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裸族の常識と生態調査について
ハンティングスイーツによる面談
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「長谷さんが付き合うの初めてだからいろいろわからないことばっかりなんだ、とかかわいいこと言うので周防さんのことはボカしたまま相談に乗ってたんです。でも途中から私が面倒になっちゃって匿名じゃなく周防さんって言うようになっちゃいました!」
お前のその結果オーライなところとか面倒臭がりなところ、なんか長谷さんと似てるな。あと長谷さんかわいいって言っていいの俺だけだから。
「いつくらいから相談に乗ってくれてたの?」
「周防さんがマネージャーになって少し経ったくらいです。周防さんが帰り遅いから、その時に夕食がてら相談に乗ってたんです。もちろん対価として奢ってもらってましたので、やましい事なんてありませんよ!?」
そこは心配してねーよ! あとお前、俺と来世を約束しただろ!
山田さんは本当に誰にも言わなかったことがわかるくらい、捲し立てるように喋った。いや、いつもこんな感じかな……。
ここで料理が運ばれてきた。誕生日の料理を思い出して、ニヤニヤしそうなのを堪える。それと同時に指輪のことを思い出した。
ここで俺は重大なことに思い至る。長谷さんは言っていた。職場を離れるならこれがいいとアドバイスをもらった、と。
転職の件、俺には相談もしなかったくせに、こいつには話してたってことか!?
「あの、指輪の件なんだけど」
「長谷さんが周防さんに転職の件言ってないって聞いて、ちゃんと言ったほうがいいですよって何回も言いました」
お前、エスパー並みに察しがいいな。地頭良すぎて怖いんですけど。
「でも長谷さんは退職理由を周防さんに言うのだけはずっと躊躇ってたみたいで、なのでせめて誕生日プレゼントは、ちゃんと離れても一緒だってわかるものがいいですよって言ったんです。あ! そういえばもう1つの方のプレゼントはどうでした?」
もう1つ? ああ!
「料理すごく美味しかったよ、もしかしてレシピ教えてくれたの?」
「え? 私料理しないポリシーなんで」
お前のポリシーなんて聞いていない!
「高そうなワインだった! もしかして選んでくれたの?」
「私焼酎派なんで」
お前の好みなど……! って、わかった!
「いつもはしない体位でさせてくれた!」
「周防さん。私が悪かったです、本当にごめんなさい。ここの支払い私がします、パンケーキ食べませんか?」
俺は軽い記憶喪失になった。でもどうせなるなら自分の発言も無くしたかった。
山田さんは俺が俯いてる間にパンケーキを勝手に2つ注文してた。
さっきから料理の皿しか見てない。山田さんが今どんな顔をしてるかわからない。
「セクハラで訴えないでください、お願いします。迷惑ついでに長谷さんに……いや誰にも言わないでください、お願いします」
山田さんを見てないからわからなかったが、なんかカバンを漁ってる音がした。俺のテーブルにぬっと山田さんのスマホが置かれた。
長谷さんとお前は、突拍子もないところも似てるな……。
スマホの画面を見てみたら受信メールだった。受信日は一昨日で、送り主は長谷さんだった。お前は不正メール盗聴でもはじめたのか。スパイか。
一昨日!?
俺が手伝った長谷さんの副業の納品メールだよね!?
「えぇ……発注元は山田さんだったの?」
「やっぱりわかりづらいですよね」
いや、お前らのやることなすこと全く意味わからねぇから……。
「周防さんは長谷さんの仕事が好きって言ってたから、誕生日に一緒に仕事するって言ってました。それはちょっと、いえ、かなり嬉しくないと思いますって言ったんですけど」
ここで珍しく山田さんが黙った。
お前のその結果オーライなところとか面倒臭がりなところ、なんか長谷さんと似てるな。あと長谷さんかわいいって言っていいの俺だけだから。
「いつくらいから相談に乗ってくれてたの?」
「周防さんがマネージャーになって少し経ったくらいです。周防さんが帰り遅いから、その時に夕食がてら相談に乗ってたんです。もちろん対価として奢ってもらってましたので、やましい事なんてありませんよ!?」
そこは心配してねーよ! あとお前、俺と来世を約束しただろ!
山田さんは本当に誰にも言わなかったことがわかるくらい、捲し立てるように喋った。いや、いつもこんな感じかな……。
ここで料理が運ばれてきた。誕生日の料理を思い出して、ニヤニヤしそうなのを堪える。それと同時に指輪のことを思い出した。
ここで俺は重大なことに思い至る。長谷さんは言っていた。職場を離れるならこれがいいとアドバイスをもらった、と。
転職の件、俺には相談もしなかったくせに、こいつには話してたってことか!?
「あの、指輪の件なんだけど」
「長谷さんが周防さんに転職の件言ってないって聞いて、ちゃんと言ったほうがいいですよって何回も言いました」
お前、エスパー並みに察しがいいな。地頭良すぎて怖いんですけど。
「でも長谷さんは退職理由を周防さんに言うのだけはずっと躊躇ってたみたいで、なのでせめて誕生日プレゼントは、ちゃんと離れても一緒だってわかるものがいいですよって言ったんです。あ! そういえばもう1つの方のプレゼントはどうでした?」
もう1つ? ああ!
「料理すごく美味しかったよ、もしかしてレシピ教えてくれたの?」
「え? 私料理しないポリシーなんで」
お前のポリシーなんて聞いていない!
「高そうなワインだった! もしかして選んでくれたの?」
「私焼酎派なんで」
お前の好みなど……! って、わかった!
「いつもはしない体位でさせてくれた!」
「周防さん。私が悪かったです、本当にごめんなさい。ここの支払い私がします、パンケーキ食べませんか?」
俺は軽い記憶喪失になった。でもどうせなるなら自分の発言も無くしたかった。
山田さんは俺が俯いてる間にパンケーキを勝手に2つ注文してた。
さっきから料理の皿しか見てない。山田さんが今どんな顔をしてるかわからない。
「セクハラで訴えないでください、お願いします。迷惑ついでに長谷さんに……いや誰にも言わないでください、お願いします」
山田さんを見てないからわからなかったが、なんかカバンを漁ってる音がした。俺のテーブルにぬっと山田さんのスマホが置かれた。
長谷さんとお前は、突拍子もないところも似てるな……。
スマホの画面を見てみたら受信メールだった。受信日は一昨日で、送り主は長谷さんだった。お前は不正メール盗聴でもはじめたのか。スパイか。
一昨日!?
俺が手伝った長谷さんの副業の納品メールだよね!?
「えぇ……発注元は山田さんだったの?」
「やっぱりわかりづらいですよね」
いや、お前らのやることなすこと全く意味わからねぇから……。
「周防さんは長谷さんの仕事が好きって言ってたから、誕生日に一緒に仕事するって言ってました。それはちょっと、いえ、かなり嬉しくないと思いますって言ったんですけど」
ここで珍しく山田さんが黙った。
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