妖精王の双剣-愛する兄弟のために身売りした呪われは妖精王に溺愛される

大田ネクロマンサー

文字の大きさ
上 下
78 / 80
第6章 シュトラウス家の紋章

第18話 三日月と満月 ※

しおりを挟む

アンドリューはしばらく顔を上げなかった。それは俺の果てない昂りを腹で感じているからだろう。アンドリューのうねりのある髪の毛に触れて、そのまま両手で頭を抱く。

そこにシーバルの大きな手が被さってきた。


「アンドリュー、すごく優しくできてたよ。あとは任せて」


シーバルは簡単にアンドリューを持ち上げて、2人の繋がりを解いていく。そして腕に気を使いながら、俺の横に彼を寝転がした。


「リノ、今日はアンドリュー頑張ったから。アンドリューの耳を撫でてあげて」


今度は俺がシーバルにひっくり返され、アンドリューを跨ぐ形で寝転がされた。息を整えるアンドリューの顔に急に近づき、その表情を目の当たりにする。


「アンドリュー……?」


俺はこの表情の意味するところがわからなかった。まるで少年のような澄んだ瞳に、無感情ともいえる表情。


「リノ……明日はもっとうまくやるから……」


伸びてきた片手が俺の頬に到達する。それがどうしてだか、子どもの頃のアンドリューが帰ってきてくれた気がして、目頭が熱くなった。


「うん……」


差し出された手に手を重ねて、アンドリューの唇に近づく。自分からするというのはいつだって勇気が必要だ。でも、彼はそれを乗り越えて俺の手の甲にキスをしてくれたのだ。

俺はひっそりと唇を寄せる。アンドリューの唇はクッキリと尖っていて、その頂点からピッタリと重ねることができた。


「リノ、今日はアンドリューに口を塞いでもらってね」

「んぇっ、待って……シー……!」


シーバルを呼ぼうとする口を、アンドリューが塞ぐ。いつの間に回されたアンドリューの片腕で後頭部を押さえつけられ、身動きがとれない。


「んっ、ぅんっ……んんんっ!」


腰を持ち上げたシーバルは、前触れも無しに、凶暴な熱源を突き入れていく。


「あぁ、リノ。アンドリューに気持ちよくさせてもらって。もう我慢できなさそうだね」

「んんっ! んんっ! シー……ッ!」


アンドリューは熱心に俺の口の中を味わい、少し顔を離そうとするだけで、片腕で頭を押さえつけて逃がそうとしない。


「アンドリュー、リノはすごくかわいくて、気持ちがいいと全然我慢ができないんだ。でも1回出しちゃうと、コツが必要なんだよ」


宙吊りになるほどにシーバルは俺の腰を持ち上げる。そして俺の心に嫌な予感が広がった。


「こうやってね、ここの浅いところを優しく擦ってあげてね……」

「ふっ、シーバゥッ──! あっ、やめっ───!」


シーバルの熱源はいつもよりもずっと高温で、熱せられた鋼のようだった。その焼きなました鋼が、ジュウジュウと俺が恐れるスレスレの場所を通過する。もどかしさと鋼の熱にあてられて、全身からジワジワと汗が染み出していった。


「それで、リノが我慢ができなくて、こうやって汗が出てきたらね……───!」

「っひ、ぃアアアアァ────! んんっ!」

「こうやって、腹側の奥をっ、ああっ! リノ、もう、我慢できなさそうだね! 我慢しないでっ!」


放り出されたら理性を失う場所を、シーバルはとてつもない質量で突き入れる。内臓が驚くようなその感触も、慣らされてしまった快楽。


「ダ……めええぇ────!」


俺の口が急に自由になって、驚いたのも束の間。アンドリューは器用に俺の腕をかわして、その手を下に伸ばしていく。シーバルが腰を持ち上げているせいで、肘をつくのに精一杯で、手を動かせない。俺がもがいている間に、アンドリューの手が俺の前を掴んだ。その感触に頭が真っ白になる。


