44 / 53
裸族の常識と生態調査について
誰がためのシステム
しおりを挟む
あの巨大なシステムはそのために作ったの!?
あれサービスとして成り立つレベルだったぞ!
その時、あのチグハグな退職理由のことを思い出した。
本当は一緒に仕事ができて嬉しいです! みたいな反応をされると思ったのに、まさか副業のことで問い詰められるとも思ってなかったんだろう。
前日俺が風邪を引くっていう失態を犯したせいで長谷さんの中の予定が狂ったんだ。なんか上手いことやって自然に一緒に仕事をするはずが、あんな唐突になって、副業してるみたいな流れになってしまった。そして取ってつけたように副業の言い訳を考えたから、退職理由がおかしなことになったんだ。
俺は……なんて失礼なことをしたんだ……!
ついでにさっさと終わらせてセックスしたいとか言ったぞ!!
黙ってた山田さんが意を決したように突然喋り出した。
「正直長谷さんが言ってることよくわからなかったんですけど、周防さんは家にいる時の長谷さんが嫌いなんですか?」
「え、同じこと言われたんだけど! 何が原因でそう思われてるのかわからないんだよ!」
「ありのままに話すと……周防さんが会社にいる時みたいなことをさせる……って。あ、あのコスプレとかは全然平気なんで、もうそういうくだらないことでいちいち落ち込まないでください。恋人同士の話なんて驚きもないので」
なんで俺がコスプレさせてるみたいになってるんだよ……。そもそも家で長谷さん服なんか着てないぞ……。
って、ああああああああああああ!
あのガウンか!?
そんなにあのガウンが憎いのか!?
「山田さん、今心の底から思い当たることがあった。ありがとう、帰ったら燃やす」
「多分違いますよ」
え?
お前本当にシャーマンかなんかなの?
「長谷さん、会社での立場上周防さんに甘えられないんじゃないでしょうか」
家で長谷さんは甘ったれた声で俺のこと呼びますー。ついでに裸だし家事もしませんー。お前の知らない顔いっぱい知ってますー。
「本当はこうしたいっていうの、年上だとなかなか言いづらいんじゃないですかね。転職理由もそれが大きい気がしましたよ」
思わず、え? と小さい声が漏れ出してしまった。
「もっと一緒にいたいのに立場上言うこともできず、本当は仕事も手伝いたいのにチームも違うから手伝えず、家では変なコスプレでオフィスプレイを強要されて」
最後のは違うが否定なんてしてる場合じゃなかった。
「別に周防さんの願いを叶えるためだったら、あんな巨大なシステム作る必要ないじゃないですか。一緒に仕事したかったのは長谷さんの方だったんじゃないですかね?」
「本気で言ってること分からねぇから、日本語で言ってくれ。長谷さんはどうしてもらいたいんだ?」
ちょっと語気が強くなってしまったせいで山田さんが怯んでしまった。
「そういうふうに、なりふり構わないちゃんとした本音が聞きたいんじゃないですか? 仕事上尊敬してるとか、そういうの抜きに」
わからない。
「わからないって顔してますけど、それを長谷さんにぶつけてみてはいかがでしょうか? すみません、パンケーキ食べていいですか?」
山田さんは俺が混乱してる前で、スイーツらしくインスタ撮ってパンケーキを食べはじめた。
山田さんは俺の分のパンケーキもペロリと食べて、見ているこっちが胸焼けした。帰り道、山田さんに取り乱したことを謝った。その迷惑料はランチ代で清算されたので大丈夫ですと清々しい回答をもらった。
「別に今のままもどかしい感じでもいいじゃないですか、まだ付き合って1年経ってないんですよね?」
山田さんがランチバッグをぶらぶらさせながら聞いてきた。俺は心が晴れなかった。それがなんでだかよくわからなかったがついポロっと言ってしまう。
「でも長谷さんが転職しちゃう」
「そうそう、そういうのちゃんと長谷さんに言った方がいいですよ」
「なんで長谷さんは山田さんなんかに相談するんだ」
「心の声がはみ出してますが、そういうのは私じゃなくて長谷さんに言ってくださいね」
「山田さんは彼氏とうまくいってるの?」
「少なくとも周防さんよりは悩みはないでーす」
「山田さんの彼氏が俺みたいだったら何ていうの?」
「そういうことは人に聞かず私に言えって言いまーす」
山田さんと長谷さんは似ている。だからこの心のモヤモヤの原因を探そうと押し問答をオフィスに着くまでやり続けた。
最終的にわからないことは長谷さんにちゃんと聞け、しか言われなかった。
あれサービスとして成り立つレベルだったぞ!
