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第5話 魔法使いの一夜(※)
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帰りの電車で度肝を抜かれた。
円華ちゃんについて玲音が話してくれたのだ。久遠さんと円華ちゃんが血が繋がってないのは年齢的になんとなくわかっていたし、円華ちゃんが久遠さんを好きなのもわかった。
俺を驚かせたのは円華ちゃんの思春期真っ盛りのあの態度が演技だという点である。
こっわ! 女の子って本当に怖い。
100歩譲って演技だとしてもだ。あんな態度で、相手に好意を寄せていると気がついてもらうのは難しくないか?
もう円華ちゃんの目的としているところもわからなければ、何を望んでいるのかもわからなかった。
女の子って本当に難しいな。
「別にそんなに驚くことはねーだろ」
「いやぁ……円華ちゃんはその演技をし続けてどうしたいのかまったくわからん」
玲音はため息をついて言う。
「久遠さんと少しでも長く一緒にいたいんだろ」
玲音はもっともらしいことを言うが、全く理解ができなかった。演技なんかしなくたって久遠さんは一緒にいてくれるだろうに……。
家に帰ったら玲音が母に久遠家の風呂がどれだけすごかったか話していた。俺は自室で法具を作りながらそれを背中で聞いていた。
あまりに玲音が嬉しそうなので振り返って見てみたら、シャンプーとかすごくいい匂いするんだよ! と母に抱きつき頭をゴリゴリ押し付けていた。母は抱きつく玲音を鬱陶しく思いながらも、はいはいと話を聞いていた。
「俺も金持ちになったら家の改築して、かーちゃんに風呂プレゼントする!」
「はいはい、ちょっと土地が足りないかもしれないわね」
「土地も買収する!」
「シャンプーだったら今でも買えるかもしれないわよ。今度円華ちゃんにどのメーカーか聞いてみなさい」
母が面倒になって俺に玲音を寄越した……。
玲音がドタバタ俺の部屋に入ってくる。
「冬馬! スマホ貸して!」
はいはい。スマホを取り出して渡すフリをする。スマホを取ろうとした玲音の腰を掴んで膝の上に乗せた。スマホを捥ぎ取り玲音が俺の膝の上で無心でメッセを送る。
ふふっ……。操縦もなかなか上手くなったものだ……。
玲音の頭を嗅いでみた。確かにいい匂いだった。玲音は円華ちゃんとチャットを楽しみ、俺は法具作りに熱中した。
しばらくしたらリビングの電気が消え、母は寝室に行った。
「円華ちゃんなんて言ってた?」
「今度試供品いっぱいくれるって!」
さすが女の子は違うな……! そして玲音も女子力どんどん上がるな。シャンプーとか泡立てばなんでもよくない?
「よかったなぁ……じゃあ、そろそろ寝るか」
うん! と言って玲音は俺の手を引いてベッドに向かう。2人で仲良く布団に入り、キスをしようかと思ったら、玲音が珍しいことを言い出した。
「今日さ、ちょっと魔力もらってもいい?」
「うん? 今日疲れちゃった?」
玲音はなんかもじもじしていた。よくわからないが別に構わないという意味も込めてキス(微エロ)をした。しばらくキスをしたが一向に玲音が魔力を吸わないので唇を離して聞いてみた。
「どうした? 吸っていいぞ?」
玲音はなんか思い詰めたような顔をして俺を見つめていた。ちょっと心配になって、どうしたんだよ、と聞いてみたがその問いには答えず、やっぱいいやと俺に背中を向けた。
なんかまずいことでも言ったか?