「ひぃやああぁぁあっ────! やめっ! だめぇえええっ!」

「ありがとう、アンドリュー! これからこうやって! リノを愛していこうね!」


叫んで仰け反ったせいで、シーバルの強靭な刃が、俺の最奥に衝突する。自業自得を反省する理性は白濁とともに飛び出していってしまった。


「はっ、はっ、はっ、シー、バル! もっ! と!」

「あぁ、リノがかわいくなった。アンドリュー。こうなるとリノは抵抗しなくなるんだ。でもちょっと事情があって、リノを反対側にするよ」

「いやだぁ──!」




「ああ、かわいい。もっといっぱい出そうね。アンドリューにも手伝ってもらおうね」

「リノの目がどこを見ているかわからないぞ。本当に大丈夫なのか?」

「じゃあほら。これでアンドリューもリノ触りやすいでしょ。胸とかさっきみたいに吸ってあげてよ。下も時々擦ってあげて。意地悪すると、もっとかわいいリノが見られるよ」

「ああ、本当だ。よだれを垂らしてしまってるぞ。ふふっ。リノ、気持ちいいか?」

「ああ、上手に出せたね、リノ。アンドリューにしてもらえて気持ちがいいね。こんなにかわいいリノも久しぶりだよ」

「嬉しいな。リノ、もっと出していいんだぞ」

「あぁ、アンドリューにキスしてもらうと中がすごいことになる」

「明日、俺もリノをこんな風にしたい」

「アンドリューならできるよ。さっき教えたみたいに、最初にリノが出しちゃうのを我慢させるだけで、結構違うから……」

「シーバルも目がおかしいぞ。大丈夫か?」

「ううん、もうダメそう。そろそろ出そうだから……ああ、リノ、大好きだよ……リノ!」



記憶は途切れ途切れだが、自分の悲鳴以外はよく聞こえていた気がする。それは3人で挑むことに少し不安を抱いていたからだろう。しかしそんな憂いも不要なほど、2人はあの日の2人だった。
しおりを挟む
口なしに熱風| ふざけた女装の隣国王子が我が国の後宮で無双をはじめるそうです

幽閉塔の早贄 | 巨体の魔人と小さな生贄のファンタジーBL

皇帝に追放された騎士団長の試される忠義

口なしの封緘
感想 0

あなたにおすすめの小説

龍神様の神使

石動なつめ
BL
顔にある花の痣のせいで、忌み子として疎まれて育った雪花は、ある日父から龍神の生贄となるように命じられる。 しかし当の龍神は雪花を喰らおうとせず「うちで働け」と連れ帰ってくれる事となった。 そこで雪花は彼の神使である蛇の妖・立待と出会う。彼から優しく接される内に雪花の心の傷は癒えて行き、お互いにだんだんと惹かれ合うのだが――。 ※少々際どいかな、という内容・描写のある話につきましては、タイトルに「*」をつけております。

虐げられている魔術師少年、悪魔召喚に成功したところ国家転覆にも成功する

あかのゆりこ
BL
主人公のグレン・クランストンは天才魔術師だ。ある日、失われた魔術の復活に成功し、悪魔を召喚する。その悪魔は愛と性の悪魔「ドーヴィ」と名乗り、グレンに契約の代償としてまさかの「口づけ」を提示してきた。 領民を守るため、王家に囚われた姉を救うため、グレンは致し方なく自分の唇(もちろん未使用)を差し出すことになる。 *** 王家に虐げられて不遇な立場のトラウマ持ち不幸属性主人公がスパダリ系悪魔に溺愛されて幸せになるコメディの皮を被ったそこそこシリアスなお話です。 ・ハピエン ・CP左右固定(リバありません) ・三角関係及び当て馬キャラなし(相手違いありません) です。 べろちゅーすらないキスだけの健全ピュアピュアなお付き合いをお楽しみください。 *** 2024.10.18 第二章開幕にあたり、第一章の2話~3話の間に加筆を行いました。小数点付きの話が追加分ですが、別に読まなくても問題はありません。

