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まちがった尿道開発で世界線変わったんだけど質問ある?
QOL爆上げ長谷さんシンパ仲間入り
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それから仕事が嘘のように楽しくなった。
第一は長谷さんを毎日拝めることによるオカズ素材の圧倒的供給過多!
第二は件以降、チーム内で唯一の開発人材として丁重に扱われることとなり、マウンティング泥試合から一線を引くことができた奇跡!
主に社内資料の体裁は俺以外のチーム員が受け持つことになり、機能面のパートのみを俺が記入、実装する流れになった。今まで社内抗争のために使っていたリソースは減り、内製化によって徐々に利益率が上がっていった。
俺がハッピーに仕事をしていることで、濃厚な地獄絵図みたいだったチーム内も少し明るくなってきた(沼田Mを除いて)。
この後2ヶ月で社内には長谷さん信者が多いことを知り、俺もそれに倣って長谷さんシンパに仲間入りした。
長谷さんの年齢は俺と変わらないくらいの2コ上、28歳。異例の速さで昇進したスタープレイヤーだった。開発ができることはもちろん、プレゼン能力も高く、ハイレベルでバランスの取れた逸材だと周りが賞賛している。彼が居なくなると会社が傾くほどのインパクトがあることから、上層部からもかなり気を使われているらしい。
長谷さんが独身ということは明らかにされているが、私生活は全く謎に包まれている。役職者ということもありなかなか気軽に飲みに誘えないのが原因だ。
長谷さんとの唯一の接点である歓送迎会の飲みの席で、何人も長谷さんのプライベートを暴こうと挑戦するが、ことごとく返り討ちにあっている。これは決してネガティブな意味ではない。気がついた時には話をはぐらかされており、それに全然違和感がないので、さらに頭脳明晰な長谷さんへの尊敬が高まるのである。
長谷さんは俺の上司ではあるが、チームが違うので接触が少ない。しかし接触が少ない理由はこれだけではない。たまに仕事で話す機会があるが、びっくりするぐらい簡潔に的を射た受け答えをする。打てば響くとはこういうことか! と誰もが清々しい気分になる。なので必然的に会話ができる時間が少ないのだ。
視覚的な長谷さん情報はみんな平等に与えられるが、長谷さんの中身の情報は圧倒的に少ない。その情報の少なさから長谷さんシンパは定期的な情報交換会を開いており、俺はその繋がりで全然違うチームとも飲みに行く機会が増えた。
長谷さんを眺めて、それを仲間と共有して……。入社当初からは考えられないくらいQOLが向上した。
これだけでも嬉しいのに、今日、時間にしてみれば4時間前、たまたま帰りが一緒になった長谷さんが、俺を呼び止めた。
「周防、会社には慣れた?」
1回目、沼田さんの横で言われたそれとは全く異なる柔らかな表情で、話しかけてくれた。
「はい、長谷さんのおかげで!」
話しかけてもらった嬉しさで眩暈を起こしながら、控えめに答えた。いや、本当は、好きとか、かわいいとか言いたいけど、控えめに。
「周防って一人暮らしなの? これから飯一緒にどう?」
眩暈を通り越して死んだ! はい、死んだよ!! こんな奇跡ってあるか!? 一人暮らしだし独り身だし、そう聞くってことは長谷さんも一人暮らしの独り身なんですよね!? そうなんですよね!? 小一時間くらい問い詰めたいんですけど!!
「一人暮らしの独り身です! 行きます!」
なんか余計なことまで言ったが、もはやどうでもいい!
第一は長谷さんを毎日拝めることによるオカズ素材の圧倒的供給過多!
第二は件以降、チーム内で唯一の開発人材として丁重に扱われることとなり、マウンティング泥試合から一線を引くことができた奇跡!
主に社内資料の体裁は俺以外のチーム員が受け持つことになり、機能面のパートのみを俺が記入、実装する流れになった。今まで社内抗争のために使っていたリソースは減り、内製化によって徐々に利益率が上がっていった。
俺がハッピーに仕事をしていることで、濃厚な地獄絵図みたいだったチーム内も少し明るくなってきた(沼田Mを除いて)。
この後2ヶ月で社内には長谷さん信者が多いことを知り、俺もそれに倣って長谷さんシンパに仲間入りした。
長谷さんの年齢は俺と変わらないくらいの2コ上、28歳。異例の速さで昇進したスタープレイヤーだった。開発ができることはもちろん、プレゼン能力も高く、ハイレベルでバランスの取れた逸材だと周りが賞賛している。彼が居なくなると会社が傾くほどのインパクトがあることから、上層部からもかなり気を使われているらしい。
長谷さんが独身ということは明らかにされているが、私生活は全く謎に包まれている。役職者ということもありなかなか気軽に飲みに誘えないのが原因だ。
長谷さんとの唯一の接点である歓送迎会の飲みの席で、何人も長谷さんのプライベートを暴こうと挑戦するが、ことごとく返り討ちにあっている。これは決してネガティブな意味ではない。気がついた時には話をはぐらかされており、それに全然違和感がないので、さらに頭脳明晰な長谷さんへの尊敬が高まるのである。
長谷さんは俺の上司ではあるが、チームが違うので接触が少ない。しかし接触が少ない理由はこれだけではない。たまに仕事で話す機会があるが、びっくりするぐらい簡潔に的を射た受け答えをする。打てば響くとはこういうことか! と誰もが清々しい気分になる。なので必然的に会話ができる時間が少ないのだ。
視覚的な長谷さん情報はみんな平等に与えられるが、長谷さんの中身の情報は圧倒的に少ない。その情報の少なさから長谷さんシンパは定期的な情報交換会を開いており、俺はその繋がりで全然違うチームとも飲みに行く機会が増えた。
長谷さんを眺めて、それを仲間と共有して……。入社当初からは考えられないくらいQOLが向上した。
これだけでも嬉しいのに、今日、時間にしてみれば4時間前、たまたま帰りが一緒になった長谷さんが、俺を呼び止めた。
「周防、会社には慣れた?」
1回目、沼田さんの横で言われたそれとは全く異なる柔らかな表情で、話しかけてくれた。
「はい、長谷さんのおかげで!」
話しかけてもらった嬉しさで眩暈を起こしながら、控えめに答えた。いや、本当は、好きとか、かわいいとか言いたいけど、控えめに。
「周防って一人暮らしなの? これから飯一緒にどう?」
眩暈を通り越して死んだ! はい、死んだよ!! こんな奇跡ってあるか!? 一人暮らしだし独り身だし、そう聞くってことは長谷さんも一人暮らしの独り身なんですよね!? そうなんですよね!? 小一時間くらい問い詰めたいんですけど!!
「一人暮らしの独り身です! 行きます!」
なんか余計なことまで言ったが、もはやどうでもいい!
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