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第1章 ダイバーシティパラドックス
第17話 快楽の訓練 ※
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彼はシャツをガバッと脱いで、上半身を空気に晒す。その体躯に見惚れていると、ファリドは僕のバスローブを開いた。一瞬のことで、その事実を認識できないうちに、彼の熱い胸板が僕の素肌に張り付いた。そして彼の舌が僕の首筋に跡を残して下っていく。情報量が多すぎて言葉を発することもできず、痙攣しかできない。
しかし彼の這い回る舌が僕の胸の先端に到達した時、違う感覚で身を捩らせた。
「ファリド……そこはなんだか……くすぐったい……」
「ん……少しだけ我慢して。後でちゃんと……気持ちよくさせてあげるから……」
彼が舌を伸ばし僕の先端に触れる光景は、感覚的にはくすぐったいのだが、視覚的にはキスのように気持ちがいい。彼の舌先が何度か僕の先端を弾くと、口が大きく開かれて飲み込まれていく。彼は口の中でも僕のくすぐったい場所を捏ね、そしてそれを吸いながら口を離す。
「そこは……普通の人だと……気持ちがいいの?」
「ソラ、普通の人でも快感を得るまでには訓練が必要なんだ。ソラは訓練頑張れる?」
その言葉で、さっき記憶を失ったバスルームでの悲劇を思い出した。人は容易に快感を得られるものだと思っていたが、それは僕の大きな勘違いだった。
「頑張る……そうしたら、すごいキスをしてくれる?」
「ああ、これから何度でもしてあげるよ。訓練を頑張れたら、もっとすごいことを教えてあげる」
ファリドは上半身を起こし、袖机からよくわからない器具を出した。きっとさっき言っていた医療用語の道具だ。僕はバスルームでの腸内洗浄を思い出して、恐怖から腕を縮こめた。
「怖くないよ。ほら、かわいい胸を見せて」
ファリドは、薄くて丸いシリコンのような素材の道具を2つ持っていた。僕に腕をどかし、それを胸の2つの先端に貼り付ける。吸着するような素材には見えなかったが、肌に張り付いたと思ったらそれはファリドがさっきしてくれたように捏ね回しはじめた。さらに細かく振動してよくわからない感覚が脳天まで駆け上げる。
その感覚はファリドが髪の毛を梳かしてくれた時のように中毒性を疑うものだった。僕は恐怖から丸い素材を剥がそうとする。
「ソラ……頑張れない?」
僕の両手首を掴んで、ファリドは悲しそうな顔をする。僕は必死で首を横にふり懇願する。
「少しだけ……怖く、怖くて……」
「こうしたら、怖くない?」
ファリドはさっきしてくれたように僕に胸板を押し付け、そうして甘いキスをしてくれた。怖がらないようにしてくれているはずなのに、体全体がよくわからない感覚に支配され、更なる恐怖が迫り上がる。
「ファリド、ファリドは訓練は、終わったの?」
彼は少し笑って、僕から体を離した。
「確かめてみる?」
そうして僕は抱き起こされた。ファリドは袖机から訓練の道具らしきものを何個か手にして、僕をベッドに誘う。僕より先に道具がシーツに飛び込み、僕をベッドの端に座らせたファリドは履物を脱ぎ去った。
男性器というのは僕にもついているし、こう見えて研究者なのだから、ヒトの性交の実態というのも理解はしている。しかしその圧倒的な存在感に僕は畏怖の念を抱いた。それはライフスーツを着ていないルルーと対峙した時と同じだった。
ヒトが性的興奮を覚えるときに変形する雄のシンボルに感嘆し、恐る恐る手を伸ばす。僕の手が触れると、それは脈打ち反り返った。屈強にも見えるが、敏感で脆くも感じ、恐る恐る手に包んでみる。ファリドが僕の頭上から息を漏らした。
「僕に……興奮してくれているの……」
「ソラ、どこに向かって話しかけているんだ」
ファリドはそう言うが、雄のシンボルはまるで別の意思を持っているかのようにビクビクと痙攣し、僕の手の感触を喜んでいる。それが嬉しくて、頬を寄せて、すんと匂いを嗅いでみた。頬に触れる熱と匂いに、下半身にもどかしい感覚が鈍く広がる。絶えず胸の先端から与えられる感覚で頭がおかしくなってしまったのだ。
