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まちがった尿道開発で世界線変わったんだけど質問ある?
無駄な条件分岐と心の痛み
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「周防……、周防……」
いつの間にか寝てたことに驚いて起きた。
「周防なんで……そんなところで寝てるんだ……?」
一瞬で目が冴えて条件分岐を思い出した。
なんでこんなところで意識失ったんだ、俺!
「一緒にベッドで寝ればよかったのに……」
こ……これは……どっちだ……。
俺がいることに違和感がないのなら
A 全く覚えていない
この選択肢は消えた……消えてしまった……幸せな選択肢……ヌルヌルプロレス……。
「ああ、ベッド汚れてるからか……」
自問自答する長谷さんを横目に、俺は条件分岐を必死でなぞる。頭の中でガチャガチャしている俺を無表情で見つめて長谷さんが言う。
「周防はゲイなの?」
俺の中でピコーンとフラグが立った。
\B-II ゲイの俺にされちゃったことを覚えている/
これだ!! 確定か? いや、確定させるんだ!
「あ……はい……」
神妙な演技に定評のあるベンチャーソルジャー周防が今こ
「じゃあ、なんで昨日俺を抱かなかったの?」
俺の思考までもぶった切り、無表情のまま繰り出されたこの斜め上45度の質問に、俺は宇宙空間に投げ出された錯覚を覚えた。
条件分岐文も宇宙空間に投げ出されていく。
俺が宇宙遊泳を楽しんでいる間、重い沈黙が横たわった。正直質問の意図がわからない。しかし声色の感じから、何かを詰っているのだけはわかった。長谷さんがベッドの横の時計を見る、早く答えろってことか……。
「昨日……俺、酒飲みすぎて、恥ずかしながら勃たなくて」
「勃ってたよ? なんでそんな嘘つくの?」
長谷さんが質問を被せてくる。表情が全くわからない。質問の意図も、正解もわからない。頭が全然回らない。
「長谷さんが……泥酔してたので……同意なしにやるのは……どうかと思って……」
じゃあ昨日の長谷さんに対する行為は、同意なしで許されるのかよ! って自分で自分にツッコミを入れた。場当たり的な回答に自分でもウンザリする。今の回答だけでも矛盾ばかりだ。
ここまできてようやくわかった。長谷さんが聞きたかったのは、長谷さんの同意があったか否かだったんだ。
多分長谷さんは昨日の前半部分をほとんど覚えていない。だから、なんであんなことになったかわからなかったから、その責任が自分にあるのか確かめているのだ。
長谷さんからすればおかしな話だ、長谷さんが酔った勢いで同意してしまったのなら最後までするだろうし、ベッドで一緒に寝てるだろう。
かわいそうなゲイの部下に、同情して体を預けるのと、酔っ払ったところを凌辱されるのとでは、全く話が違う。
長谷さんの拗らせた性癖のインパクトが大きすぎて、ゲイに凌辱されること自体の重さに考えが至らなかった。
俺は……俺がゲイという選択肢の先を考えていなかった。長谷さんが俺にあんなことをされてどう思うかなんて、考えていなかったんだ。
「そう。そろそろ支度しよう。俺のシャツ入るかな?」
そう言って昨日必死で箱を探した殺風景な部屋に入っていった。
冷たく突き放された気がして、胸が締め付けられる。あまりの痛みに胸を掻きむしりたかった。でも。
でも、これが昨日出した俺の答えなんだ。
長谷さんは責任が自分にあるのかを真っ先に確かめた。
それはつまり、同意があったにせよなかったにせよ、俺にあんなことをされたことが、屈辱だったんだ。
「周防ちょっとこっち来て!」
長谷さんが呼ぶ部屋に向かう。昨日必死に探した殺風景な部屋、家具が1個もないと思っていたけど、明るいところで見たらなんてことはない、壁一面がクローゼットだった。
長谷さんが開いてるクローゼットの下に密林の箱があった。
せめてアレをここに戻したかったな……職質でカバン開けられたら完全アウトだわ……ははは。
「このシャツ入る? これ返さなくても大丈夫だから」
さっきの突き放した言い方補正か、もう2度と関わるな、と言われている気がした。
「はい……ありがとうございます」
震える声で精一杯のお礼を言った。
俺は、覚悟ができていなかったんだ、こうなることの。
いたたまれなくなって、借りたシャツに着替えたらすぐに、先に行きます、と長谷さんの家を出た。俺の言葉に長谷さんからの返答はなかった。
そういうことなんだ。
いつの間にか寝てたことに驚いて起きた。
「周防なんで……そんなところで寝てるんだ……?」
一瞬で目が冴えて条件分岐を思い出した。
なんでこんなところで意識失ったんだ、俺!