玲音を呼んで、腕を撫でてみた。触った瞬間ビクっと反応してそのまま震えていた。
「おい、玲音。具合でも悪いのか?」
しばらく黙って震えていたから、心配になって後ろから抱き寄せた。別に熱はないみたいだけど……。
「冬馬……」
そう言いながらやんわり俺の腕を解いていく。相変わらず震えていたのでもう一度抱き寄せた時に、玲音が何を我慢していたのか理解した。
「さわるな……」
抱き寄せた時、偶然当たってしまった俺の手を、玲音は乱暴に振り解く。
それは俺がずっと後回しにしている問題だった。
俺は玲音の言う通り陰キャの童貞で、男同士。そして玲音には以前の契約者との問題があった。正直何から手をつければいいのかさえわからなかった。
今までいろんな問題があったけど、2人で解決してきたとは言い難い事ばかりで、何度も逃げ出しては玲音を傷つけてきた。その自覚は嫌ってほどあった。
だから魔法にも向き合うようになったし、今日の帰り道、鎌倉のやり直しをしたかった。
「玲音……ひとつだけ教えて」
俺は玲音をかなり強く抱き寄せた。玲音がびっくりしているのがわかる。そして心音がかなり早かった。俺は玲音の下半身に手を伸ばす。
俺もかなり心臓バクバクしてた。もう俺は逃げないって決めたから、玲音に了承なんて求めていない。だけど……これだけは確認しなければならなかった。
「怖い?」
少し間があったが玲音はわずかに首を横に振った。俺は少し安心して下半身を服の上から撫でた。その動きにあわせて震えながら丸まり、息が浅く早く、玲音が必死に我慢をしているのがわかる。
「玲音にさわりたい」
玲音はそれには応えなかったが怖くないならもう大丈夫だろうと服の中に手を入れる。玲音のは、さわっただけで弾けそうだった。
軽く撫でたら、少し服を下ろして、そのまま手を動かした。玲音は顔を布団に埋めて肩で息をしている。布団と玲音の間から息がもれていた。玲音の首筋に口を寄せてうなじを吸った。
「んんっ……!」
声を漏らす玲音は限界そうだった。
「玲音……このまま出して……」
耳元で言ったら玲音の呼吸は乱れて、俺は玲音の精液をもう片方の手で受け止めた。
玲音は定期的に痙攣しながら、シーツを掴んで離さなかった。玲音をどかして手を拭うことも憚られたので俺は水の魔法で玲音の精液ごと攫って、そのまま不履行にした。
こんなことに魔法使ったことがバレたらかーちゃんに殺されるな……。
さっき下ろした玲音の服を元に戻して、玲音の腕を撫でる。もう大丈夫そうだったから、腕を掴んでこっちに向かせてそのまま抱きしめた。
「玲音……大好きだ……」
玲音は俺の背中に手を回して胸に顔を埋める。
「冬馬……冬馬のも……」
玲音の髪を撫でる。
「うん……俺はいいから……明日……もう少しエロいことしてもいい……?」
玲音は俺の腕の中で頷く。
髪を撫でた手で玲音の顔を包んで、キスをする。唇が離れたら、玲音が綺麗な顔で俺を見つめている。
「ありがと、玲音」
その言葉でなんのスイッチが入ったのかわからないが、玲音は顔をくちゃくちゃにして大粒の涙を流した。慌てて俺は玲音を抱きしめて、背中を撫でた。玲音が落ち着いて寝るまでずっと、背中を撫で続けた。
円華ちゃんについて玲音が話してくれたのだ。久遠さんと円華ちゃんが血が繋がってないのは年齢的になんとなくわかっていたし、円華ちゃんが久遠さんを好きなのもわかった。
俺を驚かせたのは円華ちゃんの思春期真っ盛りのあの態度が演技だという点である。
こっわ! 女の子って本当に怖い。
100歩譲って演技だとしてもだ。あんな態度で、相手に好意を寄せていると気がついてもらうのは難しくないか?
もう円華ちゃんの目的としているところもわからなければ、何を望んでいるのかもわからなかった。
女の子って本当に難しいな。
「別にそんなに驚くことはねーだろ」
「いやぁ……円華ちゃんはその演技をし続けてどうしたいのかまったくわからん」
玲音はため息をついて言う。
「久遠さんと少しでも長く一緒にいたいんだろ」
玲音はもっともらしいことを言うが、全く理解ができなかった。演技なんかしなくたって久遠さんは一緒にいてくれるだろうに……。
家に帰ったら玲音が母に久遠家の風呂がどれだけすごかったか話していた。俺は自室で法具を作りながらそれを背中で聞いていた。
あまりに玲音が嬉しそうなので振り返って見てみたら、シャンプーとかすごくいい匂いするんだよ! と母に抱きつき頭をゴリゴリ押し付けていた。母は抱きつく玲音を鬱陶しく思いながらも、はいはいと話を聞いていた。
「俺も金持ちになったら家の改築して、かーちゃんに風呂プレゼントする!」
「はいはい、ちょっと土地が足りないかもしれないわね」
「土地も買収する!」
「シャンプーだったら今でも買えるかもしれないわよ。今度円華ちゃんにどのメーカーか聞いてみなさい」
母が面倒になって俺に玲音を寄越した……。
玲音がドタバタ俺の部屋に入ってくる。
「冬馬! スマホ貸して!」
はいはい。スマホを取り出して渡すフリをする。スマホを取ろうとした玲音の腰を掴んで膝の上に乗せた。スマホを捥ぎ取り玲音が俺の膝の上で無心でメッセを送る。
ふふっ……。操縦もなかなか上手くなったものだ……。
玲音の頭を嗅いでみた。確かにいい匂いだった。玲音は円華ちゃんとチャットを楽しみ、俺は法具作りに熱中した。
しばらくしたらリビングの電気が消え、母は寝室に行った。
「円華ちゃんなんて言ってた?」
「今度試供品いっぱいくれるって!」
さすが女の子は違うな……! そして玲音も女子力どんどん上がるな。シャンプーとか泡立てばなんでもよくない?
