システムエンジニアがとんでもない開発をはじめました。

裸族の常識と生態調査について

ろくなこと言わない

起きたら夜だった。枕もとにさっき放り投げられた俺のスマホが置いてあって、時計を見たら20時。それと既読になってないメッセが１件。開いてみたら長谷さんからだった。

長谷：起きたら返信して

俺は少し考えた。さっき言われたことを。長谷さんが今言って欲しいことってなんなんだろう、と。でもこうやって言ってもらいたいことを考えることこそが、長谷さんにとっては苦痛なのだろう。率直に、嫌われることも恐れずに自分の気持ちを言おうと思った。

周防：長谷さんと働けなくなるの寂しいです

すぐ既読になったが返信もなかったし、部屋にも来てくれなかった。

周防：家でも会社でも関係なく、長谷さんと一緒にいられる時間が幸せだったから

周防：でもやきもち焼いてくれてたなんて知らなかったから、すげー嬉しいです

周防：長谷さん新しい会社に行っても浮気しないでくださいね

周防：関係ないですが、長谷さんとセックスしたいです

「さっきしただろ！」

長谷さんがご飯を持って部屋に入ってきた。長谷さんは普段着になってた。長谷さんが家で服を着ているとすごい違和感だ。

長谷さんが作ってくれた夜ご飯はお粥だった。目を輝かせて口を開けてしまう。長谷さんがさっきのようにお粥を冷ますため、フーフーしてくれた。一連の動作を動画に収めたかったが、あまりに変態すぎるのでスマホを握りしめて我慢した。

食べ終わったら薬と水も飲ませてくれて、キスをしながら体温を測ってくれる。また体を拭いてくれるかと思ったらそれはしてくれなかった。

さっきみたいに胸を撫でて俺を寝かしつけようとしている。俺がスマホに手を伸ばそうとしたら、それはやんわり拒否された。俺が抵抗すると長谷さんは胸を何度か撫でて言った。

「ろくなこと言わないんだから」

確かに手を変え品を変えセックスしたいって書くつもりだった。長谷さんなんでもお見通しなんだな。そう残念がって眠りに落ちた。