幽閉王子は最強皇子に包まれる

皇洵璃音
BL
魔法使いであるせいで幼少期に幽閉された第三王子のアレクセイ。それから年数が経過し、ある日祖国は滅ぼされてしまう。毛布に包まっていたら、敵の帝国第二皇子のレイナードにより連行されてしまう。処刑場にて皇帝から二つの選択肢を提示されたのだが、二つ目の内容は「レイナードの花嫁になること」だった。初めて人から求められたこともあり、花嫁になることを承諾する。素直で元気いっぱいなド直球第二皇子×愛されることに慣れていない治癒魔法使いの第三王子の恋愛物語。 表紙担当者:白す(しらす)様に描いて頂きました。

完結・オメガバース・虐げられオメガ側妃が敵国に売られたら激甘ボイスのイケメン王から溺愛されました

美咲アリス
BL
虐げられオメガ側妃のシャルルは敵国への貢ぎ物にされた。敵国のアルベルト王は『人間を食べる』という恐ろしい噂があるアルファだ。けれども実際に会ったアルベルト王はものすごいイケメン。しかも「今日からそなたは国宝だ」とシャルルに激甘ボイスで囁いてくる。「もしかして僕は国宝級の『食材』ということ?」シャルルは恐怖に怯えるが、もちろんそれは大きな勘違いで⋯⋯? 虐げられオメガと敵国のイケメン王、ふたりのキュン&ハッピーな異世界恋愛オメガバースです!

Switch!〜僕とイケメンな地獄の裁判官様の溺愛異世界冒険記〜

天咲 琴葉
BL
幼い頃から精霊や神々の姿が見えていた悠理。 彼は美しい神社で、家族や仲間達に愛され、幸せに暮らしていた。 しかし、ある日、『燃える様な真紅の瞳』をした男と出逢ったことで、彼の運命は大きく変化していく。 幾重にも襲い掛かる運命の荒波の果て、悠理は一度解けてしまった絆を結び直せるのか――。 運命に翻弄されても尚、出逢い続ける――宿命と絆の和風ファンタジー。

幼馴染は僕を選ばない。

佳乃
BL
ずっと続くと思っていた〈腐れ縁〉は〈腐った縁〉だった。 僕は好きだったのに、ずっと一緒にいられると思っていたのに。 僕がいた場所は僕じゃ無い誰かの場所となり、繋がっていると思っていた縁は腐り果てて切れてしまった。 好きだった。 好きだった。 好きだった。 離れることで断ち切った縁。 気付いた時に断ち切られていた縁。 辛いのは、苦しいのは彼なのか、僕なのか…。

【完結】冷血孤高と噂に聞く竜人は、俺の前じゃどうも言動が伴わない様子。

N2O
BL
愛想皆無の竜人 × 竜の言葉がわかる人間 ファンタジーしてます。 攻めが出てくるのは中盤から。 結局執着を抑えられなくなっちゃう竜人の話です。 表紙絵 ⇨ろくずやこ 様 X(@Us4kBPHU0m63101) 挿絵『0 琥』 ⇨からさね 様 X (@karasane03) 挿絵『34 森』 ⇨くすなし 様 X(@cuth_masi) ◎独自設定、ご都合主義、素人作品です。

秘花~王太子の秘密と宿命の皇女~

めぐみ
BL
☆俺はお前を何度も抱き、俺なしではいられぬ淫らな身体にする。宿命という名の数奇な運命に翻弄される王子達☆ ―俺はそなたを玩具だと思ったことはなかった。ただ、そなたの身体は俺のものだ。俺はそなたを何度でも抱き、俺なしではいられないような淫らな身体にする。抱き潰すくらいに抱けば、そなたもあの宦官のことなど思い出しもしなくなる。― モンゴル大帝国の皇帝を祖父に持ちモンゴル帝国直系の皇女を生母として生まれた彼は、生まれながらの高麗の王太子だった。 だが、そんな王太子の運命を激変させる出来事が起こった。 そう、あの「秘密」が表に出るまでは。

処理中です...