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