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第24話 感じやすい体 ※
しおりを挟む私の期待は絶頂を迎え、自分でもわかるほど蜜が滴り落ちる。
「ここを絞れば女のように蜜を溢す。俺好みの体か、確かめても?」
ランダの甘い声が私の理性に分厚い膜を巻いていく。触れてほしい、その一心で首を縦に振ると、左側の耳に押し当てられた唇から笑いが漏れた。
「たまらない」
耳元に落とされた言葉と、急に握られた手の熱に理性は完全に焼かれ、葬り去られた。犬のように息を切らし、ランダの逞しい腕にしがみつく。すると、驚くほどはやく白濁が宙を舞った。
「はぁっ……ぁ……ぁっ……!」
「なにもかも俺好みだ。感じやすい体、それに、ここも……」
ランダに再び私の両腿を持ち上げられ、震える窄まりが空気に晒された。それに顔を背けた拍子に、耳から離れるランダの唇。ポッカリあいた二人の間に、あの冷気が流れ込んできた。
「やめ……てくれ……」
「ミカが見ないならどうなっているか言ってやろう。腰にあたる俺のモノを咥えたいと……」
「やめてくれ……!」
思わず飛び出た強い否定に、自分自身、驚きで鏡を見た。そこに私の後ろで優しく微笑むランダの顔があった。
「大丈夫。今日はここまでだ。ミカが好きになれない体でも、俺はこんな風になる。もう二度と、殺してくれなんて懇願するな」
両腕は再び私の胸を締め上げ、左耳にはランダの唇が押し当てられる。そして、腰に感じる熱く硬い男の部位。
「ラン……ダ……!」
「そんな可愛い声で呼ぶな。我慢ができなくなる」
「ランダ……ランダ……!」
「大魔道士様に無理をさせるなときつく言われているんだ。ミカは昨日刺されたのだぞ!?」
「それで……?」
それでランダは昨日から私の体を労って、昨日からずっと我慢をしてくれていたのか。
「今日は一日三回の最多記録を更新しそうだ。ますます計算が合わなくなるな」
ジュウとこめかみに唇を押し当てられたと思ったら、背中に感じていた熱が去っていく。
「大魔道士様に会いに行かなければ。ミカの服はこの先のクローゼットか?」
「じ、自分でできる……!」
私が振り返ると、ランダはすでに履物に足を通していた。それで彼の気遣いを知った。私は裸だ。ついさっきまでどうやってベッドから出ようかと考えを巡らせていたのに。
ランダは不敵な笑みを浮かべて、私の両脇に腕を突っ込んだ。そのままヒョイと抱え上げられ、見たこともない視点に戸惑う。
「こうするのは、男だって恥ずかしいと思うからだ」
決して女のようではない、ランダはそう気遣いながら私をクローゼットまで運んだ。
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