「ファリド、この子の訓練はどうやってしたの?」
ファリドの手がゆっくり降りてきて、髪の毛を撫でて、耳を通過したら、彼の指が僕にゆっくり差し込まれた。そして僕の口が存分に開いたら、そこにあの子が入ってきてくれた。
しかし彼の這い回る舌が僕の胸の先端に到達した時、違う感覚で身を捩らせた。
「ファリド……そこはなんだか……くすぐったい……」
「ん……少しだけ我慢して。後でちゃんと……気持ちよくさせてあげるから……」
彼が舌を伸ばし僕の先端に触れる光景は、感覚的にはくすぐったいのだが、視覚的にはキスのように気持ちがいい。彼の舌先が何度か僕の先端を弾くと、口が大きく開かれて飲み込まれていく。彼は口の中でも僕のくすぐったい場所を捏ね、そしてそれを吸いながら口を離す。
「そこは……普通の人だと……気持ちがいいの?」
「ソラ、普通の人でも快感を得るまでには訓練が必要なんだ。ソラは訓練頑張れる?」
その言葉で、さっき記憶を失ったバスルームでの悲劇を思い出した。人は容易に快感を得られるものだと思っていたが、それは僕の大きな勘違いだった。
「頑張る……そうしたら、すごいキスをしてくれる?」
「ああ、これから何度でもしてあげるよ。訓練を頑張れたら、もっとすごいことを教えてあげる」
ファリドは上半身を起こし、袖机からよくわからない器具を出した。きっとさっき言っていた医療用語の道具だ。僕はバスルームでの腸内洗浄を思い出して、恐怖から腕を縮こめた。
「怖くないよ。ほら、かわいい胸を見せて」
ファリドは、薄くて丸いシリコンのような素材の道具を2つ持っていた。僕に腕をどかし、それを胸の2つの先端に貼り付ける。吸着するような素材には見えなかったが、肌に張り付いたと思ったらそれはファリドがさっきしてくれたように捏ね回しはじめた。さらに細かく振動してよくわからない感覚が脳天まで駆け上げる。
その感覚はファリドが髪の毛を梳かしてくれた時のように中毒性を疑うものだった。僕は恐怖から丸い素材を剥がそうとする。
「ソラ……頑張れない?」
僕の両手首を掴んで、ファリドは悲しそうな顔をする。僕は必死で首を横にふり懇願する。
「少しだけ……怖く、怖くて……」
「こうしたら、怖くない?」
ファリドはさっきしてくれたように僕に胸板を押し付け、そうして甘いキスをしてくれた。怖がらないようにしてくれているはずなのに、体全体がよくわからない感覚に支配され、更なる恐怖が迫り上がる。
「ファリド、ファリドは訓練は、終わったの?」
彼は少し笑って、僕から体を離した。
「確かめてみる?」
そうして僕は抱き起こされた。ファリドは袖机から訓練の道具らしきものを何個か手にして、僕をベッドに誘う。僕より先に道具がシーツに飛び込み、僕をベッドの端に座らせたファリドは履物を脱ぎ去った。
男性器というのは僕にもついているし、こう見えて研究者なのだから、ヒトの性交の実態というのも理解はしている。しかしその圧倒的な存在感に僕は畏怖の念を抱いた。それはライフスーツを着ていないルルーと対峙した時と同じだった。
ヒトが性的興奮を覚えるときに変形する雄のシンボルに感嘆し、恐る恐る手を伸ばす。僕の手が触れると、それは脈打ち反り返った。屈強にも見えるが、敏感で脆くも感じ、恐る恐る手に包んでみる。ファリドが僕の頭上から息を漏らした。
「僕に……興奮してくれているの……」
「ソラ、どこに向かって話しかけているんだ」
ファリドはそう言うが、雄のシンボルはまるで別の意思を持っているかのようにビクビクと痙攣し、僕の手の感触を喜んでいる。それが嬉しくて、頬を寄せて、すんと匂いを嗅いでみた。頬に触れる熱と匂いに、下半身にもどかしい感覚が鈍く広がる。絶えず胸の先端から与えられる感覚で頭がおかしくなってしまったのだ。
「ファリド、この子の訓練はどうやってしたの?」
ファリドの手がゆっくり降りてきて、髪の毛を撫でて、耳を通過したら、彼の指が僕にゆっくり差し込まれた。そして僕の口が存分に開いたら、そこにあの子が入ってきてくれた。
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