「一緒にベッドで寝ればよかったのに……」
こ……これは……どっちだ……。
俺がいることに違和感がないのなら
A 全く覚えていない
この選択肢は消えた……消えてしまった……幸せな選択肢……ヌルヌルプロレス……。
「ああ、ベッド汚れてるからか……」
自問自答する長谷さんを横目に、俺は条件分岐を必死でなぞる。頭の中でガチャガチャしている俺を無表情で見つめて長谷さんが言う。
「周防はゲイなの?」
俺の中でピコーンとフラグが立った。
\B-II ゲイの俺にされちゃったことを覚えている/
これだ!! 確定か? いや、確定させるんだ!
「あ……はい……」
神妙な演技に定評のあるベンチャーソルジャー周防が今こ
「じゃあ、なんで昨日俺を抱かなかったの?」
俺の思考までもぶった切り、無表情のまま繰り出されたこの斜め上45度の質問に、俺は宇宙空間に投げ出された錯覚を覚えた。
条件分岐文も宇宙空間に投げ出されていく。
俺が宇宙遊泳を楽しんでいる間、重い沈黙が横たわった。正直質問の意図がわからない。しかし声色の感じから、何かを詰っているのだけはわかった。長谷さんがベッドの横の時計を見る、早く答えろってことか……。
「昨日……俺、酒飲みすぎて、恥ずかしながら勃たなくて」
「勃ってたよ? なんでそんな嘘つくの?」
長谷さんが質問を被せてくる。表情が全くわからない。質問の意図も、正解もわからない。頭が全然回らない。
「長谷さんが……泥酔してたので……同意なしにやるのは……どうかと思って……」
じゃあ昨日の長谷さんに対する行為は、同意なしで許されるのかよ! って自分で自分にツッコミを入れた。場当たり的な回答に自分でもウンザリする。今の回答だけでも矛盾ばかりだ。
ここまできてようやくわかった。長谷さんが聞きたかったのは、長谷さんの同意があったか否かだったんだ。
多分長谷さんは昨日の前半部分をほとんど覚えていない。だから、なんであんなことになったかわからなかったから、その責任が自分にあるのか確かめているのだ。
長谷さんからすればおかしな話だ、長谷さんが酔った勢いで同意してしまったのなら最後までするだろうし、ベッドで一緒に寝てるだろう。
かわいそうなゲイの部下に、同情して体を預けるのと、酔っ払ったところを凌辱されるのとでは、全く話が違う。
長谷さんの拗らせた性癖のインパクトが大きすぎて、ゲイに凌辱されること自体の重さに考えが至らなかった。
俺は……俺がゲイという選択肢の先を考えていなかった。長谷さんが俺にあんなことをされてどう思うかなんて、考えていなかったんだ。
「そう。そろそろ支度しよう。俺のシャツ入るかな?」
そう言って昨日必死で箱を探した殺風景な部屋に入っていった。
冷たく突き放された気がして、胸が締め付けられる。あまりの痛みに胸を掻きむしりたかった。でも。
でも、これが昨日出した俺の答えなんだ。
長谷さんは責任が自分にあるのかを真っ先に確かめた。
それはつまり、同意があったにせよなかったにせよ、俺にあんなことをされたことが、屈辱だったんだ。
「周防ちょっとこっち来て!」
長谷さんが呼ぶ部屋に向かう。昨日必死に探した殺風景な部屋、家具が1個もないと思っていたけど、明るいところで見たらなんてことはない、壁一面がクローゼットだった。
長谷さんが開いてるクローゼットの下に密林の箱があった。
せめてアレをここに戻したかったな……職質でカバン開けられたら完全アウトだわ……ははは。
「このシャツ入る? これ返さなくても大丈夫だから」
さっきの突き放した言い方補正か、もう2度と関わるな、と言われている気がした。
「はい……ありがとうございます」
震える声で精一杯のお礼を言った。
俺は、覚悟ができていなかったんだ、こうなることの。
いたたまれなくなって、借りたシャツに着替えたらすぐに、先に行きます、と長谷さんの家を出た。俺の言葉に長谷さんからの返答はなかった。
そういうことなんだ。
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