「よかったなぁ……じゃあ、そろそろ寝るか」
うん! と言って玲音は俺の手を引いてベッドに向かう。2人で仲良く布団に入り、キスをしようかと思ったら、玲音が珍しいことを言い出した。
「今日さ、ちょっと魔力もらってもいい?」
「うん? 今日疲れちゃった?」
玲音はなんかもじもじしていた。よくわからないが別に構わないという意味も込めてキス(微エロ)をした。しばらくキスをしたが一向に玲音が魔力を吸わないので唇を離して聞いてみた。
「どうした? 吸っていいぞ?」
玲音はなんか思い詰めたような顔をして俺を見つめていた。ちょっと心配になって、どうしたんだよ、と聞いてみたがその問いには答えず、やっぱいいやと俺に背中を向けた。
なんかまずいことでも言ったか?
玲音を呼んで、腕を撫でてみた。触った瞬間ビクっと反応してそのまま震えていた。
「おい、玲音。具合でも悪いのか?」
しばらく黙って震えていたから、心配になって後ろから抱き寄せた。別に熱はないみたいだけど……。
「冬馬……」
そう言いながらやんわり俺の腕を解いていく。相変わらず震えていたのでもう一度抱き寄せた時に、玲音が何を我慢していたのか理解した。
「さわるな……」
抱き寄せた時、偶然当たってしまった俺の手を、玲音は乱暴に振り解く。
それは俺がずっと後回しにしている問題だった。
俺は玲音の言う通り陰キャの童貞で、男同士。そして玲音には以前の契約者との問題があった。正直何から手をつければいいのかさえわからなかった。
今までいろんな問題があったけど、2人で解決してきたとは言い難い事ばかりで、何度も逃げ出しては玲音を傷つけてきた。その自覚は嫌ってほどあった。
だから魔法にも向き合うようになったし、今日の帰り道、鎌倉のやり直しをしたかった。
「玲音……ひとつだけ教えて」
俺は玲音をかなり強く抱き寄せた。玲音がびっくりしているのがわかる。そして心音がかなり早かった。俺は玲音の下半身に手を伸ばす。
俺もかなり心臓バクバクしてた。もう俺は逃げないって決めたから、玲音に了承なんて求めていない。だけど……これだけは確認しなければならなかった。
「怖い?」
少し間があったが玲音はわずかに首を横に振った。俺は少し安心して下半身を服の上から撫でた。その動きにあわせて震えながら丸まり、息が浅く早く、玲音が必死に我慢をしているのがわかる。
「玲音にさわりたい」
玲音はそれには応えなかったが怖くないならもう大丈夫だろうと服の中に手を入れる。玲音のは、さわっただけで弾けそうだった。
軽く撫でたら、少し服を下ろして、そのまま手を動かした。玲音は顔を布団に埋めて肩で息をしている。布団と玲音の間から息がもれていた。玲音の首筋に口を寄せてうなじを吸った。
「んんっ……!」
声を漏らす玲音は限界そうだった。
「玲音……このまま出して……」
耳元で言ったら玲音の呼吸は乱れて、俺は玲音の精液をもう片方の手で受け止めた。
玲音は定期的に痙攣しながら、シーツを掴んで離さなかった。玲音をどかして手を拭うことも憚られたので俺は水の魔法で玲音の精液ごと攫って、そのまま不履行にした。
こんなことに魔法使ったことがバレたらかーちゃんに殺されるな……。
さっき下ろした玲音の服を元に戻して、玲音の腕を撫でる。もう大丈夫そうだったから、腕を掴んでこっちに向かせてそのまま抱きしめた。
「玲音……大好きだ……」
玲音は俺の背中に手を回して胸に顔を埋める。
「冬馬……冬馬のも……」
玲音の髪を撫でる。
「うん……俺はいいから……明日……もう少しエロいことしてもいい……?」
玲音は俺の腕の中で頷く。
髪を撫でた手で玲音の顔を包んで、キスをする。唇が離れたら、玲音が綺麗な顔で俺を見つめている。
「ありがと、玲音」
その言葉でなんのスイッチが入ったのかわからないが、玲音は顔をくちゃくちゃにして大粒の涙を流した。慌てて俺は玲音を抱きしめて、背中を撫でた。玲音が落ち着いて寝るまでずっと、背中を撫で続けた。
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