その時、あのチグハグな退職理由のことを思い出した。
本当は一緒に仕事ができて嬉しいです! みたいな反応をされると思ったのに、まさか副業のことで問い詰められるとも思ってなかったんだろう。
前日俺が風邪を引くっていう失態を犯したせいで長谷さんの中の予定が狂ったんだ。なんか上手いことやって自然に一緒に仕事をするはずが、あんな唐突になって、副業してるみたいな流れになってしまった。そして取ってつけたように副業の言い訳を考えたから、退職理由がおかしなことになったんだ。
俺は……なんて失礼なことをしたんだ……!
ついでにさっさと終わらせてセックスしたいとか言ったぞ!!
黙ってた山田さんが意を決したように突然喋り出した。
「正直長谷さんが言ってることよくわからなかったんですけど、周防さんは家にいる時の長谷さんが嫌いなんですか?」
「え、同じこと言われたんだけど! 何が原因でそう思われてるのかわからないんだよ!」
「ありのままに話すと……周防さんが会社にいる時みたいなことをさせる……って。あ、あのコスプレとかは全然平気なんで、もうそういうくだらないことでいちいち落ち込まないでください。恋人同士の話なんて驚きもないので」
なんで俺がコスプレさせてるみたいになってるんだよ……。そもそも家で長谷さん服なんか着てないぞ……。
って、ああああああああああああ!
あのガウンか!?
そんなにあのガウンが憎いのか!?
「山田さん、今心の底から思い当たることがあった。ありがとう、帰ったら燃やす」
「多分違いますよ」
え?
お前本当にシャーマンかなんかなの?
「長谷さん、会社での立場上周防さんに甘えられないんじゃないでしょうか」
家で長谷さんは甘ったれた声で俺のこと呼びますー。ついでに裸だし家事もしませんー。お前の知らない顔いっぱい知ってますー。
「本当はこうしたいっていうの、年上だとなかなか言いづらいんじゃないですかね。転職理由もそれが大きい気がしましたよ」
思わず、え? と小さい声が漏れ出してしまった。
「もっと一緒にいたいのに立場上言うこともできず、本当は仕事も手伝いたいのにチームも違うから手伝えず、家では変なコスプレでオフィスプレイを強要されて」
最後のは違うが否定なんてしてる場合じゃなかった。
「別に周防さんの願いを叶えるためだったら、あんな巨大なシステム作る必要ないじゃないですか。一緒に仕事したかったのは長谷さんの方だったんじゃないですかね?」
「本気で言ってること分からねぇから、日本語で言ってくれ。長谷さんはどうしてもらいたいんだ?」
ちょっと語気が強くなってしまったせいで山田さんが怯んでしまった。
「そういうふうに、なりふり構わないちゃんとした本音が聞きたいんじゃないですか? 仕事上尊敬してるとか、そういうの抜きに」
わからない。
「わからないって顔してますけど、それを長谷さんにぶつけてみてはいかがでしょうか? すみません、パンケーキ食べていいですか?」
山田さんは俺が混乱してる前で、スイーツらしくインスタ撮ってパンケーキを食べはじめた。
山田さんは俺の分のパンケーキもペロリと食べて、見ているこっちが胸焼けした。帰り道、山田さんに取り乱したことを謝った。その迷惑料はランチ代で清算されたので大丈夫ですと清々しい回答をもらった。
「別に今のままもどかしい感じでもいいじゃないですか、まだ付き合って1年経ってないんですよね?」
山田さんがランチバッグをぶらぶらさせながら聞いてきた。俺は心が晴れなかった。それがなんでだかよくわからなかったがついポロっと言ってしまう。
「でも長谷さんが転職しちゃう」
「そうそう、そういうのちゃんと長谷さんに言った方がいいですよ」
「なんで長谷さんは山田さんなんかに相談するんだ」
「心の声がはみ出してますが、そういうのは私じゃなくて長谷さんに言ってくださいね」
「山田さんは彼氏とうまくいってるの?」
「少なくとも周防さんよりは悩みはないでーす」
「山田さんの彼氏が俺みたいだったら何ていうの?」
「そういうことは人に聞かず私に言えって言いまーす」
山田さんと長谷さんは似ている。だからこの心のモヤモヤの原因を探そうと押し問答をオフィスに着くまでやり続けた。
最終的にわからないことは長谷さんにちゃんと聞け、しか言われなかった。
0
お気に入りに追加
186
あなたにおすすめの小説
開発される少年たち・家庭教師の淫らな性生活
ありさわ優那
BL
派遣家庭教師として働く三枝は、行く先々で少年の精通をさせてやったり、性的に開発することを趣味としていた。三枝は、勉強を教えながらも次々に派遣先で少年を毒牙にかける。勉強よりも、エッチなことを求めるようになってしまった少年たちの行方は……。
R-18作品です。少し無理矢理(あまり嫌がりません)。
乳首開発描写多めです。
射精管理やアナル開発の描写もありますが、既に開発されちゃってる子も多く出ます。
※少年ごとにお話を書いていきます。初作品です。よろしくお願いします。
開発されに通院中
浅上秀
BL
医者×サラリーマン
体の不調を訴えて病院を訪れたサラリーマンの近藤猛。
そこで医者の真壁健太に患部を触られ感じてしまう。
さらなる快楽を求めて通院する近藤は日に日に真壁に調教されていく…。
開発し開発される二人の変化する関係の行く末はいかに?
