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まちがった尿道開発で世界線変わったんだけど質問ある?
ハンティングスイーツの狩場
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火曜から木曜日まで歓迎会のことを忘れるためにがむしゃらに働いた。沼田さんの案件は委託先の人が優秀なこともあって、水曜の段階でほとんどオンスケになっており、恐れていた事態はほとんど回避されていた。
歓迎会には沼田さんの案件を言い訳に行かないことも考えたが、主役の来ない飲み会にすることや、こんな個人的な問題のために委託先の優秀な人たちに迷惑をかけるわけにはいかなかった。
木曜日、案件は通常運行に戻っており、なんの問題もなく歓迎会は開催された。
歓迎会は所属するチーム員全員と新規開発チームの幾人か、そして長谷さんで総勢10名。長谷さんと沼田さんは上座に座り、俺は主役ということで上座とは反対側の中央の席に座らされた。長谷さんとの距離は近いといえば近いが、四六時中話せるような距離ではないのが救いだ。
沼田さんの乾杯の挨拶をほぼ全員が辟易しながら聞き、乾杯して歓迎会が始まる。
俺は隣にいる長谷信者繋がりの新規チームのやつと話をしたり、同じチームの人と転職前の話などをしたりしてやり過ごしていた。正直気が気でなかったし、全然酔えない。
後何時間耐えればいいだろう……とテーブルの下の自分の腕時計を見た時に、斜め前の席の沼田さんがいらんことを言い出した。
「周防ってモテるだろ? 彼女いるの?」
ほんとお前役に立たないくせに、いらんこと言って人を不愉快にさせる才能はピカイチだな! そのクズっぷりがいっそ清々しいわ!!!
「いえ……」
そういう話聞くなオーラを全開にして言った。周りに座っている人全員がその空気を察知してこっちを見たが、沼田さんだけには伝わらなかったようだ。
「なんかサッカー選手にいそうだよな? モテるの? 彼女居ないんじゃなくて、特定の彼女作らないの?」
このゴミクズ野郎が、酒の席でも人を貶めやがって……。
さっきの俺の雰囲気を感じ取れなかったらしい奥の女性のチーム員が続けて言う。
「サッカーっていうかテニサーっぽい! 学生時代部活とか何やってたんですか?」
テニサーっていうのがとても引っかかるが、ナイスアシスト、センキュー、よくわからない新規開発チームの人!
「学生の頃は水泳部でした」
だから肩幅がっちりしてるんだなーとか、水泳始めたいとか話題は一旦散り散りになった。ちょっとホッとしたのもつかの間、沼田さんは執拗に聞いてくる。
「彼女どのくらい居ないの?」
これ異性だったらセクハラで訴えられるんだろうな。いっそゲイですって言ってこの場を魔界のような雰囲気にしてやろうか?
「彼女居ない歴、年齢です」
口癖になってるからつい言ってしまったけど、言った瞬間にあの日の記憶が蘇る。長谷さんのいる前でこれは本当にやばいだろ……。
膝の上の手をぐっと掴んで俯いていると、左の女性チーム員が気を利かせたのか、キラーパスを繰り出す。
「長谷さんは、彼女居ないんですか?」
女ぁ!!! 自分の欲望に忠実すぎだろ! 長谷さんにほの字なんだろ! 普通この流れから言って沼田さんに質問するのが筋だろぉ! 沼田に興味ないのはここにいる全員がわかるし、誰1人として沼田に興味ないけどよーー!
「いや、いないよ。社会人になると全然出会いがないからね」
隣の長谷シンパ諜報部員がガタッと動く。そういえばプライベートなこと一切聞き出せないって言ってたからな……俺は知ってたけど……。
「えー? 好きな人も居ないんですかー?」
ファーー!!!
さすがスイーツ脳、人の歓迎会でハンティングしてんじゃねーよ!!!