本編完結
番外編あり
…
連載 BL
なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。
※入院編に関して。
大腸検査は消化器科ですがフィクション上のご都合主義ということで大目に見ながらご覧ください。
…………
淫行教師に全部奪われて恋人関係になっちゃう話
キルキ
BL
真面目な図書委員の男子生徒が、人気者のイケメン教師に身体を開発されて最後まで奪われちゃう話。
受けがちょろいです。
えろいシーン多め。ご注意ください。
以下、ご注意ください
喘ぎ/乳首責め/アナル責め/淫語/中出し/モロ語/前立腺責め
マッサージはお好きですか?
浅上秀
BL
マッサージ師×サラリーマン ※R18
仕事に疲れたサラリーマンの佐藤が同僚の女性社員におすすめされ癒しを求めて訪れたマッサージ店。
そこでマッサージ師の渡辺に出会い、気持ちよくさせられてしまうお話。
本編 四話
番外編 更新中
完結済み
…
短編 BL
なお作者には専門知識等はございません。全てフィクションです。
「…俺の大好きな恋人が、最近クラスメイトの一人とすげぇ仲が良いんだけど…」『クラスメイトシリーズ番外編1』
そらも
BL
こちらの作品は『「??…クラスメイトのイケメンが、何故かオレの部活のジャージでオナニーしてるんだが…???」』のサッカー部万年補欠の地味メン藤枝いつぐ(ふじえだいつぐ)くんと、彼に何故かゾッコンな学年一の不良系イケメン矢代疾風(やしろはやて)くんが無事にくっつきめでたく恋人同士になったその後のなぜなにスクールラブ話になります♪
タイトル通り、ラブラブなはずの大好きないつぐくんと最近仲が良い人がいて、疾風くんが一人(遼太郎くんともっちーを巻き込んで)やきもきするお話です。
※ R-18エロもので、♡(ハート)喘ぎ満載です。ですがエッチシーンは最後らへんまでないので、どうかご了承くださいませ。
※ 素敵な表紙は、pixiv小説用フリー素材にて、『やまなし』様からお借りしました。ありがとうございます!(ちなみに表紙には『地味メンくんとイケメンくんのあれこれ、1』と書いてあります♪)
※ 2020/03/29 無事、番外編完結いたしました! ここまで長々とお付き合いくださり本当に感謝感謝であります♪
えっちな美形男子〇校生が出会い系ではじめてあった男の人に疑似孕ませっくすされて雌墜ちしてしまう回
朝井染両
BL
タイトルのままです。
男子高校生(16)が欲望のまま大学生と偽り、出会い系に登録してそのまま疑似孕ませっくるする話です。
続き御座います。
『ぞくぞく!えっち祭り』という短編集の二番目に載せてありますので、よろしければそちらもどうぞ。
本作はガバガバスター制度をとっております。別作品と同じ名前の登場人物がおりますが、別人としてお楽しみ下さい。
前回は様々な人に読んで頂けて驚きました。稚拙な文ではありますが、感想、次のシチュのリクエストなど頂けると嬉しいです。
フェリシアン・シンドローム
九條 連
BL
警察官だった兄が不審な死を遂げた。死因は薬物の過剰摂取による中毒からくるもの。
あまりに突然のことに茫然とした日々を送る群司は、次第にその死因に不審の念をおぼえはじめる。
そんなあるとき、偶然耳にした噂。
人間のありとあらゆる欲望を叶える魔法の薬――
兄の死に疑問を抱いた群司は、独自にその噂について調べるうちに、ある製薬会社の存在へとたどり着く。
真相を探るため、研究アシスタントとして会社に潜りこんだ群司はそこでひとりの男と出会い、やがて、人類社会を揺るがす陰謀へと巻きこまれていく――
逢瀬はシャワールームで
イセヤ レキ
BL
高飛び込み選手の湊(みなと)がシャワーを浴びていると、見たことのない男(駿琉・かける)がその個室に押し入ってくる。
シャワールームでエロい事をされ、主人公がその男にあっさり快楽堕ちさせられるお話。
高校生のBLです。
イケメン競泳選手×女顔高飛込選手(ノンケ)
攻めによるフェラ描写あり、注意。
ユーザ登録のメリット
- 毎日¥0対象作品が毎日1話無料!
- お気に入り登録で最新話を見逃さない!
- しおり機能で小説の続きが読みやすい!
1~3分で完了!
無料でユーザ登録する
すでにユーザの方はログイン
閉じる