っていうかものすごく気まずい。なんか違う話して聞かないようにしよう。と隣を見たら長谷シンパ諜報部員は身を乗り出しているし、誰も俺の話題を聞いてくれるような雰囲気ではなかった。
「いるよ」
この話題を聞いていた全員が固まる。そして全員聞き耳を立てているのが俺にもわかった。
「えー? 社内ですかー?」
「社内の女の子じゃないよ」
「どんな人なんですか??」
「優しそうな人」
この一連の流れを全員が驚愕で口を開いて聞いていた。沼田さんですら。
隣の諜報部員が俺の足をテーブルの下で小突いて、テーブルの下でGJとジェスチャーしてる。
難攻不落と呼ばれた極秘情報をこんなスイーツがあっさり陥落させるとは……。
周りが色めきたつ中、俺はなんだか暗闇に飲み込まれていた。
長谷さんに好きな人がいること。
そんな長谷さんを凌辱したこと。
いつもはそんなこと答えないのに今日に限って答えること。
自分が責められていることがありありとわかる。
長谷さんの思わぬ情報に色めきたってる雰囲気をぶち壊すかのように沼田さんが、ちょっとトイレ、と言って長谷さんを立たせて席を立った。本当にどうしようもねぇクズだな。
歓迎会には沼田さんの案件を言い訳に行かないことも考えたが、主役の来ない飲み会にすることや、こんな個人的な問題のために委託先の優秀な人たちに迷惑をかけるわけにはいかなかった。
木曜日、案件は通常運行に戻っており、なんの問題もなく歓迎会は開催された。
歓迎会は所属するチーム員全員と新規開発チームの幾人か、そして長谷さんで総勢10名。長谷さんと沼田さんは上座に座り、俺は主役ということで上座とは反対側の中央の席に座らされた。長谷さんとの距離は近いといえば近いが、四六時中話せるような距離ではないのが救いだ。
沼田さんの乾杯の挨拶をほぼ全員が辟易しながら聞き、乾杯して歓迎会が始まる。
俺は隣にいる長谷信者繋がりの新規チームのやつと話をしたり、同じチームの人と転職前の話などをしたりしてやり過ごしていた。正直気が気でなかったし、全然酔えない。
後何時間耐えればいいだろう……とテーブルの下の自分の腕時計を見た時に、斜め前の席の沼田さんがいらんことを言い出した。
「周防ってモテるだろ? 彼女いるの?」
ほんとお前役に立たないくせに、いらんこと言って人を不愉快にさせる才能はピカイチだな! そのクズっぷりがいっそ清々しいわ!!!
「いえ……」
そういう話聞くなオーラを全開にして言った。周りに座っている人全員がその空気を察知してこっちを見たが、沼田さんだけには伝わらなかったようだ。
「なんかサッカー選手にいそうだよな? モテるの? 彼女居ないんじゃなくて、特定の彼女作らないの?」
このゴミクズ野郎が、酒の席でも人を貶めやがって……。
さっきの俺の雰囲気を感じ取れなかったらしい奥の女性のチーム員が続けて言う。
「サッカーっていうかテニサーっぽい! 学生時代部活とか何やってたんですか?」
テニサーっていうのがとても引っかかるが、ナイスアシスト、センキュー、よくわからない新規開発チームの人!
「学生の頃は水泳部でした」
だから肩幅がっちりしてるんだなーとか、水泳始めたいとか話題は一旦散り散りになった。ちょっとホッとしたのもつかの間、沼田さんは執拗に聞いてくる。
「彼女どのくらい居ないの?」
これ異性だったらセクハラで訴えられるんだろうな。いっそゲイですって言ってこの場を魔界のような雰囲気にしてやろうか?
「彼女居ない歴、年齢です」
口癖になってるからつい言ってしまったけど、言った瞬間にあの日の記憶が蘇る。長谷さんのいる前でこれは本当にやばいだろ……。
膝の上の手をぐっと掴んで俯いていると、左の女性チーム員が気を利かせたのか、キラーパスを繰り出す。
「長谷さんは、彼女居ないんですか?」
女ぁ!!! 自分の欲望に忠実すぎだろ! 長谷さんにほの字なんだろ! 普通この流れから言って沼田さんに質問するのが筋だろぉ! 沼田に興味ないのはここにいる全員がわかるし、誰1人として沼田に興味ないけどよーー!
「いや、いないよ。社会人になると全然出会いがないからね」
隣の長谷シンパ諜報部員がガタッと動く。そういえばプライベートなこと一切聞き出せないって言ってたからな……俺は知ってたけど……。
「えー? 好きな人も居ないんですかー?」
ファーー!!!
さすがスイーツ脳、人の歓迎会でハンティングしてんじゃねーよ!!!
っていうかものすごく気まずい。なんか違う話して聞かないようにしよう。と隣を見たら長谷シンパ諜報部員は身を乗り出しているし、誰も俺の話題を聞いてくれるような雰囲気ではなかった。
「いるよ」
この話題を聞いていた全員が固まる。そして全員聞き耳を立てているのが俺にもわかった。
「えー? 社内ですかー?」
「社内の女の子じゃないよ」
「どんな人なんですか??」
「優しそうな人」
この一連の流れを全員が驚愕で口を開いて聞いていた。沼田さんですら。
隣の諜報部員が俺の足をテーブルの下で小突いて、テーブルの下でGJとジェスチャーしてる。
難攻不落と呼ばれた極秘情報をこんなスイーツがあっさり陥落させるとは……。
周りが色めきたつ中、俺はなんだか暗闇に飲み込まれていた。
長谷さんに好きな人がいること。
そんな長谷さんを凌辱したこと。
いつもはそんなこと答えないのに今日に限って答えること。
自分が責められていることがありありとわかる。
長谷さんの思わぬ情報に色めきたってる雰囲気をぶち壊すかのように沼田さんが、ちょっとトイレ、と言って長谷さんを立たせて席を立った。本当にどうしようもねぇクズだな。
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